
野菜を炒め、肉を鍋に投入したのちにやかんのだしをドバー。
見よ、このやかんの角度。もう、これを見たらニュートンじゃなくても万有引力の法則を絶対に信じるよな。
そして、その鍋の奥で唖然としているばばろあの表情が面白い。
いかにこのケレン味たっぷりのパフォーマンスが圧倒的なのか、ということの証だ。

調理をしているおねえさんがいなくなった間に、こっそり蓋を開けて中を覗く。
おおう、今回は前回の「東北農家鍋」と違って、かなり茶色い。
彩りとしてのワクワクは若干乏しいけど、違った一面が見られて楽しいぞ。

しばらくしたら、鍋の蓋の隙間から煙がもうもうと立ち上りはじめた。大涌谷だ。テーブル奥の人と会話をするのも、ちょっと躊躇するレベル。
「寒い冬、鍋を食べていたらメガネが曇っちゃってネ」なんて体験は誰しもあると思う。でも、これはそんな次元じゃない。視界が塞がる。「濃霧」だ。

もちろんその正体はこの煮えたぎる鍋。ここまで超強力火力で煮る必然性があるのか?と思うけど、この後とうもろこし饅頭を鍋肌に貼り付けるので、これくらい火力がないとだめなのだろう。鍋の縁までカンカンに熱くなっていないと、とうもろこし饅頭が張り付かない。インド料理のタンドール窯みたいになっていないと。

春雨を投入する。黒っぽい春雨だ。
(つづく)
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