ちょっと変わった那須の旅一泊二日【那須まちづくり広場ほか】

15:54
那須湯本の民宿街を歩く。

那須湯本は、バス通りが崖の上を通っていて、崖下の川沿いが民宿街になっている。

民宿街だと、安く泊まれる宿がいくつかあるようだ。そのかわり、宿には内風呂が無かったりする。でもそれは大した問題ではない。共同浴場が近くにあるからだ。

昔の温泉地というのは、内湯完備の宿は少なかったはずだ。米やらなんやら、湯治用の荷物一式を担いで温泉にやってきて、宿に泊まりながら毎日共同浴場に通うことが多かっただろう。それを思えば、今でもこういう「内風呂がない温泉宿」があるこの地は昔ながら、だ。

前方に、僕が過去2回お世話になった「民宿 松葉」が見えてきた。この宿専用の小さな橋を渡った対岸にある。この宿は本当に素晴らしく、記事としてその時の顛末を書き残している。

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平日に泊まったから、という理由もあるが、一泊二食の値段が安かった。内風呂がない、ということは宿の維持管理コストが劇的に下がるはずだ。そういう理由で安い値付けができたのだろう。

内風呂がないと不自由する?いや、そんなことはない。

宿を出て、橋を渡ったすぐ正面に共同浴場「滝乃湯」があるからだ。宿から出て徒歩30秒。近すぎる外湯。もはや内湯と呼んで良いレベルの距離。

そしてこのお湯がとても素晴らしい。にもかかわらず、外来入浴を受け付けていない共同浴場なので、とても空いている。いくらでも、存分に濃厚なお湯に浸かり続けることができるのは最高としかいいようがない。

もっとこの「民宿松葉」を使いたいのだが、4部屋しかない宿なのでなかなか空きがない。僕が1人客なので、空きがあっても「楽天トラベル」などの検索に引っかからないのかもしれない。

そうこうしているうちに、僕には妻子ができた。妻はともかく、幼児を連れて熱いお湯の滝乃湯につれていくのは厳しそうだ。あと5年、ないし10年くらいは松葉再訪は難しいかもしれない。でも、機会があればまた訪れたい!と心底思う宿。

15:56
民宿街を抜け、鹿の湯へ。

11月中旬って、良い季節だなマジで。土曜日だというのに、「芋洗い場」と言って過言でないくらい混む鹿の湯がそこそこ空いていた。

16:54
ほぼ1時間、鹿の湯の熱いお湯に入ったり出たりを繰り返し、体の隅々までのぼせた!まいった!と言わせることに成功。大満足だ。

医学的には、無用の長湯でむしろ体に悪いんだろう。しかも、濃い温泉だし。でも、わかっちゃいるけどやめられない。

僕はサウナに入る趣味がない分、「風呂を出たり入ったりする」ことで「整う」ことを楽しんでいる。

今日は午後半日、食事と買い物を挟みつつもてくてく歩き、風呂に入り、本当に心が落ち着く時間を過ごすことができた。とても気持ちが良い。

16:57
那須塩原行きのバスにあわせて風呂を出たので、当然のことながらバスがバス停に待ち構えている。タイミングがばっちりだ。

バス乗り場の都合で、バス乗降口が車道側にある。

乗客は僕だけ。

静かな心をそのままに、バスは動き出した。

17:51
那須塩原駅に戻ってきた。

仕事として那須に来ていたので、ここから新幹線で帰京するのは、会社経費だ。なんだか申し訳ない気持ちになるが、別にやましいことをしているわけではないのでそれは無用の心配だ。

那須は車が前提となる場所だ。広大な高原のあちこちに、上品だったりおしゃれだったりするお店が点在している。しかし、点在しているが故に、あれもこれも行きたい、とせわしくなってしまう。その点、今回のように「自分の足だけが頼り」というのはできることが限られる分、むしろ那須をとても楽しめた。時期的に紅葉が美しかったし、一人で黙々と歩くのは心の平穏が得られた。

また、那須には訪れたい。いつ、何度来ても心が洗われる場所だ。

(この項おわり)

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 那須町立朝日小学校・・・。
    福島県堺に近くて、熊も出たことある。
    でも那須の山並みが近くからきれいに見える。
    この校舎の屋上から「あれが富士山だよ」って生徒みんなで見てました。
    いまはこんな施設に生まれかわってたんですね。

    こちらのサイトがgoogleに出てきて拝見しました。
    私の出身小学校です。
    小学校時代はこのエリアにある小川や自分の背丈より高い竹林の獣道を走って
    暗くなるまで遊びまくってたのを思い出します。

    今は埼玉県に住んでいますが、出身小学校がこんな風に生まれ変わって
    再利用されてるのはうれしい限りです。
    素敵な情報ありがとうございます!

    はやく(その3)が見たいです。
    楽しみにしています。

  • 鈴木さん>
    なんと、朝日小学校のご出身ですか。このサイトの文章を読んでいただき、ありがとうございます。
    国道4号線から森の中に入り、しばらく車を走らせると忽然と洗われる施設なので、「こんなところに賑わいがあるのか!」と驚きました。
    鈴木さんが「獣道を走って遊びまくっていた」という光景が想像できます。

    現在は東北自動車道那須高原SAにスマートインターチェンジが併設されたおかげで、アクセスが便利になりましたね。また近々、この地を訪れたいと思っています。

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