バンパイン宮殿。
バンパイン離宮とも呼ばれるそうだ。
歴代の王様が夏の間ここに滞在していたとのこと。(棒読み口調)
なにせ、手元にある旅行代理店のパンフレットしかないので、それ以上はわからん。しまったなあ、事前に勉強しておくべきだった。ガイドさんの解説の言葉の端々に「アユタヤ王朝」だの「スコータイ王朝」、そして「ラーマ王朝」なんて言葉が出てくるんだが、何がなんだかさっぱり。
ここでもまた、「分かってないんだけど分かった体」の薄ら笑いを浮かべるしかないおかでんだった。
外国人の入場料100バーツ(300円)。
わざわざ「外国人価格」が設定されているということは、タイ人は別の料金なのだろう。そっちのほうは、数字まで含めてタイ語で書かれているのでさっぱりわからない。
日本の場合、「ガイジンさんだけ値段倍ね」なんていう施設は聞いたことがないので、お人好しなんだかビジットジャパンキャンペーン中なんだか。
さすがに王室御用達の場所に入るだけあって、入場するには金属探知機ゲートをくぐる必要がある。
あれ。空港の保安検査場みたいに、ベルトやら財布やら、貴金属を外して入れておくカゴなんて用意されていないのか。じゃあどうするんだよ。え?そのまま前へ進めって?
そんな馬鹿な、と思いつつもゲートをくぐったら、何も反応せず。何だこれ。
電源が入っていないのかもしれない。それとも、何か未知なる機能を持っていて瞬時にして危険物をスキャンできる機能があるとか?恐るべし、タイランド。
ゴルフのくるまをレントするサビースがあります。
タイでは日本人駐在員や観光客が多いせいか、あちこちで日本語を見かけた。それはそれでうれしいし難しい日本語に必死で翻訳して表示してくれている努力には脱帽だ。しかし、どうも日本語フォントが微妙なのだった。タイ風味が加わっているというか、妙に丸っこい。この表示もそう。この字体を「へなちょこフォント」と名付けて売ればそこそこ売れるかもしれない。
さて、「ゴルフのくるま」とはなんぞや、と思ったら、ゴルフ場で見かける電動カートのことだった。敷地に入ってすぐのところにずらりとカートが並んでいた。それだけこの敷地は広いということらしい。
どうせ日本の物価から考えたらアホみたいに安いのだろうし、借りてみても良かった。でも朝食べた朝食がまだ胃の中で主張をしており、消化促進のためにとりあえず歩くことに。
観光地でよくある「強制記念撮影」の完成品。
レコードみたいな黒い台紙に、丸く切り取られた写真が貼り付けられている。こういうデザインの記念写真ははじめて見た。
珍しい外観ではあるが、それにつられてついつい買ってしまっても扱いに困る。額縁には当然入らないし、テレビの周囲に立てかけるにしてもバランスが悪い。結局壁に押しピンで留めるしかない。もしくはうちわとしてパタパタ使うか。
さすがゴルフカートでの移動というオプションがあるだけのことはある。相当広い。東京ドームの何個分あるかはわからないが、小一時間の滞在では全貌が全く掴めないくらいの広さがあった。
そんな敷地の中に、洋風建築からタイの伝統的建築までいろいろな建物がぽつりぽつりと建っている。建物を行き来するだけでも大変だ。あまり実用的ではないな。王様がここで過ごしているときは、建物間の移動は象だったのだろうか?
ほら、植え込みの植栽が象の形に刈り取られているぞ。
王様が天体観測にも使ったという展望台。
写真上はこの宮殿の中でも地味な建物。洋風建築だが、これくらいの豪華な家は探せば日本国内にもありそうな気がする。あくまでも外観だけでの話だが。実際は中は絢爛豪華ウヒョーみたいな作りになっているのかもしれん。
これは迎賓館だそうで、昭和天皇がタイ訪問の際にも使われたとかなんとか。現役施設ということなので、近寄って中を覗いてウヒョーは許されなかった。
写真下はなにやら場違いな中華風建築。もう何でもありだな。この敷地内でエジプトのスフィンクス像が据え付けられていても何ら驚かない。
この建物はタイ在住の華僑?から送られたものらしい。そういう贈り物も有りなのか。だったら日本も何か寄贈しようぜ。五重塔とか。
中華建築の中に入る事はできるのだが、カメラだめ、帽子着用も駄目、土足駄目と制約が厳しかった。何でなんスか。帽子駄目というのは厳しい。一応ここも王様の宮殿の一つ、という位置づけなので敬意を表さないと駄目らしい。
中には黒檀の机やらなんやら、お宝だらけでさすが王室の施設だけあると納得。
ここがまだ現役の王室御用達施設であると分かるのは、ところどころに兵隊さんが立っているということ。迷彩服を着て、身動きせずずっと立っている。儀礼用の銃なんかではなく、実戦でも使える銃を携えているところがやる気十分だ。
迷彩服というのは適当に緑やら茶色を混ぜれば完成、というわけではない。たとえば日本の迷彩服は日本各地の風景を2,000パターン以上集め、その風景を平均化した結果作っている。すなわち、「日本では最強のかくれんぼツールだが、外国に行くとむしろ目立つ」ということになる。専守防衛の日本万歳。アメリカの場合は中東派兵があるため、砂漠用の迷彩(カーキ色中心のもの)を作っている。ただ、その実証実験をアメリカ国内の砂漠でやって、自信満々に中東に投入したら案外砂の色が違っていて、目立って逆に生命のピンチに立たされたんだとか。迷彩って案外難しい。
話がずれたが、その国の軍隊の迷彩服を見れば、その国の植生が分かるというこった。タイの場合、どうやら相当濃い緑であり、しかも緑よりも茶色の方が多いということが分かる。勉強になるな。
バンパイア宮殿、じゃなかった、バンパイン宮殿を後にし、また車上の人に。
この後世界遺産アユタヤの観光だという。とはいっても、バンパイン宮殿が既にアユタヤ県に入ってるので、車での移動は後もう少し。
高速道路が整備されているわけではないので、ほこりっぽい下道を走る。バンコクから50kmくらい離れていると思う。
道中、あちこちで「えっ?」とびっくりする門や建物が目に留まる。急に出現するので、車窓を見ていて飽きない。
「あれは何ですか?」
とガイドさんに聞いてみたら、すべてお寺だという。お寺、金持ってるなあ。寄進されまくっているんだろう。その割には立派な民家、というのがあまり見られない。儲かったお金の多くをお寺に渡しているのかもしれない。
これでお寺のお坊さんが日々宴会にうつつを抜かしていたら大層ご立派な破戒坊主だが、多分この国のお坊さんってそういう発想はなさそうだ。小乗仏教の国だからな。
だとしても、この国には3万を超えるお寺があるというのだから信じられん。住職など誰もいない「無人のお寺」がさぞや多いんでしょう?と思うが、僧侶が40万人いるというのだからやっぱりものすごい。
われわれが乗った車はあるところで停車。目的地到着らしい。
車から降りてみると、そこは野良犬天国。
1月だというのに、暑さでやる気を失った犬どもがでろーんと横になっている。地面に接している俺の皮膚、ひんやりして気持ちいいーッ!とでも言っているかのようだ。
どうすんだよ、1月でこのありさまじゃ。7月、8月になったら溶けるしかないぞ。しかもよりによって黒犬だ、直射日光には当てられないな。
ここはどこ、と言うと、日本人町があった場所だという。山田長政が江戸時代にアユタヤに日本人町を作った、という話は歴史教科書にも出てくる話なのでぼんやりと記憶がある。最後は傷口に毒を塗られて死んじゃった、くらいしか覚えていないけど。
強者どもの夢の跡、じゃないが、今となっては何もない場所に20バーツ払って入るのはいかがなものか。まあ、実質60円なので安いものだが。
中に入っていると、確かに礎石のようなものが若干残っているくらいで、特にフォトジェニックなものはない。せいぜい、「日本人町の跡」と書かれた碑が建っていて、そこで記念撮影をする程度のものだ。
うーむうーむ、これも山田長政について事前に調べていればもう少し感慨深かったのだろうけど。今のおかでんには薄ら笑いを浮かべて「ほうほう、なるほど」と知ったかぶりをするしかない。
昔の地図。
えーと、すまん、これが「アユタヤ」の地図なのか、「日本人町」の地図なのかわからないまま撮影してた。なんだっけ、これ。
さすがツアー。土産物屋には欠かさず立ち寄りますよ。
山田家、という土産物屋らしい。入口にそう書いてある。山田長政から由来したのだろう。おかでんからすると「香川県にあるうどん屋」のイメージがあるが、それは偶然の一致。
「園内入口で購入された商品についての苦情等は当店は一切関係ございません」
と注意書き有り。多分、20バーツ払う前の門外にあった土産屋台で、粗悪な品を売っているのだろう。でも、商売になるんか?その土産屋台。というのも、大抵こういうところにやってくるのはツアーであり、ツアーの場合は土産物屋とがっちりスクラムを組んでいる。だから、山田家には川の流れのごとくするりするりと誘導するけど、ゲリラ土産屋台に誘導するのかどうか。
山田長政像発見。
屋外に作ればいいのに、と思うが、そうすると土産物収入が減るから屋内。
非常にシンプルで分かりやすい論理。
でも、位置的に逆光なので、記念撮影するにはあまり向かない。
ドリアンまんじゅう。
15個入り200バーツまたは600円。驚いた、ここでは日本円での決裁も可能だった。
周りを見ると日本語だらけ。
ガイドさんに「ここにはタイの人や日本人以外の人って観光に来るんですか?」と聞いてみたら、「ほとんど日本人ですねー」との回答。そりゃそうだ、山田長政って日本人以外知らないだろうし、興味もないだろう。ここに「日本人村」と称して昔の建物を再建すればまだ観光名所になるけど、何せ碑が建っていて、あと若干のガーデニングがされている程度だもの。野良犬パーク、と称した方がより現実に即している。
さてこのドリアンまんじゅう、ご丁寧にパッケージまで日本語記載。おっと、山田家と記されているところを見ると、このお土産もの屋さんが独自に売っているのだな。
「日本人町の名物饅頭 日本人町だけで発売」というキャッチコピーはあながち間違っていないようだ。
とはいえ、日本語で書かれたパッケージをタイ土産にしても、もらった方としてうれしいかどうかは微妙。さらに臭いことで有名なドリアンの饅頭ともなると、罰ゲームに近い印象を持つ人さえいるかもしれない。
当館内の商品のほとんどは日本向け製品です。
・・・と書かれている。それはどういう意味だ。日本人でも納得のクオリティのものばかり取りそろえました、という意味なんだとは思うが、なんだかあんまり得した気分にならないのはなぜ。外国行ってうっかりメイドインジャパンの土産買っちゃった、みたいながっかり感が若干ある。
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