激辛グルメ祭り2018 Final Roundを締めくくる、激辛料理の数々。
この時点で5名だったので、一人2品ずつ買い求め、合計で10品。Final Roundに出店しているのは9店舗なので、1店舗重複がある。その名誉ある重複店舗は、「赤い壺」だった。
毎週、料理を食べ終わったあとに「次週の予習」をみんなですることになっている。パンフレットを眺めながら、「今度の強敵はこれだろう」と予測を立てる時間だ。
しかし、Final Roundのページを眺める限り、あんまり激辛っぽそうなものはないように見えた。実際、料理をこうやって並べてみても、さほどヤバそうなものは見当たらない。
今回は、これまでの反省を活かして「食べる順番に写真を撮影」しておいた。ようやく4週目になって学習したという遅咲きの天才、現る。
辛麺屋 一輪 辛麺(とんでもねぇ)
宮崎発祥の「辛麺」なのだそうだ。
「麺はのびるから、早く食べなくちゃ」ということで、真っ先に食べる料理として選ばれた。
しかし、麺を持ちあげてみて「あれっ」という声が思わず出た。これ、こんにゃく麺じゃないか。しらたきみたいな麺が、中から出てきた。よりによって伸びない麺だったとは。
「ああ、うん」
「そうだね、いいね」
激辛料理を食べてきた者同士にしかわからない、阿吽の呼吸の意味不明な言葉。お互い、麺をすすり、汁を飲み、こんな声を出す。
「思ったより辛いぞ!」
という喜びのさえずりだ。
辛さとしてはしんどいパターンだけど、「最初はたいしたことない、と油断させておいて、後半グーンと尾を引くからさ」というのはこういうイベントでは楽しい味覚だ。仲間同士で、「ああっ、後からきた!」「残るね、これは」なんて話ができて、キャッキャできるからだ。
アジアンタワン168 パッタイ 激辛
続いても、麺。今度はタイ料理のパッタイだ。米の麺だから、伸びやすいもんな。
今回のようにみんなで料理をシェアすることが前提になっていると、「麺がダマになっている」というのは大変に困る。特にそれが、しゃれにならない辛い料理だった場合、「平等に分配」できないとケンカの元だ。
「チェンマイ出身のシェフが作る、タイ人もびっくりの辛さ」なのだという。しかし、見る限りは赤唐辛子が多めにまぶしてある程度。
実際、これはさほど辛く感じなかった。
パッタイの場合、甘みを感じる食材や調味料が混じっていることが多く、辛さに麻痺してくると「むしろ甘く感じてくる」料理だ。干しエビなんぞが入っていると、海老の旨みのおかげで随分辛さが誤魔化される。
赤い壺 唐辛子屋さんのじゃじゃ麺 鬼辛
「じゃじゃ麺、といってもこれはうどんじゃないのか?」
という疑問の声が早くもあがる。また、
「紅生姜が入っている料理で、辛いわけがない」
という舐めきった発言も。そう、普通は唐辛子の赤さが料理の彩りだけど、この料理はその赤を紅生姜が担っている。どうした、辛くする気がないのか?
じゃじゃ麺、ということなのでよーくかき混ぜてから食べる。遅れてやってくる人の分を残しておくので、一人あたりの量は1/6にすぎない。とても少ない。
・・・と思ったら!
「これはきた!」
「あーーーーーー」
悲鳴があちこちから上がる。そして水分補給のためあわててペットボトルのお茶をラッパ飲みする者続出。
「この辛さ、カプサイシンか!?」
完全に油断していた。想像を上回る強烈な辛さで、全員がのけぞってしまった。
「辛い・・・イヤ違う、これは痛い、だ」
口の中に突き刺さる刺激が、「辛さ」ではもはやない。もっと純粋に、尖った「痛さ」だ。
1st Round以来、久々にここで全員の箸がストップした。しばらく休憩。
「3rd Roundの『世界一辛いカレー』も辛かったけど、あっちはもっとまったりと辛かったんだよな。こっちは鋭い」
辛さにもいろいろあるものだ。
改めてイベントパンフレットの「赤い壺」紹介欄を読んでみた。このお店、「激辛」レベルでジョロキアを使っているらしい。今回我々が食べたじゃじゃ麺は「激辛」の上、「鬼辛」。なるほど、辛いわけだ。
ソウルフードインディア ミニタンドリーフライドチキン 激辛
この手の骨付きチキンは、箸やスプーンで食べきるのは難しい。どうしても手でつかんで食べることになる。その際、うっかりその手で顔を触ってしまい、しばらくヒリヒリするということがある。
最悪、そのままトイレに行ってしまい、股間がヒリヒリするという事だってある。なので、こういう料理を食べる時は、僕らは細心の注意を払っている。ウェットティッシュでちゃんと手を拭くし、イベント終わりには水で手を洗い流す。
でも、そこまでしないと皮膚がやばいものを、笑いながら胃袋に収めているのだから異常事態だ。体内は粘膜で出来ているのに。実際は相当に身体にダメージを与えているのだと思う。
この料理のコメント?いや、特に記憶にない。
ソウルフードバンコク 空心菜炒め 激辛
ここで空心菜炒め。
案外侮れないのが空心菜だ。時々、食欲が失せるくらいの激辛な空心菜炒めがあるからだ。
さきほどのじゃじゃ麺で想定外のダメージを受けた我々は、おっかなびっくり、慎重になりながらこの空心菜炒めを食べた。
・・・案外平気だった。
単に味覚が麻痺してしまったのだろうか?
あのじゃじゃ麺を食べた後だと、何を食べても辛く感じないだろう。そんな自信と確信が我々の中に芽生えつつあった。
20時過ぎ、遅れて到着のたっぴぃさんがやってきた。入れ替わりに、ゆうどんさんが所要のため退場。
こうやってみんなで協力しあいながら、全店舗制覇を目指している。一体感があって、なんだか楽しい。料理をばくばく食べているだけだろ、だって?いや違う、そんなことはない。辛さは人の心をつなげてくれる。戦友になった気持ちになれる。
さて、たっぴぃさんが料理を調達に出かけたことで、一旦小休止となった。今のうちに、ヒリヒリする口をいたわらないと。のっちょさんとのっちょさん同僚は、お酒を追加してぐいぐい飲んでいた。
20時10分頃は、会場はどこもひどい混雑。客席もさることながら、それぞれの屋台も大行列になっていた。さすがFinal Round、大繁盛だ。
おかげでたっぴぃさんは料理1品の調達だけでギブアップ。2品目を買う時間が勿体なかったからだ。
ソウルフードインディア ポークと野菜のカリー 激辛
たっぴぃさんが苦労して並んで調達したカレー。普通盛りでもご飯の量がかなり多い。200円増で大盛りも頼めるのだけど、そうなると相当ご飯が増えるらしい。
見た目が辛そうではなかったのだけど、実際にさほど辛くなかった。
辛さに麻痺した僕らなら、「さほど辛くない」というのは納得だ。しかし、「さほど辛いものは得意じゃない」と公言し、しかも先ほど到着したばかりのたっぴぃさんでさえ「うん、食べられますね」と言うのだからどうしたものか。
この男、案外やりおる。
「辛さ耐性」というのは、自己申告が全くあてにならない世界だ。たとえば、飲食店に行って、「ピリ辛」と書かれたメニューがあったので頼んでみたら激辛だった、とか全然辛くなかった、という経験は誰しもあるだろう。それと同じで、「いやー、辛いのは苦手で」という人なのに案外耐性があったりもする。本当に不思議な世界だ。
ちなみにたっぴぃさんに、さきほどのじゃじゃ麺を食べてもらった。もちろん、事前に「こいつァびっくりするくらい辛い料理だぜ!」とは一言も教えずに。すると、この人は汗一つかかずに食べてしまった。驚愕する一同。
「年上だから、辛さが鈍感になっているのではないか?」
などという失礼な想定もあったが、この後お互いの年齢公開をしてみたら、ほぼお互い1歳ずつずれている程度の年の差だった。
「わずかな年の差に、何か分水嶺・・・というか、フォッサマグナみたいなのが横たわっているのだろうか?」
もう、世代間格差という要因にでもしないと、納得ができないくらいの感覚の違いだった。
さっきまでヒーヒー言ってた僕ら、まるでリアクション芸人みたいじゃないか。僕なんか、食べた瞬間から顔じゅう汗をどかっとかいたというのに。たっぴぃさんは汗ひとつかいちゃいねぇ。
晴々飯店 プレミアム麻婆豆腐 単品 超辛
毎週麻婆豆腐を頼み、そのつど「肉の甘みを感じる」というコメントを残している我々。このイベントでは、麻婆豆腐を辛い料理だと思ったことはないと思う。
じゃあ、麻婆豆腐という料理そのものが「辛くはない料理」なのか?というと、そうではない。僕があまりの辛さで寝込んでしまった、「自分史上最悪の激辛料理」は麻婆豆腐だったわけだし。
しかし、今日食べている麻婆豆腐は、やっぱりニコニコしながら食べられるものだった。
マレーアジアンクイジーン ナシゴレンサンバル 3辛
「イカのサンバル焼き」が売り切れていたので、「ミーラクサ」かこの「ナシゴレン」の2択だった。両方とも、辛さは「1辛」から「3辛」まで、となっている。
そこで僕は考えた。「もし同じような辛さなのだとしたら、ライスで激辛という料理が気になる」と。そういえば、激辛な米料理ってあまり食べたことがないような気がする。
で、出てきたのがこれ。あー、やられた。辛さ調製は、ライスの上にかけるサンバルソースの量で行われていた。これなら、大して辛くなりようがない。
スペインクラブ 太陽のポテトフライ 超辛生ハムソース温玉付
「インスタ映えする料理」なのかもしれない。ぎょっとする赤い料理で、一見辛そうだ。しかしこの鮮やかな赤は、明らかに韓国唐辛子だ。なので、風味は強いけど、辛さはあまり強くないはず・・・
と思って食べたら、そのとおりだった。唐辛子に埋もれているのはポテトフライということもあって、辛さは大したことはなかった。ただしみんなが気をつけたのが、食べ方だ。こういう粉がたくさんかかった料理の場合、うっかり「パフっ」と粉を巻き上げてしまうと、激しくむせることになる。
ホルモン焼 幸永 ホルモンミックス丼(MAX)
オーラスの料理。ホルモンミックス丼。もちろん、あっという間に食べきった。
これにて、激辛グルメ駅伝は終了。4週にわたって、合計40品の料理を食べることができた(かき氷含む)。よくもまあ、毎週毎週、仕事帰りに集まってこんなイベントができたものだ。一部でも全部でも、とにかく関わってくれたみんなに感謝。一人じゃ、到底全店舗制覇なんて無理だったから。
達成感というのはあまりない。でも、解放感というのはかなり強い。目的を成し遂げた、ということでちょっとだけ肩の荷が下りた気がする。なにしろ、辛さに身体が慣れていなかった1st Roundは、みんな結構ダメージを受けていたから。このままイベントが続けられるかどうか、危ぶまれたくらいだ。それが今や立派に「感覚が麻痺」して、こうやってたくましく終了を迎えることができた。なんという無駄な才能だ。
来年もまた同じようなことをやるかどうかは、わからない。
9月26日(水)に、完走祝賀会オフ会を開催する予定なので、そこで今後については仲間と話し合いたいと思っている。
では、一旦胃袋は休憩!各自、腸内細菌の回復にいそしむように!解散!
(この項おわり)
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