神田カレーグランプリ2013

カレー日本一を俺たちが決めてやる(その1)

東京都、神田。

神田といっても範囲は広く、JR山手線の神田駅周辺だけでなく、秋葉原から神保町、水道橋にかけての一帯を総称して「神田」と呼ぶ。このあたりは街が古いこともあり、モザイク状に町名が分かれている。「神田○○町」という地名は、数えた事がないけどかなりの数に上るはずだ。

そんな神田だが、古本街としての知名度だけでなく「カレーの街」としても名高い。街に溶け込んでいるのであまり目立たないが、確かによく見ると街のいたるところにカレー屋が存在する。

本を片手に読みながら食事ができるので、カレーは神田という街ととても相性が良かった、とも言われるし、大学が多く存在する学生街なので、貧乏学生が安く腹一杯になれるカレーがもてはやされた、とも言われる。詳しい由来は僕も知らない。いずれにせよ、和風なカレー店だけでなく、インド風、欧風などさまざまなカレーのお店がありバラエティ豊かだ。町おこしの一環としてやっているのではなく、自然発生的に増えていったお店なので、見ていて面白い。

そんな神田のカレー事情だが、現在は毎年一回、文化の日前後に「神田カレーグランプリ」というイベントを行っている。神田界隈のカレー屋でNo.1を決めたろうやないか、というガチンコ勝負だ。狭い範囲に林立する実店舗が、同じジャンルの料理で、ガチ勝負するのだからこれは面白い。

ルールはこうだ。まず、お店が普通に営業している通常の期間に人気投票が行われる。そこで獲得票数が上位のお店が、「神田カレーグランプリ」のイベントに出場する権利が与えられ、当日は会場に屋台を出店する。イベント期間3日の間で、会場内でもっとも人気を集めたお店が優勝、というわけだ。つまり、二段階選抜。

物心ついた時からお酒を飲んでいた僕は、ご飯モノであるカレーというジャンルにはほとんど興味を示してこなかった。また、インド料理店をはじめとする、カレーを出すお店というのは、お酒を飲ませるメニュー構成になっていないことが多く、自然と僕がカレーと親しむ事は無かった。

そんな中、今回のカレーグランプリの話を聞きつけたわけだが、正直あまり興味があったわけではない。しかし、本戦の出店店舗が15という話を聞き、「15店舗?だったら1日で全部食べる事が出来るんじゃないか?」という変な色気が出てきたのだった。つまり、カレー好きからの好奇心ではなく、「全メニュー制覇するカタルシス」目当てのイベント参加、というわけだ。昔からそうだが、こういう「小さな達成感」の獲得というのはとても好きだ。

ただ、さすがに一人で15店舗のカレーを食べるのは無理だ。他に誰か一緒に行く人がいないものか、と打診してみたら、3名が名乗りを上げてくれた。ありがてぇありがてぇ。「全店舗食べるよ!」というアホな提案においても、ノリノリで楽しんでくれるので、ありがたい戦友だった。こういう仲間がいると、本当に人生はかどる。

ここがカレーの聖地

2013年11月03日(日)

そんな愉快な仲間たちと合流し、神田カレーグランプリの会場に向かう。会場は「小川広場」という場所で、神保町のビクトリアの裏手にあたる。Googleマップなどで調べてもヒットしない、ひっそりとした場所だ。普段はバスケットコートやフットサルコートとして使われているのかもしれない。全面舗装の、さほど広くない公園だ。

イベントの開始は11時。その時間に会場に到着するようにした。この手の屋外飲食イベントは、「お昼ご飯目当て」の人が集まってくる。なので当然12時から14時くらいが最も混むわけであり、逆に言えばお昼のピーク時までにいかにお店を行脚できるか、が重要になってくる。幸い、この時間はまだそこまで混んでいないようだ。

カレーグランプリ会場図

会場マップ。真ん中に飲食スペースがあって、それを挟むように合計15店舗の屋台がずらりと並ぶ。おそらく、こういうのもコミケにおける壁サークルのようなものがあるのだろう。両端に陣取っているお店は、長い行列が想定されているようだ。

早くも列ができている

ずらりと並ぶカレー屋台。カレー好きにはたまらん光景なはずだ。目移りしてしょうがないだろう。でも大丈夫、今日の僕らは全店舗食べるから。目移りしたもの全部、食べちゃうから。

とはいっても、目の前にわーっとお店が並び、人だかりができている光景を見てしまうと頭が混乱する。えっと、どうしようどうしようとアタフタしてしまう。一度に頭に入ってくる情報量が多すぎるからだろう。とりあえずいったん落ち着こう。今日は仲間もいることだし、焦ることはない。ただ僕はカレーを食べたいだけなんだ。

S&Bといえばスパイス

というわけで、いきなりカレーの海にダイブするのではなく、会場脇にあるブースに向かった。そこには、巨大なペンギン・・・っぽい、S&Bブラックペッパーがお出迎え。これいいな、一戸建ての家に住んでたら、玄関先に置きたい。魔除けとして。でも、犬のおしっこをかけられてすぐに臭くなりそうだけど。

ここは、見ての通りスパイスメーカーとして名高い、S&Bのブースだ。誰しもが家庭のキッチンにはS&Bの商品を常備していると思うが、そのS&Bが大盤振る舞いだ。なんと、無料で「世界で一つだけのオリジナルカレー粉を作ろう」という企画をここでやっているのだった。S&Bご自慢のスパイスがずらりと並ぶ中、自分の好みでカレー粉を調合できるのだという。

事前エントリーを済ませる

ただしこれは定員がある。ネットで予約を受け受けていたので、あらかじめ登録をしてあった。会場に到着したので、早速予約の確認と受付をしておく。

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