春の旬といえば、豆ごはんも忘れちゃいけない。子供の頃、あまり好きじゃなかったなあ豆ごはん。たぶん、冷凍グリーンピースを使っていたからだと思う。
冷凍グリーンピースって、彩りは良いと思うのだけれど、あれを美味いと思って食べている人はどれくらいいるのだろう?いや、ひょっとしたら今の冷凍技術は素晴らしいから、僕が子供の頃と比べて格段に美味しくなっているのかもしれないけれど。
いずれにせよ、旬を楽しむのが目的だ。豆ごはんを作るにあたって、生の豆を使うことにした。
だけどなぁ、えんどう豆がスーパーで売ってるのって、あんまり見た記憶がない。あったっけ?
疑い深く何件かスーパーを探して回ったけど、案の定どこでもえんどう豆は売っていなかった。しょうがないので、名前が似ているという理由だけで「スナップえんどう」を購入した。さすがに「絹さや」だと豆が小さすぎるのが明白だったので。
スナップえんどうもサイズ感からしてアカン気がしていたけれど、さやを開けてみてそれは事実だと悟った。ああ、豆が小さい。これは豆ごはんのサイズではないぞ。
どう見ても見劣りする豆ごはんになる予感。というより、スナップえんどうの豆部分ってむしろオマケで、どちらかというとさやの方が美味しい気がする。
そこで、急遽さや部分も刻んで中に入れてみた。これでなんとか、緑成分を増やした。
水の他にお酒も入れ、塩も少々入れ、炊きあがった豆ごはんがこれ。
うん、豆ごはんというより「さやご飯」ですねこれは。
混ぜてみたら、豆感が殆どないものが出来上がった。でも味は大したもんだぜ?ちゃんと、豆の風味はするんだから。見るんじゃない、感じるんだ。
もっとさやを入れても良かったのだけど、スナップえんどうのさやの大半が、すでに煮付けとして食卓を彩る一品になっていたのだった。なので、まあこれはこれでオッケー。どんまい。
手前には、これもまた旬の「ふき」を使った煮物を。
ふき、これも子供の頃は嫌いだったなあ。今は美味しいと思えるけど、あの頃の繊細な感性はどこへいってしまったんだろう。物分りが良すぎるのも、ちょっと残念ではある。「あの食材だけは許せない!」みたいな度量の狭さが、むしろ懐かしい。
なお、ふきは案外面倒な食材だな。湯がいて、冷まして、その後皮を丁寧にむかないといけないから。
甘いものに目がないいしを喜ばせようと思って、いしが仕事で不在にしている間にシフォンケーキを作ってみることにする。
とはいっても、シフォンケーキを作るための型が家にはない。あと、メレンゲを作るには、100円ショップのホイッパーだとあまりに非力だ。単に針金数本でつくられた安物ホイッパーは、スカスカとボウルの中を空虚に動くだけだ。
富澤商店にでも行けば、いくらでもこういう製菓商品は買える。しかし、都内の富澤商店はデパートやモールの中にテナントとして入店していることが多く、このご時世ほとんどが閉店していた。營業しているお店も中にはあるのだけれど(僕が調べた時点では、池袋店など)、製菓食材を買いに繁華街に出るだなんて、不要不急もいいところだ。それはやめておこう。
ということで、「型無しでシフォンケーキを作れないか」と思ってネットで調べてみたら、案外あるもんだなそういうのが。
シフォンケーキと言えば、ドーナツ型に真ん中が空洞になっているのが特徴だ。その空洞はケーキに熱をまんべんなく通すために必要なものだというので、やっぱりなんとか解決しないといいけない。それを、アルミホイルを筒状に丸めたもので代用するのだという。マジか。御柱祭だな。
もうこうなると、オーブンを温めてシフォンケーキを作るという気にもならない。できるだけ楽をしよう。鍋で作ろう。
鍋にクッキングシートを敷き詰め、そして真ん中にアルミホイルの御柱を立てる。御柱にも、クッキングシートを巻きつける。
そこに、シフォンケーキの素を注ぎ込む。御柱が倒れてしまわないように、片手はずっと御柱を支えながら。
うわあ、見るからにシフォンケーキっぽくないのができそうな。悪い予感しかしない。
で、焼き上がったシフォンケーキ・・・え?シフォンケーキ?
おかしい、僕が知っているシフォンケーキというのは、誇り高く、気高くそそり立つ「立体感がある食べ物」のハズだ。
これは・・・ベーグル?
だいたい、こんなに黄色かったっけ?
なにか、あらゆるところで間違えている気がする。メレンゲを真面目につくらなかったというのも問題がありそうだ。とにかく、これじゃない感が素晴らしい。我ながらうっとりした。
そうそう、そうこなくちゃ。
せっかく作ったからには、中途半端な出来栄えよりも、大成功するか大失敗するかどっちかのほうがいい。これは・・・まあ大失敗とまではいかないけれど、小失敗くらいにはしておこう。シフォンケーキ、というのは伏せておいて。
味は、悪くはない。そりゃそうだ、食材は変なものが入っていないんだから。
全く膨らみが立ち上がっていないので、まるでベイクドチーズケーキのようにみっちり詰まった中身。シフォンのはずなのに、やたら食べごたえがある。ずっしりしてる。
「美味しいですよ」
といしが言ってくれたのでオッケーとしよう。
(つづく)
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うちの皿は茶碗とお椀、丼を除くと、ほぼパン祭りの白い皿です(笑)
パン皿は10枚くらい、小さなボールや深めの皿、楕円のカレー皿など種類も様々。
とにかく丈夫で割れないし、白いから何を盛り付けても合わないことはないし、他の皿との相性も(笑)
そーゆー家、けっこう多いと思います。
うちでもパン祭りのお皿、重宝してます。
今回は、15点で力尽きてしまいましたが…
パン祭りのお皿が割れたのを見たことも聞いたこともないです。なんだあの頑丈っぷり。
パン祭り皿で、空手家が瓦割りをやったら、わずか1枚でギブ!ってことがあるかもしれない。