禅の湯のイベントとして、「坐禅体験」や「ヨガ教室」といったものがある。
せっかくお寺の隣にある宿に泊まったのだから、坐禅体験ができるとさぞや楽しいだろう。しかし、これは日曜朝限定のイベントなので、金曜日から土曜日にかけての宿泊となる僕らは対象外だった。残念。
他にも、乗馬とかパラグライダーというアクティビティもメニューにあるようだ。
温泉成分表。
カルシウム・ナトリウム・硫酸塩温泉(低張性・アルカリ性・高温泉)で、49.5度。一分間あたり169リットル。PHは9.0。
素晴らしいのは、加水・加温・循環なしということ。
あと、一人泊もここは気持ち良く受け入れてくれる。2食付きで、Wi-Fi完備の個室で、6,800円(税別)。そもそもこの宿の存在を知ったのは、楽天トラベルで検索した際に、「一人での宿泊がOKで、10,000円以下の温泉宿」の条件に合致したからだ。
大浴場入り口。
男性の大浴場。
屋外には、ウッドテラスと露天風呂がある。
源泉掛け流しの温泉の傍らに、「石の湯」という岩盤浴もある。
岩盤浴、といっても砂利が敷き詰めてある場所。バスタオルを敷いて、その上に横になる。石のデコボコが、指圧に近い感覚になってこいつァいい。
日帰り入浴施設では、岩盤浴は別料金、というところが多い。そんなに高い追加料金ではないけど、追加料金を払うことに抵抗があって、経験をしたことがなかった。でもここなら、気軽に楽しめる。しかも泊まりなので、夜でも朝でも楽しめる。ありがたい
貸切の家族風呂もある。こちらはこじんまり。
なお、23時以降になると、なんと男湯・女湯そのものが貸切風呂と化す。
風呂上がり、一階にある「談話室」に行ってみた。
談話室がある、というのはユースホステルの概念があるからだろうか。素っ気なく机があり、壁には本棚。
ネスカフェゴールドブレンドバリスタが置いてあって、コーヒーを頂くことができた。
女性向けのアメニティ。
上のかごにはシャワーキャップ、下のかごには館内履きとなる靴下。
中庭。
窓ごしに、食事会場となるラウンジと、マッサージチェアが見える。
マッサージチェアが並ぶ。不思議なレイアウトの建物だ。奥が食堂。館内図上では、「回廊」という位置づけの場所になっている。
マッサージや整体が好きな人は、「家にマッサージチェアを置くのが憧れ」とうっとりした顔で言うものだ。僕自身、マッサージをこよなく愛する(けど、お金がもったいないのでなかなか行けない)人なので、うらやましく思うタイプだ。
でも、マッサージチェアを買った人を何人か僕は知っているけど、皆一様に「最初は喜んで使っていたけど、だんだん効果が感じられなくなってきて、使わなくなった」と言う。恐ろしいことだ、人間はどんな環境でも慣れてしまうらしい。
過去何十年にもわたって、メーカーでは研究開発が重ねられてきたはずだ。その割には、圧倒的に「もうこれでマッサージ屋はいらない。マッサージ師が失業して路頭に迷う」と言えるような商品が出てきていない。「チェア」という形態に限界が来ているんじゃないだろうか。本当のマッサージ屋のように「うつ伏せになる」タイプとか、もっと新しい発想のものができないだろうか?
何も自宅に置けなくてもいいんだ。ごっつい気持ち良いマッサージチェアがいくつも置いてあって、60分1,000円とかで利用できるならば、そういう店に通ってもいい。
たとえば、気持ちいいところをもまれた時、手元に「いいね!」ボタンがあって、それを連打したらマッサージ機がその人の趣味嗜好を学習する・・・なんてことはできないのだろうか?
食堂となるラウンジ。
白い壁は、内壁も外壁も同じ。そして無印良品で売っていそうな、素っ気ない家具。
寒々しくも見えるが、温暖な伊豆半島だからこそのデザインなのだろう。これが雪国だったら、見た目が寒すぎる。
「禅の湯」という宿名ということもあって、華美なレイアウトは極力廃したのだろう。かといって、禅の高僧が描いた水墨画です、とか掛け軸です、といういかにも「禅」なものは一切置いていない。お香が焚いてある、という演出もない。いったんアメリカに行って、逆輸入された「ZEN」のような雰囲気がある。今風、だ。
(つづく)
コメント