ビール無しの山、そしてバイキング【赤岳】

林道を進む

10:13
しばらくは林道を進むことになる。

あくまでも、出発地点は「美濃戸『口』」。「美濃戸」そのものはまだこの先、徒歩1時間のところにある。

時折車が通り過ぎる林道


10:32
時折車が通り過ぎる林道を歩く。
「森林浴を楽しみながらの、気楽なトレッキング」と言えば聞こえはいいが、正直さほど楽しいものではない。

登山において、林道歩きというのはえてして退屈な時間だ。

あと、こういう平地においては、重たくて硬い登山靴で歩くのは不向きだ。歩きにくさを一歩一歩に感じながらの行軍となる。

ええい、さっさとこの時間が終われ。

やまのこ村
やまのこ村

10:54
駐車された車と、建物が前方に見えてきた。

どうやら「美濃戸」と呼ばれる場所に到着したらしい。

正面の建物は「やまのこ村」。変わった名前だが、一応山小屋らしい。いや、ここまでは車で来られるわけだし、山小屋と呼ぶにはふさわしくないか?

「山小屋」の定義って何だろう?

ジュースが売られている

10:55
やまのこ村の軒先には、水が張られた水槽があった。そこには、ドリンク類が浸けられており、道行く登山客においでおいでしている。

水に浸けられているからといって、きんきんに冷えているわけではない。常温放置よりはマシ、という程度だ。でも、風情はあるよな。

ペットボトルのジュースは210円。車で来ることができるこの場所でも、既に「山物価」が始まっている。

赤岳山荘

10:56
やまのこ村のすぐ近くに、もう一軒の山小屋「赤岳山荘」があった。

公共交通機関を使ってここまでやってきた人にとっては、これら美濃戸の山小屋というのはさほど利用価値がない。でも、車を利用する人にとっては、夕刻ここに訪れ、一泊してから翌朝山に出撃、という使い方ができる。

山の水で冷やされたトマト

10:57
赤岳山荘にも、やっぱり水槽はあった。やまのこ村と違うのは、トマトが浸けられていたということ。山の水で冷やされたトマト。いいね、瑞々しいなら、下山時に食べてみたいものだ。

1日1,000円の駐車場

10:58
このあたりの駐車場は、1日1,000円。

美濃戸口が1日500円だったことを考えれば、倍の値段になった計算になる。

高い?いや、1時間の林道歩きを省略できると思えば、安いものだ。車に何人かが乗っているなら、割り勘すれば金額は知れてるし。

どこまで楽をすれば「ずるい」部類となり、どこまでが許されるのかは正直、よくわからない。何でもかんでも「楽して山に登るのはずるい」というのならば、「じゃあ富士山を一合目から登ってみろ」となる。そんなのは現実的ではない。5合目(標高2,400m)から登るのが一般的だし、「ずるくはない」。このあたりのさじ加減は人それぞれ。

木造の橋

10:58
赤岳山荘を越えて進んでいくと、木造の橋に行き当たった。

木の札が掲げられてある。

登山者の方
ロープの左側を
お通りください。
一般車両
通行止め
美濃戸山荘へ
宿泊の方はロープ
をはずしてもとにも
どしてお通りください

「このはしわたるべからず」とか書かれた、トンチではなかった。でもちょっとややこしいことが書いてある。

橋を観察してみると、確かに橋を封鎖する形で、ロープが張られてある。これでは車は通行できない。

でも、宿泊の人はロープをはずして通れ、という。でも、登山者はロープを避けて通れと。なんだこれ。

結論としては、車でやってきた美濃戸山荘宿泊者は特別にこの先まで通行してよいですよ(宿泊者専用の駐車スペースがありますよ)ということだ。宿泊者以外の一般の車はこれ以上入っちゃダメ、ということ。

「美濃戸に車を駐めたいけど、果たして空きがあるかどうか心配」という向きの登山者は、美濃戸山荘に泊まることでその心配を回避することができる。

美濃戸山荘

11:03
美濃戸山荘到着。

冬は雪が多いのか、えらくとんがった屋根を誇示している。

これ、床面積は広い建物だけど、二階部分はずいぶん狭くなっていることだろう。もったいない作りだけど、天気には勝てぬ。

赤岳展望荘の看板

11:03
美濃戸山荘の手前に掲げられていた看板。

赤岳天望荘
本日の宿泊予約受付中!
・個室 大部屋 素泊まりできます
・お食事は朝夕バイキングです
・水洗トイレ完備
・天の川天水五右衛門風呂入れます

美濃戸口の八ヶ岳山荘でも宿泊予約受付中、という看板が大きく出ていたが、やたらと営業熱心だ。ひょっとして予約必須の山小屋なのだろうか?と思ったが、「予約推奨」程度であって必須というわけではないようだ。

山小屋というのは、荒天時や緊急時の避難場所という側面もあるため、予約無しでも泊まれるのが一般的だ。もちろん予約必須の山小屋も中にはあるが、それは少数だ。

今晩の宿、赤岳天望荘には、webで宿泊予約を済ませてある。最近はwebサイトを持っている山小屋もちらほらあり、中には予約フォームまで備わっているものも出てきた。この赤岳天望荘がまさにそれ。おかでんとしても初めての体験だった。

この山小屋には、個室がある。山小屋というのは、厳しい環境の中建っているため、基本的に狭い。大部屋での雑魚寝が基本となる。しかし、そのためにオンシーズンの週末にもなりゃ、夜な夜な阿鼻叫喚な事態になるのは、さんざんこの「へべれけ紀行」でも取り上げてきたとおり。それを嫌う人は、たとえ高い追加料金を払ってでも、個室を利用するのだった。快適さはお金に変えられない・・・そう思う人は案外多く、赤岳天望荘の場合は個室がすぐに予約で埋まってしまう。

個室に泊まったからといって、料理のグレードがあがるとか、お茶のサービスがあるといったことはない。単に「プライベート空間を手に入れる」という権利を得るだけのことだ。

冷やされるドリンク
トマトとキュウリが売られている

11:03
ここにも当然水槽があり、ジュースやビールが冷やされていた。

しかしここが他と違うのは、トマトに飽き足らず、きゅうりがあったことだ。

・・・いや、それだけじゃない。スイカもあるぞ。おっと、単なる葉っぱが浮いていると思ったら、これはセロリだ。セロリも売り物なのか。

山歩きの途中にセロリをかじる。ちょっと想像したことがないシチュエーション。味付けはやっぱり無しか。どうなんだろ、それ。

下山した暁には、ここでトマトときゅうりの宴でもしようかな。各、100円。

お茶のサービスあり

11:04
美濃戸山荘の前にはベンチと机が並び、登山者の無料休憩所となっている。ここまでは比較的よく見かける山小屋の光景だが、ここの面白いのは、ポットと湯飲みがおいてあってお茶が無料で振舞われているということだ。ありがたい。でも、このお茶をペットボトルに詰めていくような人が出てきそうだが、それはOKなのだろうか。

二股に分かれる登山道
南沢を歩く

11:09
ここで登山道は二股に分かれる。

南沢に沿っていくルートと、北沢に沿っていくルート。

南沢は、そのまま行者小屋にたどり着く。北沢はやや大回りして、赤岳鉱泉経由で行者小屋にたどり着く。赤岳を目指すなら、南沢を通っていくのが普通。

僕は、往路は南沢、復路は北沢を経由していこうと思っている。なぜなら、山小屋を観察するのが大好きだから。行きは最短距離で行くけど、帰りはちょと寄り道して赤岳鉱泉を見てこようと思っている。

南沢は森の中

11:12
南沢に入ると、これまでの林道歩きとはうって変わって森の中の道となる。

いよいよ登山道に入った、っていう感じ。

岩は苔むしていて、しっとりした雰囲気が漂う大地。歩いていて心地よい。

幸い、このあたりはまだ傾斜がゆるい。本当にきつくなるのは、行者小屋を超えてからだ。ここから稜線までが急登。それまではゆるゆると標高を稼いで、体を慣らしていきたい。

下山する人とよくすれ違う

11:18
下山してくる人たちとすれ違うことが増えてきた。ちょうどそういう時間帯なのだろう。

若い人たちで構成されたパーティーが多い事に驚く。山って、中高年齢層のたまり場であり、姥捨て山状態になっているとずっと思っていたのに。意外だ。

このことは、半月前の那須岳登山の時にも気がついてはいた。あれれ、予想以上に若者が多いな、と。でも、その時は「那須岳はライトな山だし、こういうところにはピクニック気分で若い人も訪れるんだろうな」と思っていた。

しかし、その話をコダマ青年にしたところ、

「おかでん、それは違う」

と否定されてしまった。

「お前はオフシーズンとか平日ばっかりに山行ってるから年寄りしか見ないんだ。オンシーズンの週末とかに行ってみ?若いヤツらがたくさんいるぞ」

と言う。マジですかそれは。

で、実際に行ってみたらこれだよモウ。本当に若い人がいっぱいいるー。すげー。子供の頃からゲーム、インターネットで育って軟弱モヤシ野郎に育っているわけじゃないんだ。ちゃんと登山という地味なアウトドアもやるんだ。

一時、「山ガール」という言葉が流行った時期があった。今から5年くらい前の話だろうか?あの当時は、派手な衣装を身にまとい、ライトな登山をするっていう若い女性のスタイルが流行りかけた。相当ステマ臭かったけど、それでも地味でありなおかつジジババの砦だった「山」を解放したのは事実だ。

では、今その山ガールってのはどうなっているのか。

見渡す限り、女性単独行ってのはまずいない。これはまあ、年齢の高低問わずだ。女性だけのグループってのは希少価値があるレベル。多いのは、「カップルでデート登山」してるのと、「大学のサークルかなんかの集まりらしく、5名前後の男女で仲良く」っていうパターン。あ、前方から若い男たちがやってくるな、と思ったら、大抵その中には1名くらいメスがいた。あ、メスって言ったらいかんか、女の子がいた。逆に、若い男だけのパーティーってのはそんなに多くなかったかもしれない。

いくら便利な時代になったとはいえ、山がキツいのはどの時代も変わりない。高尾山に登るならまだしも、八ヶ岳というのは本格的な登山だ。そういうところにも、きっちり若い人たちが訪れているというのは面白い現象だ。どういう風の吹き回しだろうか。

今後は、「世界遺産:富士山登りに行こうぜ!」起点で山歩きをする若者ってのがもっと増えるかもしれない。まあ、山が年寄りだらけというのよりは良い事だと思うので、今後の推移を見守っていきたい。・・・と、若者でもジジイでもない、中間の立場のオッサンであるおかでんはそう思うのでした。まる。

いきなり道が険しくなる

11:27
基本はなだらかな道なのだが、沢沿いの道の宿命として、急に険しい坂を登らなければならなくなったりする。

楽ばっかりしていても、全然標高は稼げない。たまには汗をかいてみよう。

下山してくる人とあいさつ合戦

11:35
「こんにちは」攻撃が続く。山歩きの基本として、すれ違う人とはあいさつをするわけだが、どの距離でどのタイミングで発するかは状況次第。隊列を組んでやって来た場合、一人一人にあいさつすべきか、それとも数名分まとめて一回の「ちーす」で済ませるか。こういうのをオドオド対応していたら相当格好悪い。さわやかに、かつこっちのペースが乱れない程度に完遂したいところだ。

さて、すれ違う人たちを何気なく観察していて、気がついた事がある。

女性のタイツ率、高いなぁ。

というか、ほぼ全員がタイツをはいている。・・・ただし、若い女性限定で。

若い女性は、必ずといっていいほど短パンまたは巻きスカート姿(こちらは少数派)であった。で、素足というわけにはいかないので、黒っぽいタイツを履いているといのが定番スタイルだ。一体どこでこういう格好が流行ったんだ?

登山時の下半身といえば、「ズボン」(あえてボトムスとかそういう今風な用言は避ける。ズボンだ、ズボン。)だが、今やそれを加齢に(華麗に)着こなしているのはご年配のマダムばかり。で、そういう方の上着は大抵チェックのシャツか、ボーダーのポロシャツだったりして。服装で世代間差をまざまざと知る事ができる。面白いね。

若い人は総じておしゃれだ。ダラダラした格好をしていないし、重苦しい服でもない。山用のウェアなんだろうが、華麗に着こなしている感じ。一方のおかでんはというと、上下共にユニクロという戦闘服。うーむ、これはこれで場違いか。でも、ユニクロだったら汚れても破れてもいいので、山歩きには向いてるんだよな。もちろんヘビーな状況下で着るべきものではないけど。

岩がゴロゴロ

11:49
岩がゴロゴロしているところを歩いていく。

こういうところを歩くには、やっぱりしっかりした靴が欲しい。スニーカーでは、足下がぐらぐらしちゃって、踏ん張らないと岩歩きができない。だから、余計につかれる。疲れるとスリップしたりする原因になり危険。

山に登りはじめたいんだが、最初に何を買うべき?と初心者に聞かれたら、「そこそこちゃんとした靴、レインウェア」と答えたい。「ガスストーブ持参で、山頂でコーヒー湧かしたいんスよね」とか言う人がいたら、100年早いわ!とその場に正座させる。

開けた場所に出た

12:14
開けたところに出てきた。

遠足でお弁当休憩を取るにはちょうどよい場所。

ゆっくりとしか標高を稼げていない現状だが、そうはいっても既に標高はそこそこ行ってる(詳しくはわからんので、具体的数値は言えないけど)。木々は過酷な自然現象の前に細くなり、低くなってきている。だから、こういう開けた場所も現れてくるのだろう。

栄養補充のチョコ
溶けていない

12:16
甘いものをはじめとする、間食用の食料は山歩きの必須品だ。あるときは疲れた時の疲労回復、またあるときは道迷いで最悪の事態になったときの非常食となる。

おかでんは特に「定番のもの」というのを決めてはいない。昔はサクマの缶入りドロップが定番だったのだけど、この10年くらいは多分使っていない。あれ、缶に入っていて便利ではあるんだけど、「一粒舐めよう」としたときにハッカ味が出てきたときのがっかり度合いたるや。だから今は採用されていない。

食べてすぐに元気になれるようなものが良い。チョコレートなんて適しているんだが、これの欠点は夏山だと溶ける、ということ。溶けてザック内がべとべとになったらたまらないので、間違っても板チョコなんて、持って行っちゃダメだ。

今回は、ローソンストア100で「mellow kiss」という105円のチョコを買ってみた。個別包装されていて、これなら溶けても被害は少ないと踏んだからだ。

しかし予想外だったのが、この酷暑の中でも溶けていなかったということ。これはうれしい誤算。ありがたく、固形状態のままのチョコレートを食べた。で、これは商品名の通り、口溶けがよい仕上がりのお菓子なので、すっと喉に入って食べやすかった。うん、これは今後も利用していきたい。

・・・と思ったが、別の機会に再度使ってみたら、まんまと溶けた。当たり前だ、溶けない方がおかしいんだ。やっぱりチョコレートは溶けるので、夏場、外に持ち出すのはやめておいた方が無難。

コメント

タイトルとURLをコピーしました