地上の楽園でへべれける【尾瀬】

廊下
お茶完備

14:13
山小屋の中を探検する。

ここは本当に「山小屋」なのだろうか?ここまで整然とし、ぎゅうぎゅうしていない宿があるなんて驚きだ。多分、ここは「山小屋」ではなく「旅館」なんだと思う。そう考えなければ合点がいかない。廊下にお茶のサービスがあるなんて、普通の山小屋ではありえないぞ。お湯でさえ有料、という山小屋が多いのに。

山小屋デビューが尾瀬の宿だったら、そのあと苦労するだろうな。他の山小屋はもっと雑然と、混沌としている場所だ。でも、「尾瀬と比べてしょぼい!」なんて言うのはよせ。尾瀬の山小屋が特殊なんだから。

洗面所

14:16
洗面台は新しいものが並んでいた。ずらっと並んでいる洗面台は壮観。女性にとってはうれしい設備だろう。

弥四郎小屋トイレ1
弥四郎小屋トイレ2

14:17
お手洗いもきれい。最近増改築したらしく、まだ木材が若々しい。

もちろん、水洗トイレだ。水が豊富な宿ならでは、だな。でも、流した汚水はそのまま放水するわけにはいかない。浄化槽がこの建物の近くにあるのだろう。

弥四郎小屋売店

14:19
フロントの裏手に売店があった。ポストカードなどが売られているが、品数が少ない。北アルプスの山小屋なんて、売店にいろいろなものがぎっしりと売られているものだが、ここは非常に少なかった。収容人数が多いんだから、もっといろいろそろえれば売れるだろうに。

売店で売られているもの

14:20
おっと、非常に実用的なものも売られているぞ。

軍手、湿布、ハブラシ、タオル。

ハブラシなんて20円という値付けで、一体どうやってこれでもうけるんだ、と不思議でならない。

タオル100円

14:21
タオル(100円)を購入。

ちょうどタオルを持参し忘れていて、汗を拭く際とても難儀していたので助かった。この後、お風呂にも入るわけだし、タオルがないと不自由でかなわん。

登山装備表

14:21
なんでタオルを忘れるなんていう初歩的なミスをやらかしたのか。

今回は久々の一泊登山。必要な荷物を持参し忘れることがないよう、登山ガイドに書かれている「登山装備表」を見ながら荷造りをしたのだった。

で、その装備表には、なんと「タオル」という文言は存在しなかったのだった。当たり前すぎて書かれていないのだろうが、その「当たり前すぎる」ところでうっかりミス。結果、今日は額に汗が浮かんだときは手でぬぐう、という原始人的なやり方で汗を拭いていたのだった。

100円のタオルということで、全くの無地のものだった。弥四郎小屋オリジナルタオルだったら数百円払ってでも買ったと思うが、この小屋はあんまり商売っ気がないらしい。

自動販売機

14:23
玄関のところに自動販売機があった。よしよし、よーし。ビール売ってるぞ!襲撃して中に入っているビールを全部強奪しちゃおうぜ。愛国無罪!愛麦酒無罪!

とりあえず落ち着け。どうどう。

良く考えると自販機がある山小屋って珍しい。ずっと通電していないといけないからだ。電柱と電線なんてものが全くない山の中、電気は自家発電装置に依存することになる。だから、ふつうの山小屋では、宿の消灯時間になった時点で電気をばっさり停めてしまう。夜中も自家発電すると無駄だし、燃料代がバカにならないからだ。だから、当然自販機なんて置いていられないわけで。それがこの弥四郎小屋ではひょろりと当たり前のように置いてあるんだからすげーな。ならば、ありがたくビールを飲ませてもらおうじゃないか。

ビールは350mlで450円、500mlは550円。値付けとしてはまあまあ。銘柄はスーパードライ。

自販機の張り紙

おっと、自販機に張り紙がしてあるぞ。

缶ビールなど(プルトップ製品)は空き缶をつぶさないで売店まで返却してください。一缶ずつ中を洗浄してから返送(空輸)しています。

尚、ペットボトルなど、栓のできる製品は水筒代わりに使用するなどして、できるだけお持ち帰りください。お預かりの場合は別途、20円申し受けます。

ビールの缶、潰しちゃダメなのか。いつもの癖でついつい潰してしまいそうなので、忘れないようにしなくちゃ。それにしても、ペットボトルは有料回収とは大変だな。山小屋としてはごみを少しでも減らしたいところだろうから、こういうルールになっているのだろう。

早くも酒盛り開始

14:26
小屋の前には庭状のスペースが広がっており、ベンチと机が作られている。そこにどっかと座りこんで、待望の!ビールを!今!たった今!飲もうとしております。

そういえば3時間ほど前に燧ケ岳の山頂でビールを飲んだばっかりだったけ。でも、それとこれとは全然別腹、別肝臓。やっぱり山頂のビールはあんまりおいしくないな、下山のことを考えて遠慮がちになるから。それに、ぬるいし。ぬるいビール反対!

それに比べて自販機で買ったビールのなんと冷たいことよ。手にした瞬間、「あっ、これはよく冷えている!」という感動が渦となっておかでんを包み込んだのだった。こいつ、通常ではお目にかかれないくらいキンキンに冷えているぞ!すげーな、山小屋なのによくやった。感動した。

そんなわけで、あらよっと。ぐぐい。うー、美味い。

まだ時刻は14時半近く。これから先、今日はもう何も予定が入っていない「暇なひととき」というのがなんともうれしい。ゆっくりして過ごすぞー。そういうリラックス感が、ますますビールをおいしくしてくれる。

はー、うまいなあ。

脱衣場

14:34
お風呂は15時から19時まで、とあらかじめ聞いていたが、小屋の人が気を利かせて早めに準備が整ったらしい。「お風呂もう入れます」と教えてくれたので、さっそくお風呂に向かう。30分のフライングだ。

おかでんはすでに着替えやタオルなどをスタンバイさせていたので、そのまますぐに風呂へ。風呂の写真を撮りたかったからだ。写真を撮るためには誰もいない時に限る。それ、一番風呂をわが手に!

ちなみにお風呂解禁があまりに唐突だったため、ビールは飲みかけのままベンチに置いておいた。

弥四郎小屋のお風呂

14:34
弥四郎小屋のお風呂(男性用)。風呂が使える時間が短いので、「途中で男湯と女湯が入れ替わりますー」なんてことはない。

尾瀬の山小屋はどこもそうなのだが、ここでは石けん・シャンプーの類は使えない。体を洗うといっても、タオルでこすって済ませるだけだ。自然環境の保護のためには当然のことだ。

だから、浴室にカランが2つしかなくても特に問題はない。

お湯は常に供給されており、かけ流しになっている。温泉でもないのにかけ流しとはぜいたくな。

昨晩は夜行列車での移動だったし、今朝は燧ケ岳に登って下りてしたので、お風呂に入れるのは本当にうれしい。いやー、いい湯だなあ。

長風呂しても良かったのだが、宿のキャパシティの割にはこじんまりした湯船だ。あまり長居しない方がマナー的に正しいだろう。カラスの行水で外に出る。

足の裏ぶるぶるマシン

14:47
風呂上り、脱衣所の片隅で見つけた「足の裏ぶるぶるマシン」。無料で使える、というところがありがたい。しばらく足の裏を刺激して、今日溜まった疲れを絞り出した。

すぐそばが湿原

14:51
弥四郎小屋は尾瀬ヶ原の端に位置している。だから、徒歩数十秒でもう湿原の上に立つことができる。見晴地区の山小屋としては、一番解放感があって、立地条件が素晴らしい宿だと思う。

ビール飲みなおし

14:52
飲みかけのまま放置されていた缶ビールをしっかり持参。遮るものが全くない湿原の真上でビールを飲む。最初がキンキンに冷えていたので、少々時間が経っていても十分においしい。

それにしても湿原ビールのうまいことよ。こんな体験、なかなかできないぞ?今自分は幸せだ。

弥四郎小屋

14:53
振り向くとそこには大きな弥四郎小屋が。そしてその背景には燧ケ岳。

歩数計

15:00
そうそう、歩数計の確認をしなくちゃ。今日一日で何歩歩いたんだろう?

ズボンのポケットから取り出してみたら、34,845歩だった。相当歩いたな。1,501kcal消費した、と表示されたが、山登りの場合もっとカロリーを使っているはずだ。うん、これだったらビールを何本飲んでもばちが当たらないだろうな。

登山地図を眺めながらビール

15:12
登山地図を眺めながらビールを一人で飲む。今日歩いた道、明日通るであろう道を確認。ビールの肴としては最適だ。

今朝は曇りだったが、この時刻になると青空がちらちら見え始めてきた。野外ビール日和。暑すぎず、寒すぎないこの季節はちょうどいいや。とはいえ、標高が1,400mある場所なので、下界と比べると相当涼しいのは間違いない。

郵便ポスト

15:42
今気が付いたが、小屋の入口脇に郵便ポストがあった。郵便物を受け取る方のポストではなく、送るためのポストだ。一日に一回、回収されるらしい。こんなすごい山奥なのに、一体だれがそんなことをやってくれているのだろう?不思議だ。

燧小屋

15:48
ビールを飲みきったので、小屋の受付に空き缶を返却する。そのあと、見晴地区の散策をする。おっと、写真の小屋は「燧小屋」。ちょっと奥まったところにある小屋。見晴エリアでテントを張る際の受付はこの宿で。でも、この日は見晴のテント場は使えないようになっていた。

布団を敷いてみる

16:12
いったん部屋に戻る。混雑状況を確認するためだ。

部屋に用意されていた布団の枚数が増えていたり、人がやたらといる、ということはなかった。当初計画通りだ。

せっかくなので布団を敷いてみる。おや?折り目がぴっちりついたシーツがあるぞ。これは快適な睡眠がとれそうだ。常識的な「山小屋」のサービスとは大違いだ。あらためて驚く。

同様に、掛布団や枕にもカバーがつけられていて、感心することしきり。

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