東北農家鍋の別バージョン、「鶏肉ときのこ煮込み」完成。
おう、茶色いぞ。前回の東北農家鍋が比較的色鮮やかだったのに対し、こちらはほとんど茶色い。とうもろこし饅頭が少し緩めに練られていたようで、重力にまけて少し垂れている。生地が薄くなっている部分は、香ばしそうな焼き色がついていて、これはこれでおいしそうだ。
ただ、この茶色さにはちょっとびっくりした。
「鶏肉ときのこ煮込みにしようぜ」と言い出した僕としては、ちょっと茶色すぎやしないか、と心配になってしまった。これまででも十分に居合わせた仲間たちをびっくりさせ興奮させたけど、出来上がったものが「映え」という点で若干インパクトが弱いからだ。
とはいえ、この立ち込める湯気たるや。温泉地の湧出口かと見まごうばかりの、熱気。そして、煮える音。視覚はともかく、五感を大いに揺さぶる料理であることには変わりない。
みんなで鍋を食べる。
味自体は、「なんだこりゃ!?」と驚くものではなかったと思う。正直言って、味の記憶があまり残っていない。鶏肉はあれこれいろんな部位が入っているのだけれど、骨付きのぶつ切り。食べるのはちょっと難儀した。骨を外しながら食べるのは、もっとも肉を美味しく食べる方法なんだと思うが、食べにくいのは間違いない。
写真右側にいる人は、このサイトの初期頃、「へべれけ紀行」で時々顔を出したいたヲガタ先生だ。
久しぶりの再会。
アワレみ隊のばばろあは、
「せっかくじゃけえ、現地の酒を飲もうや」
と言う。そして選んだのが、これ。「金星」と書いてある蒸留酒だ。いや、金星というのは商品名じゃないな。その下に書いてある「高粮酒」というのが商品名・・・なのか?ジャンルの名前のようにも読める。
いずれにせよ、コーリャンを使った白酒(バイジュウ)だ。あー、くっさいやつだー。
コーリャン独特の臭みと、そして容赦ないアルコール度数。調べてみると、52度もあるそうだ。こりゃあ、酔うぞ。
「安くて飲める。最高じゃのう」
とばばろあは親指をぐっと立てる。確かにそりゃそうだ。小さなグラス一杯を呷るだけで、みんな顔をしかめて苦しそうな顔をする。お酒を飲まない僕からすると、なんだか罰ゲームを受けているかのように見える。
とはいえ、さすがにこのお酒は罰ゲーム的だったようだ。唯一のシラフである僕は、「この瓶がカラにならないと、会がお開きにならないぞ」と思っているわけで、どんどんグラスに注いでどんどん飲んでもらおうとするのだけど、みんな一様に「いやいやいや、まだ残ってるから」と遠慮する。遠慮、というか事実上の辞退だ。
そんなこんながありつつも、テーブルに埋め込まれた巨大鍋はカラになった。
鍋底にある、円盤型のステンレスは、おそらく焦げ付き防止のためのものだと思う。その甲斐あってか、これといって焦げ付きもなく、きれいさっぱり鍋がなくなった。すばらしい。
最後、お店の看板の前で記念撮影。
いやあ、相変わらずのディープな体験だった。こうなったら、東北農家鍋シリーズのものを全部コンプリートしてみたいし、こんな料理が出てくるのだからきっと他にも「まだ見ぬ強豪」がいっぱいあるはずだ。
機会があれば、また西川口を訪れたい。今度は昼夜2回戦、とかやってもいいぞ。
(この項おわり)
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