たっぴぃさんが持参してくれたお酒。なんだこりゃ?
「ぷちぷち」という名前がついている。
いや、ぷちぷちって、暇つぶしに最適な梱包材でお馴染みじゃないか。そういえば、この瓶はまさにぷちぷちにくるまれていたな。
聞くと、「微発泡酒」なのだという。ああ、酒税の関係で麦芽の使用量を減らしたビール?微妙に発泡酒?ってことは、第三のビールすれすれ、ってこと?
こいつの正体は福島県の末廣酒造が醸造した、シャンパンの技法で作られた「泡がでる清酒」なのだった。へえー。スパークリング日本酒、というのがあるとは聞いていたけど、見るのは初めて。
アルコール度数は低めで7~8度。9度を誇る「安くて簡単に酔える酒」、ストロングゼロよりも度数が低い。でもこれくらいのほうが、乾杯のお酒としてはちょうど良いのかもしれない。
シマチョウが「遠火の、弱火」を前に苦戦中。汁気だけじくじく出てくるけど、いっこうに火が通った気配がない。焼き色がついたら食べ時なんだと思うが、えーと、焼き色はどこだろう?
そもそも、シマチョウというのは脂が炭にしたたって、盛大に燃え盛ってナンボだ。うまいかどうかはともかくとして、黒焦げになっているやつを食べるのが豪快だ。
で、この事態は一体?
「長いシマチョウを焼いてやるぜ!」という点でテンションがあがっていたのに、なんとも盛り上がらないことよ。ええい、隣の網に場所を作って、そっちにお引っ越しだ。これでは埒があかん。
キター!!!
そうこなくっちゃ嘘だぜぇぇぇぇ!
先ほどまでおとなしかった炭が、ハッと我に返ったらしく、仕事しなくちゃ!と盛大に炎を吹き上げる。いや、炭は本来炎を出しちゃいけないんだけどね。でも今回は許す!ずっと弱火でとろとろやっていたので、そろそろ一時的であっても派手に燃えろ!
シマチョウを、意味もなくベーン、ベーンと網に叩きつけながらぐるぐる焼く。それにあわせて炎が高く舞い上がる。お陰で近隣にあったたまねぎが巻き添えをくらい、黒こげになってしまった。
焼きあがったシマチョウは、ハサミでチョキチョキとカットして食べたはずだ。「はずだ。」と推測で語っているのは、写真に残っていなければ記憶にも残っていないからだ。きっと、盛大に燃やして炎を出して、それで満足してしまったのだろう。なんてこったい。
一方、本日のご神体としてふんぞり返っているマグロォォォであるが、そろそろ良いのではあるまいか。一応、覆いかぶせたアルミホイルの隙間から湯気がでている。良い香りがします、といったことはない。
アルミホイルを取り払ってみたら、なんとなく食べられそうな気がする。確信は持てないけど。
試しに竹串をさしてみたら、一応すっと突き刺さる。しかし、それが「中まで火が通った」のかどうか、やっぱりわからない。えーい、わからないなら箸を使って白黒はっきりつけたらええんや!あとは翌日おなかが下るかどうかだ!
やめなさい、そういう無駄な賭けは。
「なんか赤いところがあるように見えるんですけど」
「ミディアムレア、ということじゃないの?」
「ええ?マグロの頭でもそういう概念ってあるんですかね?」
時間が経てば余熱で熱が通る、とか適当なことを言ってごまかす。とはいえ、「腹は壊したくない」という賢明な意見が場の大半を占め、もう少しダメ押しで火を通すことにした。
おマグロ様コンロにある炭をすべて集中させ、強い火力で最後、パリッと皮目を仕上げよう。
・・・いや、絶対パリッとはいかないと思う。間違いない。
一方、まだ残っていた鶏もも肉と油揚げが隣のコンロで地味に調理中。
シマチョウ!マグロォ!という状態の中で、コイツラはあまりに地味で、ほとんどの人たちの関心から外れていた。
放置することしばし、あらためておマグロ様にお出ましを願う。
今度こそいけるんじゃないでしょうか。きっといけるだろう。いけるとも。いけなくても。
おマグロ様から放出されたありがたいおマグロ汁が鉄板にたまり、それがすっかり焦げ付いてしまっていた。ご神体をアルミ皿に移そうとしても、びくともしない。おマグロ様は首を切られて胴体を失った今、今度は炭火コンロの鉄板と結合・憑依しようとしているらしい。
やめなさい、あなたは神輿に担がれてワッショイワッショイされなければいけないの。
フライ返しを使って、ガリガリ鉄板をこすりながらサルベージしたおマグロ様。結局マグロの形はすっかり失われ、なんだか瓦礫のようになってしまった。あーあーあー。
アップにしてみたところ。
あんまり意味のない写真だった。食べ物なのかどうかすら、怪しい。
教訓:おマグロ様をお焚き上げにする場合、鉄板はやめよう。頑丈な網を使うのが良い。
誰がやりだしたのか、おマグロ様がどんどんほぐされはじめた。さっきのマグロカマと一緒だ。結局、あれよあれよとマグロフレークのできあがり。頭である必然性、醍醐味がすっかりなくなってしまった。
しかも「骨の部分を取り外す」ことだけにみんなが注力したため、焦げた部分まで混じった、黒いやら苦いやらのフレークとなった。
食べたら、そりゃあ美味くないですよ。だって、焦げを食べているようなものですもん。おマグロ様、無念!こんな形で命運尽き果てるとは!
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