「ココイチ」があんかけパスタの店やってるとはねえ、という話題で時間を潰す。
確かに、ご飯→スパゲティ、カレールー→あんかけに置き換えると、意外と運営ノウハウの共有化はできそう。でもココイチはカレー屋なんだから、まずはカレーうどん店をやるべきではなかったか。
・・・「ではなかったか。」なんてお前ごときが問題提起するな。株主にでもなってからほざけ貧乏人。だいたい、カレーうどん店は以前やってたけどうまくいかんで、今ならカレーラーメン店として運営されてる店があるぞ。それでよければ、どうぞ。
到着したのは鉄板がじうじういってる、菜の花と筍。780円+鉄板チェンジ代100円。
さすがCoCo壱系列ということもあって、あんかけソースは「ノーマル」「マイルドスパイシー」「スパイシー」から選択可能。なんならカレーにしてもよいが、そうなると単なるカレースパであり「名古屋名物」の枠から外れるので注意。「スパイシー」で物足りなければ、テーブル上の「とび辛スパイス」をこれでもかと振りかけるがよろし。
あと、麺の量もお好みで。9段階(150g~900g)まであるのだからすごい。900gまで増やしたら、多分具とバランスが相当悪そうだ。+600円となることを考えても、大人しく二杯注文した方が良い気がするが、どうか。
どうか、じゃねぇ。
われわれのように、先ほど「風来坊」で飲み食いしてきた人たちにとって、この「量はお好み」システムはありがたい。少量で結構でございまする。
とはいえ、あんかけスパという濃厚な料理、しかも2.2mmの極太スパをもひょもひょと食べるとなると、「飲んだシメに」とはいかんだろう。さすが名古屋名物、なかなか難しい食べ物だぜ。
極太スパといえば、東京有楽町の「ジャポネ」を愛しているおかでんだが、このあんけけスパは勝手が全然違う。こっちの方が腹に溜まる、というか食べにくい。スパってあんまり調子に乗って具を載っけたらダメねー、お箸で食べるわけじゃないので、ぼろぼろ落ちる。で、「あっ」と慌てて手で落下を防ごうとして鉄板に触れてギャース。なんなんですかこれは、お行儀教育マシンですか。
味は・・・あんまり覚えてないんだが、ジャポネほどの中毒性はない気がする。でも相当重量感あるお食事。以前CoCo壱番屋では、カレー1.3kg+ルー700g=合計2kgのカレーライスを20分以内で食べたら無料、というのをやっていたが、同じ事をこのあんかけスパでやったら難易度がさらに上がりそうな気がする。
しぶちょおが頼んだスパゲティ。料理名は忘れた。カレールーのようだが、れっきとしたあんかけスパのソースだ。
こちらが、ばばろあが頼んだ「名古屋名物あんかけスパの定番・ミラカン」。
ええと、ナポリタンを作っている途中ですか?と思わず問いかけたくなる。なるほど、ナポリタンを作っている過程において、ケチャップで和えればナポリタン、そのままお皿に盛ってあんかけソースをかけるとミラカンになると覚えておけばほぼ間違いはなさそうだ。
具は、玉ねぎ、ピーマン、パプリカ、ベーコン、ウィンナー。おお、見事にミラネーゼとカントリーがドッキングしてるぜ。多分。
量がしょぼく見えるが、これはばばろあが少なめをオーダーしたから。デフォルトだともう少し量が多い。
でもたとえ量を減らしたとしても、相手は2.2mmの凶悪極太麺だ。食べごたえという点では他の追随を許さない。この2.2mmというのがいかに異常かというのは、地元のスーパーのパスタコーナーで該当商品を探してみればすぐにわかる。普通、売っていない。一番太くてせいぜい、1.8mmがいいところだろう。しかし、名古屋のスーパーに行けば、平気で2mm越えのスパが売られているんだから・・・やっぱり名古屋はグレイトだ。奴らニュータイプかもしれん。いずれアクシズとか地球に落とそうとしてくるかもしれんから気をつけろ。
「わしもう食えんで、さっきの店でさんざん食うただろうが」
というちぇるのぶは、お付き合いということで小倉トーストを頼んでいた。サイドメニューでこんな名古屋名物も置いてあるのか。さすがあんかけスパの店。名古屋には感心させられっぱなしだな。
しかし、「もう食えん」というわりには、杏仁豆腐も頼んでいるところが不思議だ。
もっと不思議なのはばばろあで、ミラカンを食べた後にマンゴープリンを食べていた。歯も胃も腸もケツの穴もあまり達者ではないばばろあなのに、一体なぜそこでデザートなのか。甘い物を全く食べないおかでんにはさっぱり理解できない。
2009年03月22日(日) 3日目
3日目、最終日。
ばばろあはうどん王国、おかでんは鈍行列車で東京へと戻らないといけないので、活動できるのは昼過ぎまでという制約がある。昼飯食って解散だねえ、という雰囲気。
そんな中、最終日にふさわしい場所としてしぶちょおがセレクトしたのが、「田縣(たがた)神社」だった。最後になって神社仏閣巡りか。一体どういう風の吹き回しだ。シャチホコでも反っくり返っている本殿か。しかもそこに行くには名鉄に乗って、名古屋市街からちょっと距離があるという。
しぶちょおが敢えて選ぶくらいだからそれなりにイカすんだろうが、でもなぜに神社が。どう間違っても武田信玄の亡霊が出てきて「ノーモア関ヶ原じゃ!」などとは言うまい。
聞いてみると、この田縣神社というのは男根が祀られているというところなんだという。毎年3月15日には「豊年祭」というお祭りがあり、巨大男根がそそり立つ神輿が町を練り歩き、国内外から多数の人を集めるんだと。また、この田縣神社の近くには「大縣神社」というのもあり、こちらは女陰を祀っているんだという。
性器を祀るのは、子宝に恵まれる事が何よりの一家繁栄の時代だった昔によくある形態。マニアックではあるが、全国各地にその手の神社やほこらはある。純粋な信仰心によるもの以外にも、単に悪趣味なだけで作られたものもある。
それだけだったら、特に珍しくはない。
しかし、しぶちょおは「豊年祭の神輿がすごい」という。早速、手元のPCでYouTubeを開き、「田縣神社 豊年祭」で検索してみた・・・
なんじゃこりゃあ。タイトルを見るだけで大爆笑だ。「街を練り歩く巨大男性器」という時点ですでに異様だが、これなんてまだかわいいものだ。中には「踏切前で男根が回る」「ローリングチ●コ」なんてものもある。見てみると、路上で、男根神輿がぐるぐる時計回り、反時計回りに回転するのね。なるほど確かにローリングチ●コだわ。圧倒的迫力。そしてリアルな男根。でも、グロテスクではないので女性も安心。とはいえ、これって公然猥褻にならんのか?伝統と格式があれば許されるのか、こういうのは。諏訪大社の御柱祭で死人が出ても業務上過失致死傷害に問われないのと一緒か。
YouTubeの映像の中には、解説文で「田縣神社豊年祭(ちんこ祭り)」という記述があったが、さすがにこれはあんまりだと思って爆笑した。腹いてぇ。
豊年祭はちょうど一週間前に済んだばかりだが、その余韻はまだ境内内に残っているかもしれない。興味を持ったが百年目、行ってみる事にした。
名古屋市営地下鉄から名鉄に乗り換えてゴトゴト。
あっという間に、のどかな光景に変わるのが意外だった。東京の住宅密集状態を見慣れているので、名古屋もそれに似た世界だと思っていたのだが、全然違った。名古屋県営空港(旧小牧空港)あたりまできたら、すっかり田舎的な街並みだもんなぁ。1時間以上かけて毎日東京の会社に行っているのが馬鹿馬鹿しくなってきた。
そんなことを考えながら、「田県神社前」駅で下車。昨日まで聞いたことすらない神社だったが、わざわざ駅名になるくらいだから絶大なる信仰を集めているのだろう。ただ、参拝客の何割かは薄ら笑いを浮かべながら、のような気がするが。
駅前から田縣神社方面に少し歩いたところに、喫茶店があった。ここもまた、チェーン店ではなく個人経営のお店。ホントつくづく、愛知県は喫茶店文化が発達していて呆れるやら驚くやら。
以前からおかでんは「台湾のような、手軽に早點(朝ご飯)が食べられる店が町中にあればいいのに」と言っていたが、もし実現するとなれば愛知県が真っ先だろう。
東京方面だと、モーニング食べてくつろぐ暇があったらゆっくり寝るか、通勤ラッシュと少しズレた時間に出勤してしまうだろう。職住隣接かどうかも、喫茶店文化、そしてモーニング文化が発達するかどうかの重要なファクターだと思う。
このお店の店名は「樹輪」。昭和レトロな名前だ。平成のこのご時世、絶対こういう名前はつけないぞ。何せ、今や子供の名前に「光宙(ぴかちゅう)」なんてのがあるくらいだからな。
「雨が降ってきたことだし、コーヒーを飲んでいこう」「そうしよう」
と、店内にはいると、そこもまたレトロな雰囲気。味わい深いな。カーペットの床、という時点で既にチェーン店ではありえないし(飲み物がこぼれたら大変だから)、ソファというのもイイカンジだ。思わずソファの上に裸足で立って、思いっきりジャンプしたくなる。
(※チェーン展開している喫茶の一つ、「ルノアール」が上記条件を備えているが、あれは高級路線を狙っているしちょっと特殊。なお、ルノアールのソファは体が沈み込むくらいなので、ピョンピョン跳びはねようという気にはならん)
コーヒーが届く。
傍らに、小さなミルクポットが付くのがうれしい。砂糖は、テーブル隅にある砂糖壺からどうぞ。激甘にしたければご自由に。
こういうコーヒーいっぱいをとっても、東京界隈で見かけるチェーン喫茶店のコーヒーがいかに簡略化・コストカットされているかがわかる。
まあ、そういう話を朝からするのはやめようじゃないか。外は雨だし、まずはゆっくりとコーヒーのアロマを楽しみながらアンニュイなひとときを過ごそう。
そうはさせるかー、と割り込んできたのが大きなプレート。これぞ愛知クオリティ、コーヒー頼んだらいろいろサービスついちゃった。だって朝なんですもの作戦発動。
あらためてすごいよな、コーヒー一杯頼んだだけなのにこれだもの。お値段据え置き。ジャパネットたかたの高田社長もびっくりだ。
プレートの上には、ホットドック1本とゆで玉子、フルーツのデザート。ホットドックはノーマルのパンに変更可能。
このセンスは凄いよなあ。おかでんが商売人だったら、せいぜい「+100円でモーニングプレートをサービスします」くらいにするな。「自動的に、無料でついてきます」という発想には、絶対にならん。
昨日、名古屋モーニングの実情を見たばかりだったが、あらためて今日も驚かされた。しかも今日はホットドックだもの。少しばかり手間かかってますぜ。「でき合いのお総菜をちょいちょいと盛りました」んじゃないからな。
店頭のボードを見ると、このお店、営業時間中ずーっとなんらかの「サービス」をやっとった。サービスしすぎだ。
朝11時までは「モーニングサービス」、昼時は「サービスランチ」、ランチ時間以降は「アフタヌーンサービス」だって。
アフタヌーンサービスにおいても、トーストがおまけでつく。もちろん追加のお代はいりませぬ。
こうなってくると、ドリンクの値段の意味って一体何なんだ?となってくる。謎だ。
ちなみにサービスランチはドリンク付きで750円。日替わりなんだそうだが、一体どんな料理が出てくるんだろう。モーニング同様、過剰なサービスがここでも展開されるのか・・・いや、ここらで一息ついておかないと赤字になるので、普通の内容なのか・・・興味が尽きない。
ああ、一度本とパソコン持ち込んで、一日中愛知の喫茶店でまったりしたくなってきたぞ。
こちらは田縣神社前にあった「UIUI CAFE」というお店。今風な作りだな、と思ったら案の定2008年の開業。喫茶店でもあるが、本格的な料理やらサラダバーやらがあるし、お酒も飲めるレストラン的なお店。
まさかこんな店はモーニングやってないだろう・・・と思ったら、あらら、朝から営業しとる。もちろんモーニングもやっているのだろう。名古屋の喫茶は新旧問わずモーニングが必須なのかね。
なお、どうでも良いが、このお店の隣がハンバーグレストランの「ブロンコビリー」だった。「国道走破サイコロの旅2」において、ひたすら同じ場所をぐるぐるサーキットさせられ、精神的肉体的にたどり着いたのがブロンコビリーだったので、感慨深い。というかトラウマに近い。ブロンコビリーを発見すると、アワレみ隊一同思わず身構えてしまうのだった。
田縣神社。
えっ、正面の普通の建物、あれが本殿っすか?と一瞬目を疑ったが、あれはお札などを売っている社務所だった。この神社、なぜか鳥居をくぐってから90度直角に折れたところに本殿がある。
自ら「天下の奇祭」と謳っている看板。
自分でそれ言っちゃ駄目でしょ、とも思うが、自覚していない天然っぷりというのもどうかと思うので、妥当といえば妥当か。
神社としてはさじ加減が難しいだろう、どこまでネタ的な扱いにしてよいのかどうかと。もちろん、歴史のある神社だし神聖な祭事である豊年祭は粛々と行ってはいるのだろう。しかし、その一方で「チ●コ祭り」と言われ、好奇心から参拝者が多数訪れてその収益が神社を支えているのも事実。
参拝するまえに、手を奇麗にしておきましょうねー。
いや、深い意味はないですけど。ほら、やっぱり清潔にしておかないと。
本殿。
中は撮影禁止なので、外観だけ。ご神体を撮ってはいかんのだろう。それは卑猥だからか?写真が出回るとマズいからか?
いやまて、卑猥とかなんとかそういうゲスな事を言うな。神聖なる神様だぞ。
そんなことを言っていたら、お掃除中だった神主さんが
「ご神体は男性器ではない」
と教えて下さった。えっ、違うんか。ここ、チ●コ神社じゃないの?
聞くと、男性器の形をしたものはあくまでも神様への「お供え物」であり、それそのものは信仰対象なのではないんだと。なるほど、神棚に飾ってあるダイコンを神様と間違えて拝んじゃったようなものか。神主さんありがとう。
神主さんは丁寧にいろいろ教えて下さった。五穀豊穣と子孫繁栄の話や、近くの女陰がある「大縣神社」は女陰を前面に出すようになったのは歴史が浅く、田縣神社とセットで古来から信奉されてきたわけではないことなど。
ところで、参拝方法なんですけど、どうすれば良いのでしょう。一般的に神社といえば、「二礼二柏手一礼」が基本だけど、ここの神様ってちょっと特殊っぽいので違うような気がする。
聞いてみると、案の定違う流儀だった。いろいろあるもんだ。
「で、願い事ってこのお作法の中のいつ、すれば良いんですか?」
と聞いてみたら、
「願い事はしないです。あくまでも神様にごあいさつする、という趣旨ですから」
だって。へぇー。一つ勉強になった。
大縣神社の話題になった関係で、神主さんが大縣神社と田縣神社の位置関係が分かる地図を持ってきてくれた。わざわざこんな資料を用意しているくらいだから、セットで参拝する人が多いようだ。確かにわれわれも、大雨が降っていなければ両方行くつもりだった。
地図の裏面には、田縣神社の紹介記事があった。927年に編纂された「延喜式」には既にその名を見ることができるので、かれこれ千年以上チ●コ神社として祀られて来たことになる。
こら、チ●コ神社などと失礼な表現をしてはいかん。「母なる大地は父なる天の恵みにより受胎する」という思想に基づき、五穀豊穣、万物育成、国土発展を祈念したものなんだそうだ。もっと敬いなさい。
しかしその思想が拡大解釈され、今ではこの神社は恋愛成就とか交通安全までもが対象になっている。まあ、子孫繁栄のためには「安産」が必要で、その前には「結婚」があり、さらにその前には「恋愛成就」が、そして「縁結び」が、と芋づる式になるのは理解できるんだが。
シュールなのは写真で、男根みこしの前に巫女さんが立っている。しかも巫女さんの手には、男根が描かれた旗。なんだこのセクハラ。・・・いやいやいや、あくまでも神事ですから。勘違いしてはいかん。
この男根(大男茎形、という)は60センチ×2メートルの檜製で、毎年新造して奉納されているのだという。そりゃ大事だ。やはりまつりごとにかける意気込みとスケールというのはどこもすごい。
当日は世界各国からの参拝者で境内は、埋まり、国境を越えてみな微笑む祭
ということだが、「微笑む」というより「薄ら笑い」に近いような気が。一神教を生まれたときから叩き込まれている西洋諸国の人じゃ、男根をわっしょいわっしょいやっている様はさぞや野蛮に見えると思う。
『天下の珍祭』と称され
・・・まあ、そうだわな。チンだけに。
英語での解説もあったのだが、やはり解説の中にはPenisという単語が。「Harvest Festival」なのに、その後にPenisという単語が出てくるので、知らない人からすると相当困惑するだろう。何かの悪ふざけなのか?と。
境内の片隅では、絵馬が奉納されていた。ごく普通の神社と同じ光景だ。
一応書かれている願い事をチラ見させて貰ったが、願い事も普通。家族安全とか、恋愛成就とか。・・・ああいや待て待て、やっぱり時々変なのが混じってる。当然下ネタ的なやつ。
そもそも、この絵馬には神輿に担がれる男根をモチーフにした絵が既に描き込まれており、それを見ながら願い事を書いていると、どうしても余計な事を書いてしまいそうだ。これはもう、仕方がない。
そんな中、ばばろあが「うお!田丸じゃ!」と急に叫んだので、何事かと思って彼が指さす絵馬を見ると・・・あら、フサさんとラブやんが描かれている。講談社「月刊アフタヌーン」に連載中の漫画「ラブやん」の登場キャラだ。
「妙に上手いのぅ、と思ってよぅ見たら本人が描いとる」と歓喜の声をばばろあがあげる通り、確かに作者である「田丸浩史」の名が絵馬には記されていた。すげぇ!本人だ。でも、願い事が「ちんこでかくなりますように。」ってアンタ。
この願い事が、「ラブやん」の世界観と全く合致するところも読者からすると爆笑を誘う。漫画の中では、カズフサは「アンドロペニス」というちんこ増強マシーンでちんこをでかくしようとしていたが・・・。
男根の絵のところに「2009」と書き込まれていたことから、恐らく一週間前の豊年祭を見に訪れたのだろう。原稿、減ページや落としたりしないでちゃんと間に合っているのだろうか。
お詣りを済ませたのち、お守りなどを物色してから神社を後にする。
田縣神社ならではのお守りもあって面白いのだが、それを巫女さんの格好をした若い女性(しかも結構きれい)に差し出すオッサン3人組、というのはなんともはばかられたのでやめた。
雨が強いこともあり、大縣神社には行かずそのまま名古屋にとんぼ返りした。
早い時間にお詣りし、即Uターンしたのはしぶちょおに考えがあったからだ。それは、「2泊3日最後の食事となる昼ご飯は、名古屋名物の重要な一角を担う『ひつまぶし』にする」というものだ。狙っているひつまぶしの店は混むそうなので、11時の開店直後にはお店に入っておきたいのだという。うなぎのような高級料理でも店、大混雑ですか。行列できるんですか。すごいな。「名物」とは名ばかり、なんじゃなくて本当に名古屋って名物が土着しているから感心する。
名古屋に戻る道中、コンビニに立ち寄る。コンビニはその土地における売れ筋が凝縮されている場所であり、風土文化を知る上で最適な場所だ。
ええと、おむすびコーナーを見ると・・・あれれ?「鱒すし」のおにぎり発見。鱒すしって富山名物だよな。日本列島を横断して名古屋でも愛されているのか。これは意外だった。
あと、天むすがあるのは、名古屋の定番。買わなかったけど。
向かった先は、今池にある「しら河」というお店。
「あれ?ひつまぶしといったら熱田の蓬莱軒が有名だけど?」
と聞いてみたら、しぶちょお曰くこのお店は値段が比較的廉価で良いのだという。そりゃ大変に結構なことだ、ウナギでござい、名物でございと高級そうな店構えでお値段もびっくり、というのは感心しない。どうせ茶漬けにしたりしてわさーっと食べるんだから、お値段雰囲気共に気楽にいきたいところ。
11時ちょうどに「しら河」に到着。さすがに開店直後なのですぐに入店できたが、この後次々とお客さんが入ってきたところを見ると相当な繁盛店らしい。
このお店、ひつまぶしだけではなくいろいろな料理も扱っていた。すき焼きも食べらられるし、刺身定食や唐揚げなど、いろいろだ。一品料理も充実。お金に糸目をつけないなら、居酒屋として使ってもよろしいお店。意外だった、鰻をメインであつかっているお店って、もっと鰻にストイックな姿勢を見せるのかと思っていたから。
とはいえ、やはりこのお店の看板はひつまぶし。ええと、ひつまぶしが3種類。
「上ひつまぶし」が1,600円、「特上ひつまぶし」が2,500円、「ミニひつまぶし」が1,200円。特上って何だ、まさか国産天然物か?と思ったら、「上」と比べてなんと鰻5割り増し!なんだと。そりゃ大変に結構だが、鰻なんてタレでご飯を食べるってぇもんよ。鰻が多すぎると恐れ多いやら何やら、バランスが悪くなる、と思う。貧乏人の発想だけど。
鰻屋さんなんて行く機会が全くないので、相場というのは分からない。でも1,600円でひつまぶしというのは多分安いはずだ。単純比較はできないが、蓬莱軒だと確か2,700円くらいだったはず。
せっかくだから、「ミニ」のさらに下に、「うなぎ無しひつまぶし」があっても良い。たれだけご飯にかかってる。それで600円。高いか?
面白いのは、汁物(肝吸いもしくは赤だし)が別料金になっているということだ。普通、鰻重なんて頼むとお吸い物が自動的についてくるものだ。しかしこのお店では別扱い。後でお茶漬けにするから汁物はいらんだろう、という考えだろうか。
このお店、お持ち帰りもやっているのだな。
うなぎが真空パックになっていて、その他ひつまぶしに必要な薬味やたれなどが全部ワンセットになっている。あとは自宅でご飯を炊けばOK。ご自宅でお手軽にしら河の味が再現できまする。
とはいえ、お値段だけはお手軽とはいかなかった。お店で食べるより高い1,995円。これは包装代やらなんやら考えたら仕方がないところだが、結局は店でできたてのうなぎを食えってこった。
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