激辛グルメ祭り2018 2nd Round、料理を買いそろえたところ。
5人で2品ずつ、合計10品。さすがに壮観だ。
「数の暴力」というのはこういう時に使う言葉だと思う。品数はとても多いけど、これを5人でシェアするとなると、一人当たりは全然大したことはない・・・というのは言い過ぎか・・・うーん。
感覚がだんだん麻痺している気がする。こういうのを毎週続けていたら、各日に太るし、塩分過多だし身体に悪い。4週間のイベントを終えたら、節制しないと。「食欲の秋」到来の前に、激太りだ。
それにしても見事なまでに料理が赤黒い。何か、カメラの絞り設定が間違ったのではないか、というくらいどす黒い、暗い画像になっている気がする。ブラックホールというかなんというか。
違う違う、この料理を僕らの胃袋がブラックホールとして、吸い込んでいかないといけないんだ。
この日も何から順に食べたのか、殆ど覚えていない。料理一品一品に対してどういうコメントをしたのかも、記憶が曖昧だ。だからざくっとした紹介文になるけど、許してください。
まず、今回初登場ののっちょさんの後輩氏だけど、こういうイベント、しかも見知らぬ連中(おかでん達)と一緒になるイベントに参加するということでご陽気な方だった。しかし、辛い物は得意ではないという。
「辛すぎる!やってられない!」と途中で帰ってしまわれては困るので、「いやあ、これくらいなら辛くない!おいしいなあ」などと後輩氏を半ば騙しつつ、最後まで頑張ってもらった。
また、昨年「東京パクチーPARTY」で初参加となったゆうどんさんが、今年は激辛グルメ駅伝企画に転戦してきてくださったのだが、この方も激辛が得意というわけではないそうだ。折角の貴重な戦力なので、無理強いはしないで、楽しく食べてもらうことを意識した。
なにしろ、こういうイベントに参加してくれる「戦力」はとても貴重だ。今回参加してくれたからそれでOKなのではなく、今後のためにも育んでいきたいのだ。激辛というのは、妙に結束力が生まれるし、また、仲間が欲しくなるものだ。
ちなみに先週は、イベント解散後もLINEグループで「尿道が熱い」とか「トイレに籠もった」といったお互いの近況報告を続け、「ああ、自分だけじゃないんだつらい思いをしているのは」という感情を共有していた。いい歳した大人が何をやっているんだ、と端から見ると思うだろうが、いい歳した大人だからこそ、こうやってざっくばらんに「お腹が痛い」などと言い合えるのが楽しいのだ。
「若気の至りで激辛を食べ、苦しむ」というのは、本当にただの「若気の至り」だ。ご愁傷様、としかいいようがない。しかし、酸いも甘いもわかっている大人が、敢えて辛いものを食べて、苦み走った顔で耐え忍ぶ。これこそが、通な大人の密やかなる楽しみなのですよ。わかるかなぁ。わからないだろうなぁ。
BANH XEO SAIGON 激辛ドラゴンフォー(激辛)
まず最初の一品は、麺類からということでトムヤムクンラーメンを選んだ。
前回、汁なし担々麺を最後まで残しておいて、麺がダマになってしまったからだ。麺は早めに食べておこう、というのが今回のテーマ。
冷製ということもあって、一品目としてはするすると食べることができた。
激辛グルメ祭り初参戦の二人も、「これくらいなら」とちょっと安心した表情を浮かべている。ひょっとしたら、食べる料理全てが殺人級の辛さだと思っていたのかもしれない。大丈夫、そういう料理はいくらこのイベントでも滅多にない。
スパイスラーメン点と線. スパイスパクチーラーメン(超辛)
食べた時点では、元々このお店の出自がスープカレー店であるということを知らなかった一同。「カレーだ、カレーの味がするぞ」「クミンだ」などと、当たり前すぎる発見に驚いていた。
スパイスラーメンを標榜するだけあって、食べ終わると身体が熱くなる感じがする。超辛、というほどの印象はないのだけど、確かに辛い。
5名が取り皿に自分の食べる分を取り、最後の5人目は料理が入っている器で料理を食べるというスタイルだった。このため、5人目は必然的に食べる量が増え、スープも飲むことになる。「ちょっと、ちゃんと5等分してくださいよ!」と苦笑交じりの注意が飛ぶ。
スープまで飲み干さないとダメ、なんていうルールはない。でも、暗黙の了解として、みんな誰一人文句を言わずにスープを全部飲んでいた。というのは、スープを片付けないことには、ごみとして容器を片付けられないからだ。
とにかくテーブル上は狭い。なので、一品ずつ食べ終えて、すぐにそのお皿を片付けたい。その際、スープが残っていると片付けづらいのだった。だから、飲み干す。もう、人間様の都合なんてこの際どうでも良くて、片付けやすいかどうか、という観点だ。
宇都宮餃子館 超辛餃子(8個)
ここから先は、どういう順番で食べたか覚えていないので適当に。
毎回「大して辛くない」という、激辛グルメとしてはありがたくない評を受けている餃子。この餃子の名誉のためにフォローしておくと、複数の人数で訪れた場合、一人当たりの餃子割り当て量が少なくなる。今回の場合、5人で8個なので、1人1個ないし2個しか食べることができない。
たとえば僕は1個だけ食べたけど、その1個をぱくっと食べると、殆ど印象に残らないのだった。あっという間に食べ終わってしまうからだ。特に餃子という食べ物は、するっと飲み込めてしまうのでなおさらだ。
これを1人で一皿、全部食べるとなるとおそらく印象は変わるのだろう。
今回も案の定、「全然辛くない」という結論になった。
次週も宇都宮餃子館が出店しているので、そのときは全く同じ超辛餃子を頼み、敢えて一番最初に食べることにした。まだ舌がフレッシュな状態で食べたら、おそらく辛さの感じ方も違ってくるだろう、という予想だ。
プングム ヤンニョムチキン(激辛)
結論から言うと、この日「最も辛い料理」認定された一品。
最初は、全然辛く感じない。コチュジャンの甘さを感じるからだ。しかしそこで油断していると、後になってハバネロの辛さがにょっきり出てきて、そのままずーっと尾を引く状態になる。
僕らは料理を食べる都度、「辛さを10段階評価するとこれはどのレベル?」という議論をしていたのだけど、食べた直後は「これは4かな、3でもいいかな」と言っていたのに、だんだん「いててて。これは7だ」「いや8だ」などとレベルが上がっていった。時間差で「痛い」思いをする料理。
京華楼 本場の四川麻婆豆腐(超辛)
料理の表面に、粉唐辛子と花椒がたっぷりふりかけられた麻婆豆腐。そしてスープというより、ラー油そのものと言えるような赤黒いつゆ。麻婆豆腐好きな僕にとってはたまらなくそそられるビジュアルだ。
しかし辛さはどうか、というと「超辛」という仰々しいネーミングの割にはたいしたことがない。「辛くないね」「むしろ甘いくらいだね、肉の美味さを感じられる」などというのんきなコメントがたくさん出た。
でもきっと、辛くないというのは大嘘だと思う。もうすっかり、辛さに麻痺してしまっているからこそ、言える台詞だ。
陳家私菜 皇帝口水鶏(地獄辛)
いわゆる「よだれ鶏」。「地獄辛」とか、最近の激辛グルメ祭りは辛さ表現のインフレが激しすぎる。もう何が何だかわからなくなってきている。
この「地獄辛」を食べられる僕らは、じゃあ一体何者だ?ということになる。
いっそのこと、全店舗統一規格を設けて、「1辛:誰でも食べられる」「3辛:いわゆる辛口」「5辛:スゲー辛い」のうち、この料理は何辛か?というのを数値化してくれるとありがたい。でも多分それは無理だろう。人によって辛さの感受性はバラバラだし、今回の僕らのように、辛いものを食べ続けると感覚が麻痺してくる。
なので、辛さ表現のハチャメチャっぷりは、「大げさすぎるよ」と眉をひそめるのではなく、むしろ「面白い表現を見つけてきたなあ」と愛でるくらいがちょうど良い。
Trattoria BUBU 辛辛もつのトマト煮込み(まじ辛)
味の印象、特になし。
横浜ボンベイ高田馬場店 カシミールアグニ(痛辛)
この手の黒い料理というのは2パターンある。ガチで痛辛いやつと、「じっくり煮込まれて美味さが凝縮されていて、辛いけど旨みも強い」というもの。
ボンベイのカシミールアグニは後者の方だった。ご飯とセットで食べ、しかも一人当たり1/5量だったので辛さがガツンとくるほどではなかった。
プーピン ガパオライス(激辛)
ご飯ものをシェアする場合、ご飯の量がどの程度になるのかということで辛さの感じ方が大きく変わってくる。
この量を二人でシェアならまだしも、五人ともなると、「味見程度」の量になるからだ。
じゃあ、人数が多いと「味見程度」になってしまうから物足りないのか?というと、むしろそれはありがたいくらいだ。何も辛さの激痛で悶絶したいわけじゃない。「怖い物見たさ」で僕らは辛い料理を食べているんだ。味見程度、最高!
なお、目玉焼きはさすがにシェアに不向きなので、代表して1名がこれを食べることになる。多分目玉焼きを食べた人は、辛さなんてちっとも感じなかった筈だ。
BANH XEO SAIGON 激辛イカ焼き(激辛)
ベトナム産こしょうがかかっている、ということだけど、あんまり記憶に残っていない。酒のつまみにもってこいだ、これ。
というわけで5人で10品、あっけなく食べ終わることができた。
「カルピスは、激辛料理で大虐殺された腸内フローラを復活させることができるのか?」という話題で盛り上がっていたので、かき氷売り場からカルピスかき氷を買ってきた。これで11品目。
甘みがあるかき氷、最強。まだ口の中に残っていた辛みが、すーっと引いていった。これはすごい。へたにお茶をガブガブ飲むより、かき氷を傍らに置いたほうがいいぞ。すぐに溶けるけど。
時計を見ると、まだ20時15分だった。圧倒的早さだ。5人で手分けをして料理を調達したので、食事開始時間が早かったという理由もあるし、激辛で箸が止まる料理が今回はなかった、という理由もあるだろう。前回は閉店時間の21時までウダウダと滞在していたので、それとは大違いだ。
「4週連続企画なんだし、終わったらとっとと帰ろう!」ということで、早々に引き上げた。
帰宅したら、まだ21時過ぎだった。さっきまで豪快な宴会をやっていたとは思えない、早い帰宅時間に我ながらびっくりだ。本当にジェットコースターのように、どばーっと辛いのを食べて、終わったらさーっと帰る。この潔さはとても楽しかった。
さて、これで駅伝は折り返し地点。次週から3rd Roundだ。まだ、あと18品食べなくては。でも、どんどん辛さ耐性が上がっている実感が自分にはある。多分このまま乗り切れそうな予感がする。波瀾万丈?いらねぇよ、そんなドラマは。
(つづく)
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