移りゆくレースのフォーマット、移りゆく家族3人旅【のっとれ!松代城2024】

11:30
雪道の中を歩いていく。

今年は直前まで降雪があったこともあり、雪が締まっていて歩きやすい。年によってはグズグズで、一歩一歩歩くたびに体力が奪われるようなコンディションのときもあるので随分楽だ。

昔、谷の上空をワイヤーで吊るされたタイヤに掴まって空中横断する障害物があった場所を通り過ぎる。

雪が豊富なときはタイヤから落下しても雪がクッションがわりになって怪我をすることはなかった。しかし温暖化による雪不足のせいで、この場所で空中横断するというダイナミックな障害物は消えた。「のっとれ!松代城」最大の見せ場だったのに。

今年は雪が豊富だけど、もう障害物は復帰しない。おそらく、コストの問題、設置と撤去にかかる人手の問題、さらには安全確保の問題があるのだろう。

タイヤ障害物がなくなった以降、レースのコースは山頂のゴール目掛けて崖に近い急な坂を直登するルートになった。しかしそれも今年は消え、夏になると車道になる道に沿って山頂を目指す、という特徴のないルートとなった。

このレース、「越後まつだい冬の陣」会場を出た後は本当にびっくりするくらい刺激の少ないルートになってしまった。残念だ。

11:33
松代城が見えてきた。

僕は昨年から一月に一度のペースで登山を真面目にやるようになった。お陰で若干の心肺能力が高まった自覚がある。

だから今年は例年にないくらいハイペースでゴールに到達できるだろう、と楽観的に思っていた。

しかし実際はそんなに甘くなく、「確かに息が上がりにくくはなったが、かといってしんどいのは変わりないし、他の出走者のように走ってゴールを目指すのは厳しい」という状態だった。

かといってひたすら歩く、というのも面倒だ。とっととレースを終わらせたい、という気持ちが今年はあったので、時々小走りになって、また休んで、を繰り返しながらゴールを目指した。

11:39
ゴール直前の尾根の道。

例年、この道端にはふきのとうが咲いていて、「ああ、もう春なんだな」と思ったものだ。でも今年はふきのとうどころか、地面の露出が全くない状態だった。冬将軍健在。

かといって、ふかふかの雪質かといえばそうではなく、道の上の雪はカチカチになっていた。多くの人が歩くことによって踏み固められ、そしてツルツルに磨かれていた。お陰で、登る人はともかく、下る人はかなり慎重になって歩いていた。歩くのを諦め、尻もちをついた状態で滑り降りている人も多かったくらいだ。

11:41
ゴール、松代城到着。

所要時間は46分。これまでの僕だったら1時間程度かかっていたレースだけど、今年はかなりの時間短縮となった。コース距離が伸びたのに。

それは僕の体力が強まったから、というわけではなく、障害物での渋滞がなくスルスルと進めたからにほかならない。

ゴールで受け取った入場の証は187番。

この証明書は到着順に1番から与えられていくので、要するに僕は187位ということになる。

見た目はすごい。だってこれまで、300位後半~400位前半、という順位ばっかりだったのだから。でもそれもそのはず、今年はレース出走者が少ないので、187位であっても随分後方だ。全出走者から見た相対的な順位という点では、例年と大して変わらなかった。

11:50
一人でゴールである頂上にいてもやることがないので、そうそうに引き上げる。

下山を始めると、前方から松代城の格好をしたもぐさんがやってきた。障害物を乗り越えたあと、またお城の被り物を装着し直していた。

ツルッツルに滑る坂をこの格好で登るのだから、すごい。というか危なっかしい。うっかり滑ったら、受け身が取れない。・・・でも、段ボールがクッションになるので、怪我はしないかもしれない。

下山している人は全員尻で滑り降りている。ついさっき僕がこの坂を登ってきたときよりもコンディションが悪くなり、歩いて下るのが難しくなっていた。

その後からは勇者様がハアハア言いながら登ってきた。

重たい装備を身にまとっているので、毎回毎回疲弊していらっしゃる。ものすごいストイックさだ。

よく見ると手にしている武器が朝見たものと違っていた。巨大な1本の刀ではなく、2本のL字型の刀に持ち替えている。芸が細かい。

そういえば昨年のレースから、ゴールしたときに貰える飲み物がスポーツ飲料水からミネラルウォーターに変わったんだった。今年もそう。ラベルが貼られていない、エコ仕様の水だった。こういうのもコスト削減なのだろうか?

12:10
会場行きのバスがやってくるのを待つにしては時間に余裕がありすぎるので、歩いて会場まで戻る。行きに通った道を延々と歩く。

歩く、といってもかったるいので、走れるところは走って帰っていった。

12:22
会場に戻ってきた。レース開始から90分もしないうちに会場に戻ってきただなんて、これまでのレースで初めてだ。

日が差してきて暑くなってきた。ウィンドブレーカーを脱いで凱旋。

家族と合流すると、弊息子タケは休憩所で地元のおまんじゅう「あんぼ」を嬉しそうに頬張っていた。

今日は一日、屋台がある会場で遊んで過ごしているので嬉しくってしょうがないらしい。大変にご満悦だ。

(つづく)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17

コメント

コメント一覧 (2件)

  • のっとれ松代城2025申し込みました。
    なんとゴールがお城でなく、その手前の管理棟前になりました。
    まさに移りゆくですね。

  • moguさん>
    コロナ以降、どんどん変わっていきますね。
    松代城直前の急坂がツルツル滑って危険、という判断になったのだろうか?
    そのかわり、参加費が1,000円お安くなってる。いろいろベストバランスを主催者が模索しているっぽい。

    今年はおかでん、いしがWエントリーです。
    弊息子タケは会場に居残り、よこさんがタケと一緒に雪遊びをして過ごすことになります。

    今年こそあたって嬉しい刑罰に処せられる予感が!当日現地でお会いしましょう!

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください