第二回夏季強化天幕合宿in佐渡島

キャンプファイヤー準備

今晩はキャンプファイヤーだ。
食事が一段落した人から次々とたき火のまわりに集まってきた。
俺は残った飯と鍋をやっつけるべく猫まんまにしてかきこんでいる。もう腹いっぱいである。

たき火を囲みながら夕食を食べる、という発想はアワレみ隊にはあまりない。

かまど(及びその側にある机)が食事の主戦場であり、そこから離れた場所にスタンバイされるたき火は食事の後となる。
これは、二つの意味がある。

(1)砂浜で生活しているので、机がないところで食事をするとなると食器類を砂の上に置かないといけなくなる。ジャリジャリになる危険。
(2)火を焚いてしまうと、全員が火を取り囲むポジションに散らばる。そのため合宿の定番である鍋など「取り分ける」系の料理はお代わりする際、面倒。

そんなわけでたき火は食後となるのだが、ビール飲みのおかでんは一人だけ食事のペースが遅い。逆に、酒を飲まないしぶちょおは突出して食べるのが早い。その結果、おかでんは「学校に遅刻しそうになっているので、食パンを口にくわえて学校にダッシュする学生」のように、大あわてでたき火の横で食事を済ませる事になる。これがだいたい毎度の定番風景。

盛大に着火

余った木は明日の朝飯用に少し取っておくだけで、残りは全部キャンプファイヤー行き。
ばばろあが「テントが燃える・・・」と指摘したが、構うもんか。
バーンと積み上げられた木々に火がつけられた。

明日は撤収日ということで、燃やせるものは全てたき火で燃やしてしまう事にした。散々集めてきた流木は当然として、ジャガイモの皮などの生ゴミ、食材をしまっていた段ボールなど全てだ。

あと、先ほどまでテーブルとして使われてきたパレットも。明日の朝は机無しだ。

本格的に燃える火

太い木に引火し、いよいよ炎が本格的になってきた。
それにしても何てゴージャスなんだ。神島の時のキャンプファイヤーはかろうじて燃えている程度の火だったのに。
今まで苦労して集めてきた薪を一瞬にして燃やしてしまうのだから、何ともぜいたくな話なんである。

拾ってきた木は、まず「たき火用」と「調理用」に選別される。たき火用は大型の木を中心に構成され、「調理用」は細く、短いものが割り当てられていた。

幸い今回は比較的手頃なサイズの流木を拾って来ることができたので、がんがんたき火に投入することができた。

これぞキャンプファイヤー

火力が臨界点までやってきた。
この勢い、しゃれになっていない。燃える、燃える。われわれの身長を超えるような火柱が立ち上っているのだ。もうあぜんとしてみんな見つめているだけ。
火の粉がテントの方に飛んでいくたびにひやひやした。

アワレみ隊全勢力を傾けて集めてきた木々を一気に燃やすので、火力が素晴らしい。しかも、積み上げた木の土台として、机用途だったパレットがある。これはスノコ状なので、下から上昇気流を巻き起こし、ますます火力が強くなった。

さすがにこのような炎は未体験ゾーンなので、一同呆気にとられてしまった。

ペットボトルに清酒をつめる

「天領杯」は瓶からペットボトルに移されてしまっている。そのペットボトルを手に何を思うかばばろあ。
火力が強いためにファイヤーに近寄れず、遠巻きに眺めている状態。

清酒「天領杯」は結局半分も空けないままこの日を迎えてしまった。

捨てるのはもったいないのだが、瓶のまま持ち帰るのは大変に重たく、かさばる。そのため、ばばろあが空いているペットボトルに清酒を移し替えた。

瓶は後ほど、購入した酒屋に返却。

遠巻きで炎を眺める二人

ただただ、火を眺めるだけのわれわれであった。
この二人のまじめな顔を見よ。今までのキャンプファイヤーだとうわーッとドンチャン騒ぎをするのが常だったのにねえ。
一刻たりとも同じ顔を見せない炎は、いくら見ても飽きない。

あまりの火力に圧倒されている人たち。

火の神秘さ、というか奔放さに目が釘付けで、全員無言になってしまった。

火が静まってくる

あれだけのパワーを見せつけていた炎も、1時間過ぎたあたりからようやく下火に。1時間半でこれだけの姿になった。もう近寄っても恐れる事はない。みんなホッとした。

火力が落ちてきて、ようやくぽつりぽつりと会話を始め、歌を歌ったりしはじめた。危なっかしい奴がおちついてほっとした、というのが全員の心境だった。火の粉が舞い上がってテントに到達するようなことがあったら、即消化にあたるよう身構えていたくらいだ。

いろいろ芸が披露されたが、たき火芸の定番「ジャングルファイヤー」も当然実施。その時の写真もあるのだが、写真屋さんでプリントされた写真を見てのけぞってしまった。写ってはいかんものが、はっきりと、大きく、写っている。これは公然猥褻だ。写真屋の人、チェックしそびれたんだろう。自分の股間をこうやって客観的に見たことなんて、人生初なので相当な衝撃だった。

あまりに情けない写真だったので、さすがのおかでんでもこの写真は廃棄した。当然デジタルデータにも残っていない。

それにしても誰だよ、こんな写真撮ったの。

本来なら、「暗闇なので、ズボンをずりおろしていても、見えてはいけないものは他人の目にはあまり写りこまない」事を前提にやっていた芸。しかし、フラッシュ焚かれてしまうと、自分のこれまでの人生全てを悔い改める必要があるくらいのインパクトある映像が浮かび上がっていた。情けない。

燃えカスをポンポン海に投げ込む

火力が弱まった事をいい事に、燃えカスをポンポン海に放り込んで「ジュウ」という音を楽しんだ。
他愛の無い遊びだが、どうしてどうして、これが妙に面白い。みんなめいめい火箸を手に炭を海に放り投げた。

写真に写っている月のようなものは、今まさに海に投げ込まれている木。まだ燃えているので明るく写っている。

誰が一番美しい「ジュウ」音を奏でることができるか、競い合った。

ただし、何をもって美しいと定義するかがよくわからないので、結局うやむやのままこのイベントは終了。

イカ釣り漁船を眺める

火もいい加減見飽きたので、弱まりつつある火をバックに海に思いを馳せる。
遠くをイカ釣り漁船が明るい光で彩っていた。
4泊5日、地獄のキャンプも今晩で終わり。ちょっとおセンチになったりして。

波打ち際で余韻に浸る。

沖合の漁火が心に響く。

たき火越え

いきなりばばろあが「たき火越え」をやると宣言。カメラを持っている俺としぶちょおに決定的瞬間を激写するように命令。われわれはどきどきしながら彼の動きを見つけた。
この写真はしぶちょおが撮影したモノ。ばばろあが飛び出す直前のものである。

神島でおかでんが「たき火渡り」を敢行したが、今回はばばろあが「たき火越え」をすると鼻息荒い。

しかし、一同は引き気味。おかでんでさえ真似しようとは思わなかった。なぜなら、今回のたき火は大きかったため、まだ延焼面積が広いからだ。ただでさえ足場が悪い砂浜で、ジャンプに失敗したら素足がたき火の上に落ちる。大変に危険。

焚き火超え直後

こちらは俺のカメラによるもの。しぶちょおより遅れること0.5秒くらいか。
当のばばろあは何とまっすぐに飛ばずに横っ飛びした!
飛ぶ直前に「こりゃ駄目だ」と判断したのだろうが、この行為にはわれわれ全員ブーイングだった。

結局ばばろあは直前で危険回避し、逃げた。

あれだけ大げさに自分の蛮勇をPRしておきながらその様は何事か、と一同から不満の声。特に貴重なフィルムを2枚も使わせた事に対してのクレーム多し。

とはいえ、火傷なんぞされたら非常に困るので、むちゃしてくれなくて助かったとも言える。

灰だらけ

あれだけのキャンプファイヤーも2時間後には灰だらけ。むなしいというか潔いというか・・・。ちなみにばばろあが失敗したたき火越えはしぶちょおが見事、立ち幅跳びの技法で成し遂げた。

立ち幅跳びの方が危険度が高い。助走をつけていない分、着地に失敗すると後ろに倒れ、尻餅をつくことになる。当然その尻はたき火の上ということだ。えらいことになってしまう。
とはいえ、助走の際に足をすくわれやすい砂浜という立地上、立ち幅跳びの方が良かろうと思ったのだろう。結果的に成功し、「ばばろあのアレは何だったのだ」という不満の声が再度噴出。

焚き火の後片付け

後かたづけだ。
僅かに残る赤い炎に惜しまれつつも砂をかけていく。
しかしかなりの灰と炭の量なので、ちょっとの砂じゃあ全然火が隠れない。4人がかりで四方から砂をばっさばっさかけてようやく消し止めた。

一連のたき火終了儀式(乳首踊りと、男性器女性器に対するエール)を終えた後、虚脱感を覚えつつ後片付け。

寝たばこで火事が起きるように、「たき火放置のため火事」が起きたら責任重大だ。まずは燃えかすを平たくならし、そしてその上に砂を念入りにかぶせた。

「ここでたき火が行われていたとは思えない」くらいになっていなくては駄目。

砂浜の美観を損ねるのは、地元の人に対して申し訳ない。

両尾まで歩いてジュースを買い求める

キャンプファイヤー後の虚脱感から、のどが渇いて両尾まで全員でジュースを買いに歩いていった。決して「ビールが不足したから買い足しに行った」わけではない。
この際、ばばろあは間違ったボタンを押してしまい飲みたくもないキリンレモン1.5リットルを買う羽目になってしまった。余ったジュースを持て余すばばろあには笑えた。

この佐渡島合宿では、やたらとジュース類を飲んだ記憶がある。

神島のように、毎日やかんいっぱいに麦茶を作るということをしていなかったんだと思う。今となっては記憶が曖昧だが。

恐らく、水不足だったので、飲料水はできるだけ節約しよう、喉が渇いたらジュースを飲もうという発想だったんだと思う。

1994年07月27日(水) 5日目

朝

今日は朝7時30分のバスでキャンプ地から撤収する予定。
佐渡金山に行くのだ。
ということでみんな5時過ぎには起き出し、テントばらしや荷物整理をせねばならないという計算。それでも7時半に間に合うかどうか・・・疑問。

5日目。

この日は、朝早くに全てを撤収し、佐渡金山観光に行く事にした。

せっかく佐渡島まで来て、金山を見ないというのはあまりにもったいない。さすがに佐渡島に今後の人生で何度も訪れる事があるとは思えず、行ける時に行っておこうというわけだ。「天幕合宿なのに観光かよ」と若干堕落感も感じたものの、企画立案したのはおかでん自身だ。

新潟から埼玉のキャンプ用品置き場@おかでん自宅までの移動は、行きと同様夜行列車の「ムーンライトえちご」となる。そのため、佐渡島を離れるのは夕方の船となり、ほぼ半日を観光に充てる事ができる見通し。

テント撤収中

結局、皆ちゃんと起きることができて6時頃にはこの状態までもってこれた。なんたる素早さだ。テントはひっくり返され、荷物は外に出され、寝袋は干されている。
しぶちょおは朝飯を作るべくかまどと格闘中。朝は薪が湿ってしまい、異様に火の付きが悪いのだ。

撤収で一番面倒なのが、テントの乾燥と折りたたみ。その次が、ススまみれの食器類の洗浄。

テントは夜露で湿っている。特にテントの底。だから、まずは全員が起床ののちテントをひっくり返す必要がある。寝坊している人がいるとこの作業に着手できないので困る。しかし、幸い全員素早く起床し、問題なくテント乾燥作業に着手。

荷物用テントも同様に中のものを全て外に出され、フライシートを外された後にひっくり返されて乾燥させた。

お茶漬け

5日目・朝食

担当:しぶちょお
料理名:「日本人なら茶漬けを食え!」
おすすめ:あったかいお湯
評価:なし

※片づけで忙しいことは前から分かっていたことなので、至って簡単な食事。メシは前日用意しておいたので、湯を沸かすのみ。

最後の食事はお茶漬けだった。

ここで食事当番のしぶちょおが気合いを入れた料理をチョイスしていたら、食器類は片付かないし調理に時間がかかるし、ドタバタだったはず。その点、お茶漬けというのは本当にシンプルでナイスアイディアだった。何しろ、ご飯は昨晩のうちに炊いてあるので、後はお湯を沸かすだけだった。永谷園のお茶漬けの素、素晴らしい。

ばらばらにされるテント

みんな時間を惜しみ、かきこむようにメシを食う。(茶漬けだから当たり前か)今までの朝食が7時半~8時であったことを考えると、6時過ぎにメシを食うというのはべらぼうに早い。
テントがもの悲しげだ。

お茶漬けなので、作るのが早い上に食べるのも早い。ものの数分で食事完了だ。

食事終了後、めいめいが自分の食器を洗い、また撤収作業に散らばっていった。

浜辺で洗いものをするばばろあ

お世話になった竈もお役ご免。食後まもなく跡形もなく壊された。
5日間のすすがこびりついた網をがしがし洗うばばろあ。上の写真はISO800で撮影したものだからずいぶん明るく見えるが、実際はこのようにまだまだ暗いのだ。

食事終了後、即座にかまどが破壊された。かまどの神様に感謝のお祈りを一同で捧げたのち、情け容赦なく破壊。砂浜に石があるのは不自然なので、ランダムにあちこちに石をばらまいた。もちろん、先ほどまで使われていたかまどなので熱を持っている。だから、水タンクに残っていた水で温度を下げてからこの作業は行われた。

あとは、ススとの格闘。

鍋、網、やかんなどがススまみれなので、ひたすら一生懸命たわしで汚れを落とす。ススがついたままの状態で袋やザックにしまうと、後々悲惨なことになる。

フライシートを畳む

最大の難関・居住用テントをバラしにかかる。毎回こいつの畳み方には頭を悩まさねばならないのだが、今回も例に漏れずちぇるのぶと二人で思案顔。
結局、3人がかりでなんとか袋に押し込むことで完成。妙な力仕事だ。

居住用のテントは、左右対称ではあるが「四角形」や「六角形」といった分かりやすい形ではなかった。また、完成時に丸く膨らむ事を想定して生地が縫製されているため、平らにならすと難しい形状になった。どうやって畳めばよいのか、毎度思案する。

結局、空間効率の悪いたたみ方になってしまい、最後は力任せで袋にねじ込むというのが定番行事。ファスナーが裂けるのが先か、袋が破れるのが先かという状態で無理矢理テントをねじ込んだ。

効率的なたたみ方を編み出すのはまだまだ当分先の話。

あと、砂浜キャンプであるが故に、砂がたくさん付着している。これをきれいに落とさないといけない。結構面倒。

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