ほほえみの国で薄ら笑い【タイ】

バンコク郊外へ

迎えの車に乗り込むと、今度は車は高速道路にのりバンコク郊外へ。あらら、チャオプラヤー川を渡ってどこへ行くの。

なんだか楽しげなところに連れて行ってくれるらしいが、これまた事前知識がほぼ皆無なおかでんは薄ら笑いを浮かべて車窓を眺めるしかなかった。

チャオプラヤー川を渡れば急にのどかな光景へと切り替わっていく。首都とはいえ、それほど規模が大きい都市圏ではないようだ。というより、東京が異常すぎるんだよ。通勤時間2時間の人もいるくらいな都市って、日本くらいじゃないか?

一戸建ての家も目立つ。このあたりの屋根はすべて明るい茶色。日本のように黒光りする瓦を使うのは無理だな、本当に瓦の上で目玉焼きが焼けるぞ、この気候だと。

タイ・ビレッジカルチャーショー

「これから行くところはコレです」

とガイドさんから渡してもらったのは、「タイ・ビレッジカルチャーショー」というリーフレット。普通こういうのは施設に入る際、チケットと一緒にもらうものだがなんて用意周到なんだ。目的地に着く前にもらっちゃった。

なんでも、タイの庶民文化をあれこれ紹介してくれるらしい。よどみのない日本語の解説がついていて感心。

ローズガーデンの中
ゾウがお出迎え

到着したのは「ローズガーデン」というところ。バラ園?あれ?「タイ・ビレッジ」じゃないの?と思っていたら象がお出迎え。うわあびっくりした。

動物園以外で象を見たのは初めてだし、ましてやこんな間近なところに、当たり前のようにいるとはびっくり。

象の存在にあっけにとられるが、ガイドさん曰くこの後もうすぐでカルチャーショーがあるのでそれをまず見ましょう、とのこと。了解。

売店がある建物、昔ながらの建物っぽくするために茅葺き・・・と見せかけて、普通の屋根に藁を敷いているという「なんちゃって茅葺き屋根」だった。

飲み物を売る売店

ここでシンハービールを頼んだら大層男が上がるが、さすがにお昼ご飯でおなかいっぱいになった直後に再度飲む気にもなれず。あと、シンハーって普段飲み慣れていないせいか、あのまったりさは「昼間、何かの片手間に、口寂しさを紛らわすために飲む」のに向いていないんだよな。個人的には「昼のビール」としては一番搾りが好きだ。

ちなみにシンハービールは55バーツ。165円。多分観光地物価なんだと思う。相当高いんじゃないか?

気になったので後で市場価格を調べてみたが、だいたい30バーツくらいの代物だった。90円!安いなぁ。確実にアルコール依存症になる。断言してもいい。

ちなみに「ドリンキングウォーター」が15バーツ、「ミネラルウォーター」が30バーツというのはとても興味深かった。倍の値段差があるんだな。まあ、日本なら「水道水」と「ミネラルウォーター」じゃ数百倍数千倍の価格差があるわけだが。

カルチャーショーの客席

カルチャーショーを見ることができる会場はすり鉢状の階段座席。客層を見ると、タイ人半分にあとはガイジン、といった異国情緒満点な雰囲気。特に白人が結構いるのが印象的。タイまで遠路はるばるよく来たものだ。

これはここに限らず、バンコク周辺の観光地全部について言えることだが、西洋の白人が結構多い。彼らにとってタイとはどういう国なのだろう?トムヤムクン大好きです、なんて思ってるのだろうか。日本ほどタイ料理店はないだろうし、あまりなじみのない国だと思うのだが。

セパタクローのリフティング

ショーが始まった。なにやら鞠のようなボールを並べ、リフティングをするおじさん登場。あ、これはセパタクローだ。セパタクローってアジア大会くらいでしか馴染みがないスポーツ競技だが、あれってタイ発祥だったのか。あれ?じゃあカバディは?あれはインドか?

ショー1
ショー2
ショー3
ショー4

セパタクローで空気が和んだところでたくさんの人が出てきて踊ったり舞ったり。象が出てて来て行進したりもする。なんともぜいたくな演出。行進の途中象が粗相したらどうしよう、なんて心配したが、さすがによくしつけられていて暴れることなく退場。

その後、田植えがあったりいろいろなタイの人々の生活する様が演じられた。

いいなあ、これ。短い時間で踊りや風習やスポーツやら、いろいろ見ることができる。こういう施設は日本にもあった方がいいと思う。お台場あたりの空き地にそういうショーを見せる施設を作れないものだろうか?ディズニーがシルク・ドゥ・ソレイユの常設小屋を作れるくらいなんだから、これくらいはできるはずだ。

ムエタイ選手入場

踊りが盛り上がったところで、ムエタイ選手登場。いいぞいいぞ。

神に捧げる踊り1
神に捧げる踊り2

ムエタイは試合が始まる前、ワイクルーと呼ばれる踊りがある。手をくるくる回してみたり、イスラム教徒のように土下座して祈りを捧げたり、なんともいろいろなお祈り方法があるものだと感心。「さっさと試合やれ」となんてちっとも思わない。このワイクルーだけでも十分面白い。

多分、日本の相撲が「時間いっぱい」になるまで時間をかけて精神統一するのと同じ構図なのだろう。

ムエタイ試合開始
あっけなくKO

さすがにショーの中の出し物なので、ガチな試合をやるわけじゃない。多分一日何回もこのショーは行われているはずであり、その都度本気モードでやっていたら一週間もしないうちに体がパンクする。

大相撲巡業における「花相撲」のようなもの、と思えばよろしいかと。でも、格闘技だけあって結構ハードヒット。バシーン、ズバーンと派手な音を立てて蹴りが入るので、見ている観客は「おおおう」と思わず身を乗り出すのだった。仕組まれた試合だからこそ、見栄えの良い技が連発。

最後、青い人がハイキックで赤の人をノックアウト。観客一同拍手喝采。

棒術1
棒術2
棒術3
棒術4

リングが片付けられたと思ったら、今度は棒術の戦い。攻める側の赤の人は「安保粉砕!」とばかりに棒を振り回す。一方受ける側の青の人は、手の甲から肘にかけてガードするような木(名前はなんというのか不明)を装備。圧倒的赤有利だったが、赤の攻撃をブロック下状態で三沢光晴よろしくエルボー一発でノックアウト。勝ち誇る青の人。

棒術5
棒術6

このあと、二対一のハンディキャップマッチも行われたりして、結構盛り上がった。

タイの伝統的結婚式1
タイの伝統的結婚式2

タイの伝統的結婚式の様子も再現。

面白いのは、花嫁と花婿の頭同士を紐で結んでしまったこと。そして、両名ともうつぶせの姿勢。背筋のトレーニングかこれは。

「運命の赤い糸」が小指にくくりつけられているならわかるが、タイだと「運命の白い紐」が頭にくくりつけられているとは。こういうのもいちいち面白い。

さあまたダンスパートですよ。花びらをはらはら蒔きながら踊ったり、バンブーダンスをやったり。あれっ、バンブーダンスってフィリピンとかインドネシアとかあっちの方の踊りかと思ったが、タイでもやるのか。案外幅広い文化圏を誇るダンスだな。

竹が豊富な日本ではバンブーダンスが普及しなかったのは不思議。せいぜい、健康増進用の足踏みに使うくらいだもんなー。

グランドフィナーレ1
グランドフィナーレ2

グランドフィナーレはいったい何十人いるんだ、というくらいの人が出てきた。各国の国旗もお目見え。イッツアスモールワールドみたいに「世界は一つ」と歌いたくなるシーン。いやあ、ゴージャスでした。これは見応えあり。

ただ、バンコク市街から車で30分ほど離れているので、ツアー以外だとどうやってここまで足を伸ばすかが課題だろう。

ゾウのショー1
ゾウのショー2

外に出ると今度は象のショー。象使いという職業がタイにある、というのは知っていたが、せいぜい観光地で馬をひいている馬食さんくらいの役割だと思っていた。

いやいやどうして、尻もちをつけ、と指示したらそのとおりやるし、大きな丸太を仲間と協力して池に転げ落としたり、池に落ちたのをもう一度陸に揚げたり。なんて賢いんだ。象もすごいが、象使いもすげぇ。だって、人間の言うことを聞くようになるまではこの巨体で押しつぶされるリスクありまくり。「もういやだ!森に帰る!」って機嫌を損ねたら、人間が10人がかりでも阻止できない体躯だもの。

このあと、うつぶせに寝た人間が数メートルおきに並んでいるところをまたいで歩いて行くデモンストレーションなんぞを見せて観客の悲鳴と喝采をあびていた。万が一象に踏みつぶされたら、本当にぺしゃんこになってしまうだろうな。

交通取締中
おまわりさんは必死

バンコク市街に戻る途中、あちこちで警察がお仕事をしていた。スピード違反を取り締まっているのだろうか?でも、とにかく車が多いバンコクでそんな取り締まりはほとんど無用だ。多分、交通整理くらいの位置づけなのだろう。

とはいえその仕事は命がけ。すぐ横を車が通り抜けるところに立っていないといけないのだから。写真下は車の通行にのけぞるお巡りさん。また、お巡りさんの多くはマスクを装着していた。排ガスにさらされるからだろうが、1月とはいえ蒸し暑いこの国でその姿は我慢大会に等しかった。

ナイトマーケット

バンコクに戻ってそのままナイトマーケットへ。ナイトマーケットに昼間(実際は夕方)に行くのは間抜けだが、なにせ前後いろいろスケジュールが詰まっているのでこの時間に。

スワンルム・ナイトバザールは案の定まだ本気モードに入っていない状態。店の開店準備を始めるかなあ、という店があったり、「営業してるけどあと数時間後に本気出す」モードの店ばかり。

ナイトマーケット地図
狭い露地


築地場外市場よろしく、狭い通りに小さなお店が密集している。パッポン通りほどいかがわしく雑然とはしておらず、きっちりとした管理下でこのマーケットが管理されているのがわかる。

売られているのは雑貨、衣類、食器などが多い。タイの屋台料理があちこちでじうじう音を立てて客の来店を今かと待っているのを想像していたら、全然違った。

このマーケット内ではガイドさんが密着することはなく、集合時間を決められてそれまで自由行動となっていた。言葉が通じないものだから心細くなってしまい、あんまりあれこれを見た記憶が残っていない。

タイ語のTシャツ

ナイトマーケットでの戦利品。タイの五十音表みたいなものがプリントされたTシャツ購入。

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