南紀旅行

バイキング会場へ、いざ

さあ、バイキングだ。

昨日食べた伊勢海老のように、決して貧乏生活で食事に困った日々を送っているわけではない。肉体酷使の代替とはいえ、それなりの給料を貰っているし、それなりのものは食べているつもりだ。

しかし、しかしだ。

バイキングと聞くと、どうしてこんなにわくわくしてしまうのだろう。

まず、トレイの大きさを確認する。次に、お皿の大きさを確認する。トレイやお皿が小さくて、食べたいモノを食べようとすると何往復も強いられる、「ケチくさい」宿も多いので、このあたりのバランスの見極めは大変に重要だ。

よし、この宿の場合、トレイの大きさはたっぷり、お皿も十分に大きいぞ。えーと、大小あわせると4皿くらい載るかな、と。

そういう計算に基づいて、「では何を盛りつけようか」ということを考えるんである。もちろん、「一回目に盛りつけるもの」だ。バイキングは、「二回目、三回目」がある食べ物だ。このバランス感覚が難しい。

あと、煮物だと汁気が周囲の料理を汚染してしまうので、その隔離政策も考えつつ・・・

おお、なんという高度な知的ゲームなんだ。今、こうやって文章を書いていて一人感動した。ぜひ、「胃袋至上主義宣言」あたりでバイキング学概論、というタイトルで文章を書いてみたいものだ。

料理調達に早速取りかかる

まあ、そんな個人的興奮は良いとして、ビールを買いに行ったため遅れていた料理調達に早速取りかかる。

「修学旅行生の食事並み」

とか、ネットではさんざんな書かれっぷりをされている食事だったので正直、まったく期待していなかったのだが・・・

あれ。普通じゃん。

もっとダメダメな、フライドポテトとかカチカチのハンバーグとか、かさが大きい割には量がほとんど取れない菜っぱサラダとか、そういうしょぼいのばかりが並んでいるのかと思ったのだが。

「意外、意外」

と驚きつつ、あれこれ確実にお皿に盛りつけていく。

バイキング料理の数々

まあ、スパゲティなんぞがあるのはお約束ですな。子供がこういうの、好きだから。大人がうかつにこういうのに手を出しちゃいけません。おなかいっぱいになるし、そもそも温泉宿に来てまで食べるモノじゃあない。

基本的に「すべての料理をお皿に並べたい」人であるワタクシであったが、さすがにこのスパゲティだけはスルー。

お刺身、寿司コーナー

お刺身、寿司コーナー人気。

さんま寿司、目張り寿司も置いてあるし、その他勝浦名物のマグロが、いろいろな調理法で並んでいた。

あと、事前情報によると「天ぷらコーナーが人気で、エビ天が揚がると待ちかまえていた人たちで争奪戦になる」という事だったが、幸いそういう血みどろの争いは発生せず、すんなりと海老天ゲット。

何だかうれしくなってしまい、1本で良かったのに2本も確保してしまった。よせば良かった。

ホテル浦島日昇館の夕食バイキング

パズルゲームの感覚で吟味しつつ取って参りました、ホテル浦島日昇館の夕食バイキング。

まあ、これで置かれている料理の半分くらいは確保したと思われるので、今後この宿に宿泊を考えている方はぜひご参考にしてください。

八宝菜(右の皿、右上)をよそってしまうあたり、我ながら「負けたァ」という気がするが、仕方がない。あと、鶏の唐揚げも3個も取ってしまったのも大敗北。

そももそも、メインの具っぽくふんぞり返っているのがアジの開きというのはどうよ、という気もするんだが、まあソレは兎も角、野菜も多いし栄養バランス的には悪くない配置になったんじゃないかと。

ご飯とおみそ汁がお膳に載っていないあたりが、ビール飲み野郎のおかでんたる所以。

夕食中

で、頂く。

そういえばひびさんのお盆にもご飯類が無かった。

しぶちょおは例のごとくのご飯山盛りで、おかずを大いに食らっていた。

「うん、食える食える。何だよ、誰だよ飯がまずくて食えたモンじゃないッ手言ってるヤツは」

「そうだねえ。旨いか、と言われると決して旨くはないが、まずいってのは言い過ぎ。十分まともなバイキング料理だと思うぞ」

あまりに最初のイメージが悪すぎたので、いざ食べてみるとごく普通の料理だったので三人とも「あれれ」感強し。

1万円そこらで泊まれる宿なんだから、これで十分。「せっかく温泉宿に来たんだから、お造りの盛り合わせも食べたいし、ちょっとした固形燃料を使ったお鍋だって食べたいじゃなーい?」という向きの人には合わないが、まあそれはしょうがない。

追加で持ってきたお皿

しょうがないついでに、人生の負け組が追加で持ってきたお皿。

「何?おかでん、スパゲティ食べるんかい」
「いや、もう何だか気になっちゃって」
「それにしてもすごい皿だな、スパゲティの横に酢豚があって、その横に寿司か!」
「これぞ和洋中の融合、だな」

食後、「しまった、あの二膳目は完璧に余計だった」と呻きながらおなかをさすっているおかでんがいた。バイキングの場合、ついつい調子に乗ってしまう。腹6分目、くらいの感覚でストップしたら、丁度腹8分目で収まるんじゃないかと思う。腹八分だと自分で思っているあたりが、普通の「満腹」状態だわ。ふぅ。

別のお食事処

帰り道、「なぎさ館」側を通って部屋に戻ってみることにした。

おやあ?こちらにも同じように食堂があるんだな。あっちこっちに食堂があるのか。

一体ここの宿の厨房はどこにあるのだろう。まさか各食堂毎で作っているとは思えないから、一カ所のセントラルキッチンで作った上でワゴンで運搬しているんだろうけど、何しろ距離が長い。大量の料理をワゴン運搬するだけで従業員はへとへとになりそうだ。

こっちの方が料理数多い

外から様子をうかがっていたら、しぶちょおが

「あ!これ、うちらの食堂には無かった料理だ!こっちの方が料理数多い!」

と叫んでいた。

食堂によって微妙に料理グレードが違うのか、それともたまたまだったのかは不明。

お夜食コーナー

本当は夕食後そのまま「磯の湯」に浸かりにいく予定だったが、食べ過ぎてぐったりしてしまったので、いったん部屋に戻った。

一休みしてから、こんどはなぎさ館の端っこ、一番半島の付け根側にある「なぎさ元湯」に向かうことにした。ここも相当歩くぞぉー。

歩いていく最中、「お夜食コーナー」と呼ばれている一角を通過した。さすがは巨大ホテル浦島、「まあとりあえずカラオケスナックと、ラーメン屋くらい作っておけば良かっぺ」という「とりあえず理論」ではなく、何軒も軒を連ねる立派な屋台街ができあがっておるではないか。(まあ、屋台街、といっても3軒なのだが)

メニューを見ると、「トマト 200円」くらいのシンプルメニューから始まって、和歌山ラーメンだのおでんだの、いっぱしの居酒屋風になっていた。あっ、ビール中瓶が650円!さっきの食堂より安い!

まあ、それはいい。

営業時間は24時、までみたいだ。遅い時間にチェックインせざるをえなかった人や、「あんなバイキング食えるか!」という人、もしくは「軽くいっぱい飲めればいい」という人、まあいろいろなシチュエーションでここを使うことはできるだろう。

・・・と、思ったんだけどなあ。お客さん、ほとんど居ないんだわ、ここ。巨大ホテルの一環としてやってるからいいのかもしれないけど、単体での経営で見たら絶対赤字だぞ、ここ。団体旅行シーズンになればもう少し繁盛するのかしらん。

このお店に限らず、ホテル浦島にはあらゆる施設が整っていたのだが、ホンマに儲かっているっぽいものはそれほど多くない印象だった。ただこれは品そろえをすることに宿として意義があるわけであって、儲かる・儲からないは二の次にしか考えていないのかも、しれない、と、思った。

解放廊下

日昇館での食事が、「ホテルの対角線を移動する」位置関係ならば、只今向かっているなぎさ元湯は「ホテルの横幅を目いっぱい横断する」状態。いやー、いい運動になります。何遍も繰り返しになりますが、足腰立たない人は来ちゃダメです、このホテル。とってもいい湯なんですけどねぇ。

解放廊下を「寒い寒い」といって歩く。

なぎさ元湯

建物の突き当たりがなぎさ元湯。何だかここだけ離れみたいになっている上に木造建築なので、何でなのかしらんと思ってたら、建物は二階構造。上の階には神様が祀られていた。温泉の神様だろうか?

チェックリスト

このなぎさ元湯は、露天風呂形式。

普通のタイル風呂が大きいのが一つあって、あとは深さが各種ある樽風呂がいくつも並んでいる。

勝浦漁港に面しているので、夜景を眺めながらの樽風呂はなかなか気持ちが良い。しぶちょお曰く、「6つのお湯の中では一番良かった」とのこと。

写真を撮りたくてうずうずしたが、「持ち込み禁止よーん」というあの警告があったので断念。ちぇっ。

そのかわり、こんな写真を。脱衣所の片隅にあった、壁にぶら下がっていたバインダー。どうやら、1時間おきに何種類かある湯船、全ての温度をチェックして記録しているらしい。湯守、というと大げさだが、へぇ、ちゃんとこういう管理やってるんだーと好印象。

カラオケバー密集地
カラオケバー

さて、部屋に戻るついでに、まだ未体験である廊下を歩きつつ退却することにした。

このあたりはカラオケバー密集地帯。夜の繁華街の裏通り、といった風情。

飲み放題90分、歌い放題で3,150円なんだって。われわれはそういう趣味が無いので、当然パス。

「それ以前にこんなところで歌っている人なんているわけ・・・」

いた。

女性が、大熱唱している声が扉の奥から漏れ伝え聞こえた。ふえー。

ラーメン屋と、焼肉屋が並列で存在

ここにも食べ物屋が。

ラーメン屋と、焼肉屋が並列で存在していた。

やっぱりお客さんはゼロ。うーむ。

コインランドリー

それにしてもいろいろな発見があるものだ。

コインランドリーまで見つけちゃいました。結構な数並んでいるけど、一体どういう人が使うんだろう。確かにこの宿、連泊してゆったりするのが良い場所ではあるけど、そうはいってもこんなにずらりと並んでいるとは、それだけのニーズがあるということか。

カラオケボックス

あと、宿のところどころにあった「カラオケボックス」。

これぞ、「ボックス」と言われる所以となった、初期型のカラオケボックスですな。1990年前後のものじゃなかろうか?使っている人いるのかしら、と思ったら、ちゃんといるもんだ。通信カラオケになっているのだろうか?気になる。

岩盤がむき出しになっている

屋内廊下を歩いているつもりでも、こうやってところどころ岩盤がむき出しになっている。

ああそうか、ここは地下をくりぬいたトンネルなんだ、という事にあらためて気づかされる。

冷蔵庫にお水を冷やしてスタンバイしてくれている

風呂で汗をかいたし、歩き回って喉が渇いたので、「何だか悔しいけどノンカロリーの飲み物がないから」と廊下にあった自販機でミネラルウォーターを購入、ぐいっと飲んだ。

後になって気づいたのだが、この宿、ご丁寧に冷蔵庫にお水を冷やしてスタンバイしてくれているのであった。なんて親切なんだ。

ミネラルウォーター買って損した、と激しく悔しい気持ちになりながら、疲れ果てて寝る。

本当は、全6カ所の風呂制覇を目指していたので、今日中に「磯の湯」に行くべきだったのだけど、もうギブ。しぶちょおだけがお出かけしていた。

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