ライトかつエレガントな縦走【金時山】

12:27
金時山名物のきのこ汁。

これはすごい!掘っても掘ってもきのこが出てくるぞ!「単にきのこが軽いから、ぷかぷか浮いている」わけじゃないぞ、最近のコンビニ弁当みたいな上げ底でもないぞ。

「どうだ、とばかりにきのこが入っている」と形容するしかないが、それと同時に「参りました」と土下座したい気持ちになる。それくらい、清々しいボリューム感のきのこ汁だった。

これは金時山にたどり着いたらぜひ食べたい。毎回食べたい。

もちろんこの山は水道があるわけじゃない。ヘリコプターで荷物を空輸しているわけでもないだろうから、下界から人力で運び上げているのだろう。汁物をいただくと、ありがたい気持ちに満たされる。

食餌にありつけない可能性を想定して、非常食の缶詰パンを持参していた。それを主食にしながら、きのこ汁をいただく。

「世は満足じゃ」という、21世紀になってからは明らかに死語であろう言葉を言いそうになり、慌てて口をつぐむ。今更、こんなベタな語彙力な自分が恥ずかしい。でも、それくらい満足した。月並な表現しか思い浮かばないくらい、イイカンジだったということだ。

さて、そろそろ先に進もう。

山頂からはあちこち行きたい放題だ。もちろん、手っ取り早く帰宅するには今来た道を戻り、乙女峠からバスに乗るのがいい。でもそれだとつまらないので、別ルートで下山しよう。

当初考えていたのが、山頂からぐぐーっ山を下るルートで、公時(きんとき)神社にたどり着く道だった。せっかくだから、金太郎伝説にまつわる岩を見たり、神社を参拝したいところだ。

しかし、なんだか気分がいいんだよな。こんなに景色が良い縦走路だし、もうちょっと山の上を歩きたいな、という気がしてきた。普段の僕なら、山頂にたどり着いたら、「ミッションコンプリート!撤収だ!」とすぐに引き上げたくなるのに。

それくらい、この金時山のこれまでの山歩きはご機嫌だった、ということだ。

その気になれば、ずーっと外輪山の上を歩き続けて箱根湯本までたどり着くことだってできる。しかしそれだとさすがに日が暮れてしまいそうだ。そこで、このまま縦走を続けて、明神ヶ岳まで行き、

そこから下山して宮城野に下山することにした。

この日何パターンか登山計画書を用意していたのだけど、その中では最も長いトレイルとなる。

本当は入山時点で登山計画を確定させるつもりだったのだけど、乙女峠の登山口近辺で登山届のポストが見つけられなかった。ということで、現時点で僕は「怪しい独身男性が単身、山中を彷徨中」というステータスだ。遭難しないように気をつけないと。

明神ヶ岳から宮城野のバス停までの間は、どうやら別荘地があるようだった。この手の別荘地は、道路がぐにゃぐにゃしているので事前に調べてある。大丈夫だ、突発的なルート変更ではない。

宮城野下山計画の最大の魅力は、下山したところに日帰り入浴施設がある、ということだ。下山してそのまま風呂場に直行。最高かよ。

あと、バス便があまりないようなら、そのまま歩いて箱根登山鉄道の強羅駅まで行けばいい。

12:36
下山・・・というか、縦走開始。

さっそく階段で標高を落としていくんだけれど、見てよこの先の光景。連なる山々。これからあの道を歩くと思うと、気持ちが高ぶる。

アルプスの縦走をやるわけでもないのに、こういう開放感とともに気軽に山歩きができることはとても喜びだ。さすがにこいつァ、奥多摩とか奥武蔵だとムリだ。奥秩父でもムリだ。さすが箱根。

12:38
登山道脇に標識が立っていた。仙石原55分、明神ヶ岳2時間5分。

おおう。

気分的には、きのこ汁を頂いて、すっかり「これから後半戦。というか、終盤」というつもりだった。でも、それは甘い。まだまだ時間的には中間地点にすら立っていなかった、ということをまざまざと汁。違った、知る。おいデブ、お前さっきのきのこ汁でボンヤリしてるんじゃねーよ。

12:38
ああ愛しの縦走路。素敵すぎる。

そして遥か奥に見える山が意味深なシルエットでこれもいい。

とかいって、この写真は何をめがけて撮影したのか、今となっては覚えていない。ええと、東側を撮影していて、奥に見えているのは丹沢山系だったっけ?

山の場合は特に、写真を撮るだけ撮って、後で見返してみると「なんだこれ?」という写真が多く出現する。

12:44
我らが縦走ルートは、1枚上の写真ほどバババーンと開放的なわけじゃない。まずは笹が生えて視界を遮っているエリアを黙々と歩く。

でも、正面に雄大な山が見える。それが励みだ。おそらくあれが明神ヶ岳だろう。

12:45
いやいやいやいや、ちょっと待った。待ってくださいよモウ。

こっちの縦走路も、俄然展望が開けてきたぞ!なんだこりゃあああああ。

正面に箱根山、その右奥に芦ノ湖、そして仙石原の平野部。あらゆる要素が丸見え。これはすごい。

観光客がここまでたどり着かないのは残念でしたー。登山客だけのお楽しみだ。

12:50
トントントン、と階段を下りていく。

明神ヶ岳に向けて、いずれ登り直さなくちゃいけないので、本来なら「ちぇっ、位置エネルギーを返せ!」などと愚痴る僕だが、今日だけはご機嫌麗しい。だってこんなに景色が良けりゃあ、ずっと上がりっぱなしですよ、気分は。標高が下がったとしても、アゲてますよ。

12:52
石碑が立っている場所に行きあたった。仙石原50分、と書いてある。ここで縦走ルートと、公時神社とのルートが分岐する。

紛らわしいのは、右の平らな道が下山道で、正面のさらに下っていく道が縦走路ということだ。

12:54
おう、ついにドスンと正面に箱根山、という位置関係になった。

これはいい、展望バッチリだ。スナイパーとかニンジャとかが偵察のためにこの地に陣取れば、射止められない標的はいないのではなかろうか?

(つづく)

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