おちこんだりもしたけれど、魚はげんきです。【ばんや:2020年03月】

新婚夫婦がキャッキャとゴルフをやった話はさほど面白みはないので省略。

18ホールを巡ったのち、この施設のメインであるお花畑を見に行く。そういえば、先ほどからやたらとポピーの束を抱きかかえている家族を見かける。

「見てよ、だいたいお父さんが荷物と、花を持ってるね」

いしがそれら家族の様子を観察しながら、教えてくれる。そういえば、大抵家族グループというのは、お母さんが意気揚々とハサミを手にし先頭を闊歩し、娘や娘がそれに従い、お父さんは少し送れて、両手に荷物と戦利品の花を手にしている。お父さんは大抵ハサミを持っていない。単なる荷物持ち、というわけだ。

やっぱり、どの花をチョイスするのか、吟味して決定するのはお母さんの役割、なのだろう。お父さんはそれを全力でサポートだ。

これはキンギョソウだったかな、きれいな花だ。

ポピー同様、こういう花も摘んで帰ることができる。普段はスーツを着て真面目な顔をしていそうなお父さんが、神妙な顔をしてカラフルなポピーや若干コミカルなキンギョソウを持ち歩いている様は見ていて楽しくなる。長くカットした茎なので、歩くたびに花がヒョコヒョコと揺れる。

この施設の去り際に、ドラゴンフルーツジュースを飲んでいく。400円。

ぎょっとする色をしたジュース。人間って、青色は食欲を減衰させる色だと言われているけれど、この手の色もちょっと食欲が落ちると思う。

どうでもいいけど、東京界隈でこんな色をした服を着た人が歩いていたら、それは大抵中国人だったりする。外国の人は、日本人と色彩感覚もファッションセンスが異なるので、遠目からでも「あのひとは日本人じゃないな」とわかるものだ。

房総半島の先っちょ付近にあるパターゴルフ場までわざわざ行くのは、もう一つ理由がある。館山市街の郊外にある、「木村ピーナッツ」でピーナッツソフトクリームを食べたいからだ。ここはわざわざ遠方から食べにくる価値がある。

「せっかくばんやに行くなら、道の駅とみうらに行きたよね」
「それだったら館山ファミリーパークでパターゴルフもやりたいよね」
「で、もちろん木村ピーナッツでソフトクリームを食べるんだよね」

と芋づる式に南房総界隈の予定が組まれていくことになる。

「いやでも、びわソフトを食べるわけだし」

ばんやで、今後の予定を話し合っているときに僕は言った。しかし、いしは

「両方食べればいいじゃん。パターゴルフやってちょうど時間も経つし」

と平然としている。この人は本当に甘いものに目がない。そして、子供のように目を輝かせて、ウキウキ・ソワソワしている。

そんな方のおメガネにかなうかどうか、と心配する必要がないのが木村ピーナッツのピーナッツソフトクリームだ。

「ひょっとしたら口にあわないかもしれない」などと気をもまなくていい。そういうのを超越した旨さだからだ。

ピーナツバターが苦手、という人でも、このピーナッツソフトクリームは好きだと言うと思う。それくらい、いいあんばいだ。

今回、せっかく二人なんだし、ということでピーナッツアイスも買ってみた。食べ比べだ。結論としては、「うん、ピーナッツソフトクリームのほうがいいね」ということなんだけど、これはこれで美味しかった。

いしは目を見開いて、「なにこれ!おいしい!」と叫んだ。それくらい、これはいいものだ。夕方だというのに、常に行列ができている。すごいお店だ。もし館山の近くに行く機会があるなら、食べ損ねないようにちゃんとこのお店のことを覚えておくべきだ。なんなら、ばんやで食べる量を減らしてでも、ここでソフトクリームを食べたほうがいいくらいだ。

そんなわけで、1年数カ月ぶりのばんや紀行は、これにて終わり。本当は四季の移ろいとともにまたばんやを訪れたいのだけど、着々と新型コロナウイルスの危機が迫ってきていて、それは難しそうな予感。

(この項おわり)

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