名古屋おいしいとこどり

ショーケース

このピッツェリア、さすがにピザだけではなくサイドメニューも売っていた。ケーキでも売っているかのようなショーケースの中に入っているのは、揚げ物。

「オリーブオイルで揚げた ナポリの揚げ物」と書いてある。オリーブオイルを使っているとは随分と豪勢だ。あの、もし何でしたら僕のsweat oil(脂汗)も提供しますが使ってみませんか。いりませんか、そうですか。はい。

しぶちょおは「ピザはいらんのでこっちを買う」といって、アランチーニ250円を買っていた。

二階席

二階席に上がる。テラスになっていて、とても開放的で気持ちがよい。席同士の間隔が広いので、犯罪の計画を練ったりする密談にはもってこいだ。ピザ食べながらだと、絶対ピースフルになってしまい犯罪どころじゃなくなるとは思うが。

商店街アーケードの中なので、このテラスは年中雨が降ることがない。「それ、雨だ!大変!」とお客が逃げまどったり、雨上がりに店員さんが必死になってテーブルや椅子の水滴を拭くといったアトラクションが無い、無菌培養型の席。お気に召したら、ぜひどうぞ。景色はいまいちだけど、空が高く開放感があると気持ちが良い。

イタリアのビール

昼間っからビールを飲むつもりはなかったのだが、イタリアのビールがあると聞いて買ってみた。やっぱね、アワレみ隊活動において、おかでん昼からビール飲んじゃってもうパパったら、というのが無いとシチュエーション的に物足りない。

購入したのは「メッシーナ」というのと、「モレッティ」というやつ。どちらも聞いたことがない。そもそもイタリアビール、というジャンル自体多分体験が無いと思う。

外国ビールで時々見かけるのだが、ラベルにオッサンが堂々とふんぞり返っているの、あれは一体なんだね。今回ではモレッティがそれに該当するのだが、オッサンのツラ見てビール飲んでも全く美味くないのですが。文化、というかセンスの違いなんだろうねえ。かといって、じゃあせくしぃなお姉さんの絵柄でも、「そんなので釣られると思うなバーカ」と思うし、難しい。あ、そうか、日本だったらそこで二次元キャラ登場ですよ。

メッシーナの原材料を見ると、「麦芽、ホップ、とうもろこし」だって。外国産ビールって、オールモルトのイメージがあったんだけどそりゃドイツ界隈だけなのかね。とうもろこしが入るとどんな味になるんだろう。

面白いのは、このラベルの下にはおなかが大きい妊婦さんのシルエットが描かれ、駐車禁止マークが。要するに、妊婦さんは飲んじゃダメよ、という事を言っているらしい。ゆりかごから墓場までワイン飲んでそうなイタリアだが、さすがに妊娠中のアルコールはダメらしい。そりゃそうか。

ピザ
ライスコロッケ

コスト削減のため、店内サービスは全てセルフ。水を注ぐのも自分、フォーク類をテーブルに持っていくのも自分、そして当然ピザが焼き上がって、受け取るのも自分。

ピザを食う
ライスコロッケを食べる

二階席に陣取ると、ピザが焼けるまで時々階下に偵察にいかないといかんので、少々煩わしい。うっかり二階でビール飲んでくつろいでしまったら、せっかくの焼きたてピザが冷めてしまい、単なるフリスビーになってしまう。

幸い、ちょうど焼きたてのタイミングでピザをキャッチできたので、わっしょいわっしょいとはやし立てながら二階席へと持って上がる。お皿は紙皿、とここでもコスト削減を徹底しているので持ち運び注意。うっかりすると、お皿がへりょんと曲がってしまってピザが滑ってうわぁー、って事になる。

届けられたのは「マルゲリータ・エクストラ」、850円。「真のマルゲリータ」という大仰な注釈がつけられている。確かに、ノーマルのマルゲリータは350円で売られているので、その2倍以上の値段だ。さすが「エクストラ」。・・・あれ、待て。エクストラって英語だろ。なぜそこだけイタリア語にしないんだろう。

それは兎も角、何がどう「真」なのかというと、水牛の乳を使ったモツァレラチーズを使っている、ということに由来するようで。そりゃ高くなるわな、輸入に頼るしかない食材だ。

結構デカいピザだが、生地は薄いし具はシンプルなのであっさり食べられる。確かに、食べ歩きには向いているといえる。ただ、テイクアウトをお願いして、この紙皿で出されたらちょっと困る。どこか近くに公園でもあれば良いんだが、商店街のど真ん中だし。宅配ピザ屋が使っているような紙箱を要望するなら別途料金がかかるので注意。

しぶちょおが頼んでいたアランチーノ、名前はあまり聞き慣れないが要するに「ライスコロッケ」だ。中にチーズが入っていてドリアのようで美味いんだこれが。

噛みます Don't Touch Us

ピザを食べ終え、また商店街を歩き回る。

今度は店頭に物騒な表示が。「(危) 噛みます Don’t Touch Us」だって。

「危険なら商店街の軒先に出すなよなあ」

と、身も蓋もない事をとりあえず言ってみる。それにしても何が入っているんだ、猛獣でも入っているのか。フタを開けたらポケモンのぬいぐるみだったらびっくりだ。

「それ以前に、英語で書いてある事が謎だ」

確かに。日本人向けには「噛むぞ!」と注意しているだけだ。だからどうしろと?ダチョウ倶楽部の定番のように、熱湯風呂の前で「押すなよ?絶対押すなよ?」とやってるようなものか?

スッポンラーメン

店頭には、「スッポンラーメン」の文字が。「すっぽん道中」というお店が、スッポンラーメンを売りにしたお店らしい。そうか、だからスッポンが店頭の水槽にいたのか。

「何なんだ、名古屋って。さっきもスッポンやら精力剤を売る店があったが、ここもスッポンか。名古屋ってスッポンの産地か?」

「さあ、聞いたことがない」

としぶちょおは首をひねる。とはいっても、こうも至近距離に、マイナー食材であるスッポンを扱う店があって良いものだろうか。せめて、片方は「沖縄ハブの店」とかにしたほうが良かったのではないか。

「そうか、需要があるから店があるんだな。名古屋人は絶倫なのか」
「俺に聞くな。知るかそんなの」

そりゃそうだ。少なくとも男に聞くのは間違っている。女性に聞くならまだしも。

おかでんはそれだけでは納得がいかず、

「怪しからんな、女性受けも狙って、コラーゲンたっぷりなんぞ書いてあるぞ。そんなものより精力増強が目当てだろうこの野郎!このアマ!」

と一人気を吐く。よっぽど、おかでん自身がスッポン食べた方が良いかもしれん。

すっぽんラーメン780円

すっぽんラーメン780円なり。今日日、1,000円にも達するラーメンがざらなご時世、すっぽんという食材を使っておきながらのこのお値段は良心的・・・なのかもしれない。実物を見ていないのでなんとも言えないが。

その下には、「先週の完食率 87%」という張り紙が。おい、完食率を提示せにゃならんほど怪しく、きっつい料理なのか?87%という数字がなんとも微妙な数字だ。手を出すべきか、引っ込めるべきか考えてしまう数字。

逆に食べきれなかった13%の人は何をしでかしたのだろう。どんぶりを間違えてひっくり返しちゃった、とか?

ブラジルの国旗

前方に、なにやら屋台風な雰囲気の一角が見えてきた。

商店街の通路にまで、客席が越境侵出している。何事だ。見ると、ブラジルの国旗が見える。ブラジル?

「ここも大須の名物っちゃあ名物だな」

としぶちょおがニヤリとして言う。

「ブラジルが名物なのか。何でまた」
「鶏の丸焼きが食べられるんよ」
「なにぃ?」

ブラジルというだけでも混乱するが、鶏の丸焼きとなるとますますわからない。こんな商店街で、鶏の丸焼きを売っているのか。そして、道路にはみ出た席でその丸焼きをみんな食ってるのか。なんじゃそりゃあ。さっぱりわからない。

「名古屋には自動車産業があるでしょ。で、日系ブラジル人がたくさん労働者としているの。だからブラジル料理」
「ああー」

その説明を聞いて大いに納得した。なるほど、大変に分かりやすい。そうか、工場勤務者がいることを考えれば、下手な東京界隈なんかよりよっぽど外国人が多いのかもしれない。

大須名物 鶏の丸焼き

看板には、確かに「大須名物 鶏の丸焼き」という文字が。

ニワトリがポーズを決めているが、サンバの国からこんにちは、ということでトサカもしっぽもなんだか華やか。いやアンタこの後こんがりおいしく焼かれて食べられるんですけど、なんでそんなに陽気なんですか。馬鹿ですか。

ああ、三歩歩けばすぐに忘れる、という鶏頭だもんな、と妙に納得。

それにしても、いつのまに「名物」にまでなってしまったんだブラジル料理。「名物」なんて名乗ったもん勝ちで自己申告制だが、とはいえ実際店頭には結構なお客さんの数。あながちうそでもあるまい。すごいな。

鶏が丸焼き

うお。実際に鶏が丸焼きにされている。

串にみっちりと数羽が刺され、ロースターの中でくるりくるりとゆっくり回転している。一体あのロースターの中では何羽が虐殺されたというのか。考えるに恐ろしい。大変に恐ろしいのでぜひビールと共に食べたい。

一羽1,300円。

うーむ、食べたいところだが、胃袋にそんなキャパは無いぞ。3人でシェアするとしても、無理だ。というか、賛同者が出ないだろう。お持ち帰りにしても美味くないだろうから、やめとく。

いいなあ、名古屋いいなあ。さっきのピザにしろこの店にしろ、いろいろ食べ歩くには最適じゃあないか。

李さんの台湾名物屋台

ブラジルの鶏の丸焼きに驚きつつも商店街を進むと、今度は台湾が来たぞ。「李さんの台湾名物屋台」だって。一体ここはどこだ。国連本部か?あ、台湾は国連に加盟していなかったか。

よくもまあこれだけいろいろな料理を狭い土地内でチャンプルーできるもんだ。それだけ、名古屋の人はいろいろな食に対して寛容性があるということなんだろう。

よしこの際だ、東南アジアの方では食べるというゴキブリ料理を、ぜひ名古屋にも。今なら完全に無風地帯だ、名古屋初上陸になること間違いなしだ。ゴキブリだけじゃイメージ悪いので、タガメも一緒に陳列しよう。どうだ、新しいだろう。

多分、無風のまま、全く売れずに閉店しそうな予感。

この「台湾名物屋台」、大きく分けて唐揚げと団子、そしてドリンクを売っている。若干台湾的ではない気もするが、まあいいや。パールミルクティが売られているのはちょっとうれしい。これも、食べ歩きにはちょうど良い小吃だ。

天津甘栗
栗のお菓子を食べるばばろあ

「あ、ちょっと待って。あれ買ぅてくるわ」

ばばろあが小走りに前方へと進んでいった。何事かと思ったら、そのお店は「天津甘栗」というのれんが下がっている。おい!この期に及んで甘栗買うんか。

「お土産にでもする気か?」
「さあ、食べるんじゃないのか」

と残された二人がしゃべっていると、ばばろあが戦利品を手に戻ってきた。・・・あれ?甘栗じゃないのか。

手にしていたのは、紙包みに入った一つの饅頭。もみじまんじゅうのような色合いだが、ご丁寧に栗の形をしている。さらにご丁寧に、側面には「マロン」という焼き印が押してあった。

「マロンか!」

・・・いや、何も分かっていない。一応、焼き印の文字を読んだだけだ。何、これ。

「ええと、栗饅頭?」

しかし、中を見るとカスタードクリームのようなものが入っている。見たことがない食べ物だ。

「栗のクリームが入っとるんよ。なかなか美味いで、食ってみるか?」
「いや、もういいです・・・。」

へー、へー。何でご丁寧に「マロン」という焼き印が押されているのかというと、同じ外観で「栗がまるごと入ってるぜ(栗子)」というのと「栗粒とあんが入ってるぜ(栗あん)」というのも存在するからだった。1個150円だって。さすが栗だけあって、広島銘菓もみじまんじゅうと違ってお値段は高めだ。

「名古屋って栗の産地なのか?」
「さあ、聞いたことがないけど」

でも、産地じゃなくちゃ栗菓子作っちゃいかんという法はない。そんなこと言ったら、街角にある天津甘栗の屋台はほぼ全滅だ。どうぞこの地で頑張ってください。

それにしてもばばろあ、なんでこの胃袋の状態で甘いモン食えるんかね。不思議でしょうがない。彼は胃腸があまり強くないはずなんだが。

「甘い物は別腹なんよ」

おおお、女性ですら既に死語にしつつあるような言葉を久しぶりに聞いた。

身代不動明王
お祈り

賑やかな商店街だが、そんな中にも仏閣があるから面白い。名古屋の今と昔がうまい具合にリンクしているのが素敵。

ええと、ここは何。天井からぶら下がっている提灯によると、「身代不動明王」と書いてある。聞いたことがないぞ。身代金を要求する不動明王なのだろうか。けしからんな。何てことをしてくれるんだ。我が子を返せ。

ここは万松寺というらしく、織田信長ゆかりの地らしい。解説板があったが、細かい字で読む気になれなかったので爽やかにスルー。でも一応お詣りはしておいた。

「カネ返してください」
「お金はコンビニのゴミ箱の中に入れておきました、ですから子供の命だけは」

とろくでもない事を祈る。

後であらためてこの身代不動明王について調べてみてびっくり。「みのしろ」ではなく、「みがわり」と読むのだな。昔、織田信長が行軍中に鉄砲で狙撃されたが、胸に入れていたメシ用の餅が奇跡的に凶弾を防いでくれた、という故事があるらしい。で、その干餅は万松寺の和尚から貰ったもので、とそんな話がつらつらと。

そういう経緯から、「無病息災」とか「交通安全」の祈願場所として信仰篤いらしい。しまった、お祈りする事を完全にはき違えていた。

それだったら、

「宝くじが当たった人の身代わりに、僕に一等前後賞あわせて3億円当ててくださぁぁい」

とお願いしていたのだが。

3億円あれば、この商店街にある飲食店全部食べ歩きすることができるぞ。あの鶏の丸焼き、何羽買えるだろうか?

うむ、我ながらスケールの小さな発想だ。

信長のからくり人形は故障中

信長のからくり人形なるものがあるようだが、本日故障中のために動かず。

誰かの身代わりになって故障したのだろうか。

台湾の焼き包子
台湾の焼き包子看板
店主の思い

おや、こっちにも台湾が。

「台湾の焼き包子(パオズ)」というお店だ。

「台湾の」と名乗っている割には、下に「大上海生煎包 日本一号店」と書いてあって、上海なんだか台湾なんだかどっちだ、というのが気になる。

焼き包子とは?という記述があって、

「中華まん×焼き餃子×小籠包=焼き包子」

とされていた。ああ、上海料理で見かける、焼き小籠包がでかくなったものらしい。

それ、明らかに「台湾」ではないと思うんだが、どうか。

売っているものは「肉包(ロウパオ)」と「菜包(ツァイパオ)」で、それぞれ160円。それだけなら大変に男らしい商品構成だが、豚汁も新メニューで取り入れられたようなので若干男らしくはない。もろにジャパニーズではないか。

結構このお店は繁盛していた。良いこっちゃ。店頭のガラスには「中国語OK!EnglishOK!日本語OK!」と張り出されていた。他言語対応しているのもすばらしい。

でも、店先の黒板に「店主の思い」として包子がいかに素晴らしいかということをつらつらと書いているのだが、最後に小さく「注:店主は中国人ではありません」と書いてあるのがずっこけた。中国人でも別に構わないのに。そこはぜひ全力で否定したかったのだろうか。

LACHIC
レストラン街1
レストラン街2

この後しばらく、大須の電気街とオタク街をうろつく。秋葉原がそうであるように、コンピュータ愛好者と二次元愛好者というのは近似値らしい。この地にも、密接してたくさんのお店があった。

この手の店が凄く久しぶりだったおかでんにとっては、「おお!」とか「すごい!」の言葉の連発。最近のフィギュアってのは凄いな。一体どうやったらこんな精巧なものができるんだ。

ばばろあから「リボルテックとは・・・」などとあれこれ講釈を受けたのだが、全部忘れた。すまん。でもどうやらいろいろフィギュアにも種類があるらしい、ということだけは分かった。うわ、レベル低い理解度。

あまりにワクワクしてしまったので、危なく何かのゲームヒロインが着ているのであろう学校の制服を買おうとしてしまった。変態だ。誰に着せる気だ。

「ええと、ひびさんに着て貰うというのは」
「買ってくれるならいいぞ」
「うむ、人の嫁に2万円もするコスプレ買い与えても、実は全然うれしくないな。却下」

ようやく我に帰った。

「安心せいおかでん、フリーサイズのコスプレも売られとるで。これなら男でも着られる」
「やめい、さすがに女装の趣味はない」

そんなやりとりの中、古本漫画コーナーでばばろあから「これは絶対に買っておけ、買わんと後悔するで」と言われ、おかでんは田丸浩史の「スペースアルプス伝説」を半ば強引に購入させられた。国語辞典なみの分厚さを誇る本で大層うっとおしいのだが、なんでも今や書店では滅多に手に入らないものらしい。荷物増やしやがって、と思ったが、読んでみたらなかなか面白かったので結果オーライ。

そうこうしているうちに日が暮れてきたので、夕食を食べに行く事にした。しぶちょおは「やはりここは矢場とんで味噌カツを食べないと」とまだ意気込んでいる。そんなに魅力的な食べ物なのか。しかし、もう一度矢場本店に出向いてみると、昼時以上の行列。この人たちは一体どうなってるんだ。配給制で、一日1矢場とんが支給されます、あとは水だけで生活しなさい、というような生き方でもしているのかと疑いたくなる。本店はどう考えても無理なので、諦める。

そこでしぶちょお、「栄に移動だ」と言う。栄に、「LACHIC」という複合商業施設があるそうなんだが、そのレストラン街にも矢場とんはテナント入居しているのだという。あそこなら穴場のはずだ、と。

なるほど、ということでLACHICに向かう。その際、家に閉じこもったままのひびさんに再度招集をかけたが、花粉症の恐怖で外出できず。家にいるという。「矢場とん食べたら花粉症が治るという実験データがだな・・・」と説得を試みたが、あっけなくうそがばれた。なぜだろう。

あと、名古屋にいるアワレみ隊メンバーのもう一人、ちぇるのぶにも声をかけておいた。仕事あがりで後で合流するという。

その間、われわれはLACHICでお店を物色。すると、あああ、ここにも大行列が。他店をはるかに圧倒する、驚異の行列。もう、どこもかしこも行列だらけじゃないかねキミィ。どうなっとるんだ。麻薬でも入ってるのか、この店の料理は。

「参ったなあ」と考え込んでしまうしぶちょお。今回は「名古屋のあれこれ」を部外者であるわれわれに開陳するというコーディネーター的立場にいるので、責任感を感じているようだった。

レストラン街の一覧を見ていると、ひつまぶし屋なんてのもある。「おい、ひつまぶしなんて名古屋っぽいんじゃないか」と言うと、それはそれでまた別の日に設定するつもりだ、という答えが返ってきた。綿密なパズルのように、フルコースディナーのように段取りがあるらしい。

「あ!陳麻婆豆腐店が名古屋にも出店していたのか・・・」

おかでんが大好きな麻婆豆腐店、発見。しかし、名古屋に来てまで陳麻婆豆腐というのはあんまりなので、一瞬の心の迷いを激しく却下。

怪しい雰囲気のお店

しばらく考えたしぶちょお、「よし今晩は味噌煮込みうどんにしよう」と決断をした。

おお、味噌煮込みうどんッスか。これまた名古屋名物ですな。食べたこと、ないけど。酒飲みであるおかでんにとっては、うどんなどの炭水化物系名物にはあまり縁がない。こういう機会だからこそぜひ堪能したいところだ。

そのお店に向かって歩いている道中は、なにやら怪しい雰囲気のお店がいっぱい。

なんだ?「快楽を極めるおっぱいマット」って。「巨乳マット専門」なんて店もあるぞ。

「名古屋の人はおっぱいが好きなのか?」
「いや、そんなことはないと思うぞ」

一市民とはいえ、しぶちょおにそんなことを聞いても、正しい結論が出るわけがない。とはいえ、ついつい聞いてしまうくらい、「おっぱい」が街に溢れていた。

山本屋本店

到着した店は、「山本屋本店」というところ。味噌煮込みうどん専門店なんだという。

驚いたね、味噌煮込み一本で商売ができてしまうんだから。さすが名古屋。

人情として、「天ぷらうどんもやってます」とか「夏は冷やしうどんでも」とあれこれアレンジしたくなるものだが、夏でもグツグツ鍋で煮える味噌煮込みを食らえ、というわけだ。大変に潔くてよろしい。

ひな壇

店内に入ると、入口正面におひなさまが飾ってあった。7段もある随分立派なものだ。ここにいる人たち全員誘拐したら、どれだけ身代金を請求できるだろうか?とついつい考えてしまう。先ほどの身代不動明王の余韻だな。

何だか高級店っぽいんですが。

店内は静か。カウンター席があって、一人客もいて食事をしているからざっくばらんとした店のようだが、店内のしつらえはカネかかってそうだし、静かだし、店員さんの応対もちょっとお上品。うどん屋だから、もんぺ着て足袋をぺたぺた言わせながらオバチャンが出てくるくらいの勢いかと思ったが、とんでもないぞ。

そんなお上品な店員さんに空席を確認したところ、今はちょうど空きが無いのだという。だったらいいや、ということでお店を後にした。

いや、焦ったぜ。味噌煮込みうどんを甘く見ていた。ねえしぶちょお、ところでここで味噌煮込みうどんを食べたらいくらになるの?

「1,000円以下ってのは無かったと思うけどな。1,200円くらいするんじゃないか?」
「え?うそ?」

完全に侮っていた。意外と高い食べ物なんだな。

山梨でほうとうを食べると、1,000円以下ってのにまずお目にかからないわけだが、それと同じようなものか。勉強になるなあ。

若鯱家

「もういい。今晩は若鯱家でカレーうどんだ」

しぶちょおが、ままならない状況に苛立って次なる決断。カレーうどん?それも名古屋の名物なんスか?

「何を言う。カレーうどんといえば名古屋でしょうが」

そうだったのか。

生まれてこの方、お店でカレーうどんを食べたことは一度もないので、どこが名物なのか全然知らなかった。カレー南蛮ならお蕎麦屋さんで食べたことはあるが・・・。

インド人にカレーうどんを見せたら何というのだろう、とふと気になった。いや、それよりもカレーパンを与えてみたほうがもっと面白いかもしれん
愛知県でカレーといえば、CoCo壱番屋の本部があることで有名だが、この地方の人たちはインド人の血が流れているんかもしれん。どういうルーツなんだ、愛知県人。

この若鯱家、名古屋にカレーうどんあり、と知らしめたお店なんだという。名古屋でカレーうどん、といえばまずはこのお店がピックアップされるようだ。チェーン展開もしており、お手軽。

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