現在地点の確認のため、地図を参照しつつ読み進むと一層味わい深くなります。
○そこから民家横狭い坂を上り墓地の中で左折、稲荷社の裏から境内へ
えーと、「狭い坂」というのはこれであってるんでしょうか。
コンクリートの坂がでこぼこしている。段差があるところも不均等。なんだか心配になってきたぞ。
でも、確かに正面には墓地があるんだよな。
そんな心配な巡礼者の心理を知ってか、「へんろくらしき」の木札がコンクリートに打ち付けてあった。どうやらこの道で合っているらしい。
それにしてもとても分かりにくいところにあるな。気付かれないぞ、これだと。
赤い鳥居のところに白いのぼり旗が見えた。よくわからんが、どうやらあそこに稲荷社があるらしい。そして、目指す札所もそこにある、と。
[29番札所:国分寺] 17:08
29番札所の国分寺だから、土佐の国分寺だな。
なんだか石堂が微妙に左に傾いて見えるが、これは本当に傾いているのか写真撮影の角度の問題なのかは不明。
○進行方向、墓地の石段を一段ほど上がり左折長井家の墓石の右手奥
難しいことをさらりと言うなあ。「石段を一段ほど」って何だよ。「一段上る」って断言してくれよ。心配だなあ。長井さんのお墓を探さないといけないし。
と、階段を登っていたら階段左手のコンクリート塀にいつもの「くらしきへんろ」の木札が。あ、ここを左に水平移動するのね。
おーあったあった、木札役に立つじゃないですか。助けられましたよ。あれがなかったら、そのままもう一段くらい上に上って道に迷っていたかもしれない。
階段から脇道に逸れるところさえ間違えなければあとは毎度の白いのぼり旗が目印になるので困ることはない。長井さんのお墓など結局少しも気に留めず、次の札所に到着。
[65番札所:三角寺奥の院] 17:12
お墓に紛れて石灯籠みたいになってしまっているが、れっきとした札所でございます。三角寺奥の院。また奥の院登場。一体いくつ奥の院があるんだ?
この札所は、本尊がいない。なぜか大師像のみが祀られている。本尊真言が唱えられないので、ここは「南無大師遍上金剛」と唱えることになる。
○墓地の石段を下る途中、長連寺勝手口水道のあるところ
登ってきた墓地の石段を下る。途中で、登ってきた道と分かれ、新しい道を進む。
ええと、長連寺はどこだ。そもそも勝手口はどこだ。
と、思ったら、お墓ひな壇の最下部に白いのぼり旗発見。毎度のことだけどありがとうのぼり旗。キミがいなかったら絶対見逃していたよ。石堂はこちらに対して背中を向けているし、お墓と非常に紛らわしいし。
結局、長連寺も勝手口も水道もわからないまま、札所発見。
[63番札所:吉祥寺] 17:16
恐らくこれが長連寺とおぼしき壁にぶつかる寸前になりながら、かろうじて建立されている札所。
○さらに下る。長蓮寺の坂を上がり、山門から境内へ左手奥 裏門の前
いったん吉祥寺から坂を下り、ぐいっとほぼ360度反転して長連寺の山門を目指す。
おー、確かに正面にお寺の山門が見えるなあ。扉は・・・開いてた。良かった。「17時になったので山門、締めまーす」といって閉じられていたら、その時点で巡礼終了となっていた。
「おじゃましマース」といいながら山門をくぐる。
境内の片隅に、ひっそりと札所が二つ並んでいた。
いやまあ、石でできたものなので「ひっそり」しているのは当然なんだけど。騒がしい札所なんてあるわけがない。
ここも観龍寺同様、お寺そのものは札所認定されておらず、あくまでも境内にある石堂が札所という扱い。
[49番札所:浄土寺] 17:21
[64番札所:前神寺] 17:23
「いや山門が閉まって無くて良かったですよ、以前からお会いしたかったんです」と適当なことを言いながらお詣りする。浄土寺→右へ移動→前神寺→右へ移動→お寺の裏門から脱出、とベルトコンベア方式でさようなら。
○その裏門を出て左折、下坂の途中右手アパート横
前神寺すぐ横の小さな裏門を出て、坂を下る。ここも狭い道だ。いやあ、今日は倉敷を堪能しまくっとるな、ホント。感心するわ。地元民でも知らないような道を歩き回っている。
でも、坂道とはこれで本当のさよなら。この坂を下りきれば、残すは倉敷中心部の平野ステージだけになる。ディープな札所巡りはこれにて終わりということだ。
・・・ところで、アパートってどこ?
倉敷の山って、斜面いたるところがお墓だらけだな。
あった。
[65番札所:三角寺] 17:26
さっき三角寺奥の院にお詣りしたばっかりだけど、また三角寺さんですか。どうも毎度お世話になっております。
こちらにはお大師様だけじゃなくて、ちゃんと本尊の千手観音が鎮座しているので、真言を唱える。
現在地点の確認のため、地図を参照しつつ読み進むと一層味わい深くなります。
坂を下りきったら、アイビースクエアの側面に出た。
急に俗っぽい世界にでてきたので、なんだか違和感を感じる。おお、観光客が歩いてるぞ。スゲー。
走り抜ける車の数、多い!スゲー。
アイビースクエア横にある古道具店(?)。
なぜか屋根の上にはビクター犬がずらりと、これでもか、と並んでいる。全員首をかしげているのでとっても不思議な光景だ。何を悩んでいるんだ、と。
本当は蓄音機と一体になっていたんだろうけど、なぜかお犬様だけこんなにたくさん。
ここの店主は一体何のこだわりでこんなに集めているんだろう。僕が知っている限り、10年前には既にこの状態だった。こつこつと溜めたものではないのかもしれない。
地震が起きたらどうなるんだろう。
倉敷美観地区。
倉敷川を挟んで、なまこ壁の蔵屋敷が並ぶ。といっても、そのほぼ全てが観光客向けの土産物屋だったり飲食店だったりする。昔ながらの街並みが・・・というわけではないので、過度にこの美観地区に期待しないように。でも、良いところですよ倉敷は。おかでんが頻繁に訪れているわけだし。
「元祖きびだんご」ののぼりにちょっと惹かれる。小腹が空いた。しかし、財布無いんだっけ。ははは、あともう少しだ、頑張ろう。
水も飲まず、食事も摂らずに遍路ってなんだかストイックでいいじゃん。
○信号渡る。美観地区入口にある高砂橋の西、土産物屋横の路地入る 15m右手の木造の御堂 手前民宿 先は天理教
・・・という指示に従うと、どうやらこの「隙間」に入れ、ということらしい。
ホントか?
譲り合わないと、人同士が対面通行できないくらいの幅だぞ。これ、建坪率の問題で作った隙間じゃなくて路地なのか。
15m先にある、ということだが、ここからは伺いしれない。
でもまあ、15mだったらもし違っても「間違えちゃったエヘヘ」と笑って済ませられる。ちょっくら中に入ってみるか。
さらば美観地区。
美観地区滞在時間、1分足らず。
疑心暗鬼になりながら細道を進んでみる。
あっ!
右手民家の壁に、のぼり旗があった。「四十八番西林寺」と書かれている。こ、ここなのか。
[48番札所:西林寺] 17:33
うわ、なんだかすごいところに札所があったよ。
「どさくさに紛れて作りました」
という表現がぴったり、という感じ。
なにしろこれだもん。
左が西林寺。右は・・・民宿の裏口になるのかな。ドアが一つある。札所の前には自転車やキャリーカートが無造作に置いてあった。
これはある意味今までの中でもっともディープな札所かもしれん。
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