
10:31
出合滝から車道に戻る。この界隈では、伊豆半島、特に天城の名物である「わさび」を推しているお店が多い。その中でも特に「わさび丼」がアツい。
元から広く定着していたメニューなのかどうか知らないのだけど、ドラマ版「孤独のグルメ」Season3第三話で取り上げられ、そこで爆発的な人気となった。
目の前の「わさび丼」ののぼりも、「テレビ東京『孤独のグルメ』で紹介された地元グルメ」と銘打たれている。
ドラマ版の孤独のグルメは漫画版と主人公のキャラ設定が異なり、悪乗りでどんどん料理を追加注文してしまうクセがある。そんな主人公だけど、この「わさび丼」の回では、同じわさび丼をもう一度おかわりしている。ドラマの演出としては、わさび丼以外の別メニューを食べさせた方が見栄えが良いはずだけど、あえて「おかわり」させた。それくらい、この丼にインパクトを感じたのだろう。
で、実際このドラマで衝撃を受けた人々が、河津七滝に押し寄せている。週末にもなれば、大行列になるという。

このお店は、わさび丼が750円。かつおぶしが載っただけの丼飯に生わさび、小鉢二品に汁物の構成。
わさび丼というのは基本的に至ってシンプルな食べ物で、「ご飯に、かつおぶし、そしてすりおろしたての生わさび」だ。地味といえば地味なのだけど、一度話題になると「いや、こういう地味さがむしろすごい」となるのだから世の中わからないものだ。

かどやの看板。ドラマ版孤独のグルメで、主人公の井之頭五郎がここを訪れてわさび丼を食べた。
「孤独のグルメ」で登場したお店が「聖地」となるのは毎度のことだけど、ドラマ視聴者以外にまで広く知れ渡ったお店という点では、ここが最高峰なのではないか。

この日は休業日で、シャッターが閉まっていた。
シャッターの前で途方に暮れる人が他にもいて、このお店目当てで訪れている人がいるのだな、ということがわかる。その人はこの後どうするのだろう。せっかくだから、ということで近隣の営業中のお店に行くのだろうか?
なお、僕らだけど、最初っからわさび丼を食べる予定はなかった。食べてみたい!という気持ちはあったのだけど、なにしろ朝ご飯を宿で食べてから時間があまり経っていない。全然おなかが空いていないのだった。
わさび丼を食べることも旅行目的の一つにするなら、禅の湯のようにすぐ近くの場所に宿をとるのはおすすめできない。もっと遠いところに泊まって、お昼にここを訪れた方が良いだろう。ただし、わさび丼を求める大行列に悩まされることになるけれど。

10:40
河津七滝を後にして、あらためてループ橋に向かう。
あそこをぐるんぐるんと回ることを思うと、テンション上がるよな。男のロマンだよな。
こういうのでテンションが上がるのは、男性特有の感情なのだろうか?女性はどうだろうか。

ヒャッホウ!回ってるぞー。
あんまりスピードを出しすぎると、遠心力が働いてしまう。車線オーバーして、対向車と正面衝突すると大変だ。なので、じっくりとアクセルを踏みつつ、坂を登っていく。

10:58
天城峠を越え、浄蓮の滝にやってきた。
以前、アワレみ隊でこの浄蓮の滝にやってきたことがある。

ただしこのときは路面が凍結してツルッツルで、生命の危機を若干感じつつの観光だった。滝自体にあまり思い出はない。なので、あらためて安全な時期に再訪だ。

浄蓮の滝の駐車場脇には、「天城わさびの里」と書かれた看板が掲げられている。「泣かせるぜ!」とも書いてある。「泣かせる」と犯行予告をしてくる、大胆なお店だ。こっちも気をつけなければ。
商標登録取得済、ということなので何のことかと思ったら、辛口のわさび漬けの名前らしい。

浄蓮の滝といえばわさびソフトが楽しい。
ほら、「本生すりわさび付き」のわさびソフトが売られている。

一方こちらは、ソフトクリームにわさびを練り込んだ状態のわさびソフト。
わさびのツンとくる感を楽しみたければ、「本生すりわさび付き」の方がガツンとくるだろう。
(つづく)
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