今年もピザを買って帰ることにした。もうこれ以上基地内であれこれ飲み食いする気にはなれないけど、家に帰ってクーラーをガンガンにかければ、がぜん「ああ、もっと食べておけばよかった」と後悔するに決まっているから。
で、「あれもこれも買って帰る」というのは面倒くさい。なので一発ガツンとピザを買えば、泣く子も黙るってぇもんだ。もっとも、さっきスナック詰め合わせをガツンと買ったばかりだけど。
で、先ほど見た「スバーロ」のピザは、デカくて大変結構なのだけど2年連続となるので冴えない。そんなわけで、2年ぶり2回目のピザ、「アンソニーピザ」を今年は制式採用とした。
アンソニーピザの直径は40センチ。スバーロと比べればヤバさが足りないが、暑いんだしこれで許して。
毎年おなじみ、アンソニーピザの厨房テント。まるで工場か?というくらいの巨大設備と豊富な人員を配し、ひたすらピザを焼きまくっている。
それでも夕方、花火大会が始まる頃には売り切れてしまうのだから恐ろしい。日本人をピザデブにする気か?
アンソニーピザで売っているのは、
アルティメートペペローニ 2,000円
ミックス 2,200円
の2種類。アルティメート(ultimate)とは「究極の」という意味だが、そんな大げさなものかね?「ペペローニ」はいわゆるペパロニで、スパイシーなサラミのこと。
訴訟大国のアメリカであっても、この程度の誇張表現は許されるらしい。「究極ではなかったので精神的苦痛を負った。だから1億円の損害賠償」なんてのはさすがのアメリカでもありえないのだろう。
結局ピザをお買い上げ。どっちを買ったのか、今となっては忘れた。もう、頭がぼーっとしちゃって。
タコ糸が店頭に用意されているので、それを適当に縛って荷造り。
さあ、もういいだろう、十分だ、帰ろう、涼しいところへ。これ以上ここにいたら、次に倒れるのはこっちの番だ。
退却を始めてから基地のゲートをくぐるまでがとても長い道のりだ。相変わらずの広い道路、開放的な空。日光を遮るものはなにもない。
体力の限界ギリギリまで屋台巡りなんてやっていたら、この帰り道で息絶えていただろう。10%くらい余力を残している時点で退却するのが正解。
途中にあった電光掲示板を見ると、気温が36度だった。うへー、そりゃあ朦朧とするわけだわ。
ゲートを目指して延々と歩く人々。
そういえば、小さい子ども連れの来場者は少なかった。パスポートなど身分証明をするものが用意できないから、というのもあるだろうし、これだけ暑けりゃ子どもを野ざらしにするのは危険だ。
ゲートを出た時点でヘロヘロになっていたので、我々一同はとりあえず涼しい場所に退避したかった。そんな時に目にしたのが、ゲート近くにあった甘味処。レトロな雰囲気のお店で、かき氷の旗が軒先に吊るしてある。
ああそうだ、かき氷を食べよう。それでクーラーにあたれば、随分と楽になるはずだ。ここから家路ははるかに遠い。いったん体制を立て直してから帰路に就こうじゃないか。
アメリカに行ったはずなのに、急に日本に引き戻された感のあるお品書き。これが日本の現実だ、アメリカ旅行なんてうたかたの夢なのだよ。
かき氷メニューがいっぱいあって目移りする。だけど、さすがに宇治金時みたいな重たいものを食べようとは思えない。
そんなわけでレモンかき氷。ああ涼やか。
しかし誤算があった。このお店、クーラーがきいていなかったからだ。日差しが照らない分まだましだけど、熱気はそのまんまで一同をげんなりさせた。
すぐに溶けて水になってしまうかき氷をわしゃわしゃと食べ、一同はまた駅へととぼとぼ歩いていった。
結局、この後なんだかまとまりなく解散となった。4名のうち、僕を含めた2名が「すぐに電車に乗って帰る」といい改札をくぐり、残り2名は「喫茶店で涼んで、トイレで服を着替えてから帰る」といって居残ったからだ。
「それなら僕も喫茶店に行きますよ、折角ですし」といえなかったのが僕の弱さ。片手にはスナック詰め合わせ袋、もう片手には直径40センチのピザ。そして暑さと早朝からの行動による疲労困憊。早く手仕舞いがしたかったのだった。お付き合いできなくて申し訳ない。
そんなわけで、2015年のヨコスカフレンドシップデーはほうほうの体で終了、グダグダに解散となった。ひでぇ。
帰宅して一息ついてあらためて思った。2016年はもういいや、と。この3年間で見るものは見たし、食べるものは食べた。こんな灼熱地獄で身の危険を感じながら行くのはいやだ、と。
しかし、結局2016年も行くことになった。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」、というわけではないけど、艦船見学はやめてメシに専念しよう、というわけだ。果たしてどうなることやら。
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