おちこんだりもしたけれど、魚はげんきです。【ばんや:2020年03月】

まずは一杯、いっときますかぃ。

いしがメニューを見て、にっこりして「良かったね!ノンアル、あるよ!」と言う。いしは僕と飲食店に入ると、真っ先にノンアルコールビールがメニューにあるかどうかをチェックする。むしろ、自分が飲むものよりも、先に。

それだけ気を遣ってくれているんだけど、いし自身さほどお酒にこだわりがないからでもある。お酒メニューを吟味して、悩んで、先発投手から中継ぎ、抑えと構成を練るなんてことはしない。

彼女は雰囲気に煽られればお酒を飲むし飲みすぎることもある。しかし、最近はしきりに「飲まなくてもいいや、って考えるおうになってきた」という。飲んだら疲れるし眠たくなるし、と。

そんなわけで、最初の一杯にビールさえ頼まず、「じゃ、ウーロンハイで」なんて言うことが多い。僕がお酒を飲んでいた頃は、「ウーロンハイを飲むのは負けだ」と思っていたのでこのチョイスは驚きだ。「ろくなお酒がないなら、せめて緑茶ハイを。ウーロンハイはわざわざお店で飲むのはもったいない」と考えていた。まあ、これは僕の個人的な好みだけれど。

今回も、いしは何だか適当にお茶で済ませようとしていたので、「いやいやちょっと待ち給えよ」と静止した。「せっかくだから一献やってはどうかね。新鮮な魚をアテにきゅっとひっかけるのは、至極」だと。

僕はお酒をガンガン飲む宴会は自分とのペースがあわないので若干苦手になってきている。しかし、相手が嗜みつつ飲む場合、それを観察するのは好きだ。

そんなわけで、いしは清酒をオーダー。昼酒ならぬ、朝酒だ。時刻はまだ11時前。

あん肝

まず到着したのが、「あん肝」。600円税別。

限定14食なのだという。そもそも東京湾にはあんこうはいないと思われるけど、保田漁港に寄港した漁船が、遠海で獲ってきたあんこうを水揚げしたのかもしれない。この「ばんや」で扱っている魚の出どころが、今やよくわからない。マグロもあるし、サーモンもあるし、クジラもあるから。

いしが大喜びであん肝を注文していたのだけど、なぜ彼女があん肝を好むのかは謎。酒のつまみとして最高、というならまだしも、彼女の場合食べるときはずっと食べ続け、あらかた食事が一段落してから飲む。食べつつ飲む、ということをやらない。このあん肝も、嬉しそうにモグモグ、食べていた。

僕はどちらかというと、あん肝よりも周囲の菜の花の彩りに喜んでいた。ああ、房総半島の春だな、と感じさせる。

房総半島の春といえば、菜の花であり水仙でもある。でも水仙は毒があるので、間違っても食用にはできない。実際のところ、水仙の葉っぱはニラとよく似ているので、うっかり間違えて食べて中毒になって病院搬送、というのが毎年ニュースになるくらいだ。なんでニラと水仙を間違えるんだよ、と思うけど、庭なんかに植えていると、うっかり水仙の種がどこかから飛んできて交じる、なんてことがあるらしい。

私ことおかでんが大推薦したい、ミックスフライ。850円。

このお店にやってきて、何を食べようか迷っているなら、刺身盛り合わせを頼むよりもむしろこっちを勧めたい。揚げたてのフライというだけでジャスティスだけど、それに加えて魚の鮮度がいい。うまいこと間違いなしだ。

なめろ

毎回頼んでしまうんだよな、という一品が「アジなめろう」900円。

派手さはないけれど、地味にうまい料理だ。値段はやや高いけれど、手間暇かかっている分これはしょうがない。しょうゆにつけてもいいけれど、なくてもそれなりに塩味がついているので食べるのには不自由しない。むしろ、なにもつけないでアジの青魚独特の風味と、薬味とのコラボを楽しみたい。

刺身6点盛り、1,500円。

ワラサ、アジ、マグロ、タイ、ヒラメ、ヒラマサの6点。

いしはマグロを食べて「おいしいー」とうっとりしていた。おいしいものをおいしいというのは非常に正しいのだけど、さすがにばんやに来てマグロを食べて絶賛するのはどうか、と心の中だけでこっそり思った。

写真撮影中のおかでん。

こめかみに青筋を立てていて、何やら激おこ状態のようだ。でも実際は、台風19号の被害から立直りつつあるばんやが嬉しいし、目の前のお魚が美味であることにほくほくなのであった。

ついでに、夫婦でここを訪れることができた、というのも個人的には慶事だった。

(つづく)

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