
15:22
建物の前で記念撮影。
本当はせんとくんをおもちゃにしながら撮影したかったのだが、なにせ人通りの激しい往来だ。三脚立てて、セルフタイマー設定してなんてやってたら、とてもじゃないがふざけるゆとりなんてない。
写真のおかでんは、なにやらポーズをとっているようだが、実際は違う。セルフタイマーがおりるぎりぎりまでカメラの傍にいて、人通りのタイミングが悪ければ撮影を中断するべく身構えていたのだった。で、これはイケる、とわかればカメラの前に躍り出るので、その結果こんな格好になっている。
【40軒目】にほんばし島根館 (東京都中央区日本橋室町)
奈良のすぐ近くに、島根県がアンテナショップを出している。

15:23
「雨が降りそうだぞ、急ごう」
としぶちょおがせかす。店に入る前に、店の外観を撮影したのだが、急いでいたせいでピンぼけした。それくらい、急いでいたということだ。


15:31
島根の名産品って何だろう?カニ、しじみをはじめとした海産物は有名だけど、それ以外って何があったっけ?
結局購入したのは、これ。
「生姜糖」。來間屋生姜糖本舗のもの。創業三百余年、というから相当なものだ。
生姜糖とは、生姜の絞り汁を砂糖水と混ぜて固めたもの。素朴な味わいだ。
お茶請けとしてかじると、ほっとする。
でもわれわれ、お茶なんてないし、ここでほっとする気もないので、この生姜糖をガリガリとかじった。

15:23
生姜糖で甘くなった口を嘗め回し、さあ島根県満喫完了。
「やばい、雨が降ってきた」
夕立が降ってき始めたので、慌てて店頭で記念撮影。カメラが傾いてしまっているが、もうこの際ぜいたく言ってられない。急いでカメラを片付け、地下鉄の駅に逃げ込んだ。
残るはあと2つ!終わりが見えてきた!

16:01
残るは、秋葉原にある「大分」、そしてゴール地点にしている東京ソラマチの「栃木」。予想外に今日はさくさく進んだので、ソラマチではゆっくりできそうだ。これならば、空いていればスカイツリーのてっぺんに上がって、日本制圧!と快哉を叫ぶのもできるかもしれない。
というわけでわれわれアワレみ隊は、三越前から地下鉄で末広町に移動。大分県のお店を目指す。
正確に言うと、大分県にはアンテナショップがない。しかし、「無い」とばっさり切り捨てるのもあれなので、いろいろ調べた結果、秋葉原の「日本百貨店しょくひんかん」というところで大分の物産が扱われているということを突き止めた。仕方がないので、これをアンテナショップ代わりにすることにした。
しかしこのお店が見つからない見つからない。指示された住所に行ってみたが、それらしきお店が見当たらない。途方に暮れるわれわれ。
「ここ・・・じゃないよな」
と建物と建物の間の狭いところにもぐりこんでみたりもしたが、さすがにそんな秘密クラブみたいな場所にはあるまい。
そもそも「日本百貨店」ってなんだよ?住所を見ると、「CHABARA内」という記述がある。CHABBARAってなんだよ?
16:03
しばらく、スマホを確認したり歩いたりしているうちに、ようやくお店を見つけた。ああ、こんなところにこんな店が。全然知らなかった。ガード下にあるお店。

結局よくわからなかったんだが、「CHABARA」という商業施設の中に、「日本百貨店」という日本各地の名産品を集めたエリアがあるようで、その中に大分の商品が扱われてる、という位置づけらしい。
【41軒目】日本百貨店しょくひんかん(大分県) (東京都千代田区神田練塀町)

お店の中をうろつくわれわれ。
目指す大分県が見つからない。
そもそもここは「アンテナショップ」とは程遠い。見つからないし、もう大分はいいんじゃないか?とやる気を失いつつあったとき、見つけた。
捜し求めた大分県は、棚ひとつ分だった。
こじんまりと、商品が扱われていた。大分といえば最近唐揚げが熱いわけだが、そういうのを微塵も感じさせない、常温保存可能な商品のラインナップ。正直、これといってほしいものが見当たらない。
「えーと・・・」
大分県の前で立ち尽くしていたところ、しぶちょおが言った。
「これはアンテナショップじゃないだろ。これがアンテナショップだったら、デパ地下はどこもアンテナショップになるぞ」
確かに。われわれが巡っているのは、あくまでも「県を代表する、地元のプライドを賭けたアンテナショップ」だ。しかしここはそれとはほど遠い。これまでも、コンビニ内アンテナショップなどあったが、あれはそのお店ではオンリーワンの自治体だった。だがここでは、「その他大勢の都道府県のうちのひとつの陳列」に過ぎない。なんか、わくわくしないんである。
「いいか、ここは」
「いいだろ、大分にはアンテナショップがなかった、ってことで」
「そうだな」
というわけで、結局ここでは買い物はしなかった。よって、店頭でも記念撮影はなし、だ。
仕方がない。さあ、気持ちを入れ替えてゴール地点である東京ソラマチへと向かおう。

16:31
銀座線の末広町駅まで戻り、そこから浅草駅に行き、東武スカイツリーラインに乗って東京スカイツリーへ。
末広町駅に向かう途中、秋葉原の雑踏をかきわけることになった。昨日、竹下通りの雑踏を歩いたときと同様、しぶちょおが
「なんでこんなところを歩かないといかんのだ・・・」
と嘆息していた。人ごみは苦手。
この日の秋葉原は、特に人が多かった。東京ビッグサイトのコミケで激闘を制した猛者たちが、秋葉原に流れてきていたからだ。とても大きな、アニメ絵が描かれた紙袋を小脇に挟んで歩いている人があちこちにいる。
えーと、「いちごぱんつ」と大書きされている紙袋も、ここ秋葉原では「ファッション」として認知されるんでしょうか。
16:38
ひゃー。東京スカイツリーに到着したよー。

ここまで41都道府県。まさか2日間で巡ることができるとは思っていなかった。いや、正確に言うと「ぎりぎり間に合うくらいかな?」とは思っていたのだが、案外時間の余裕を持ちつつ到達することができた。
いいねえ、カタルシスだねえ。
ゴール地点として、東京スカイツリーはとてもふさわしい。
高まる気持ちを胸に、最後の県となった栃木県を目指す。
【42軒目】とちまるショップ 東京スカイツリータウン・ソラマチ店 (東京都墨田区押上)

16:46
開業してもうそれなりの時間が経つのに、それでもまだ全国各地、いや世界各地から人を集めてやまない東京ソラマチ。歩くのも難儀しながら、お店を探す。
栃木のアンテナショップは「とちまるショップ」という。栃木県のマスコットキャラクターの名前が「とちまるくん」というらしい。初めて知った。特技はかけっこだって。
逃げ足は相当速そうだ。
ソラマチの大混雑に便乗する形で、このとちまるショップも大賑わい。この地をアンテナショップの場所に設定した作戦は大成功だと思う。

16:53
「やっぱりこれだろう」
しぶちょおがまっすぐ向かって手に取ったのは、「関東・栃木レモン」。いわゆる「レモン牛乳」だ。栃木県のローカルフードとして、知る人ぞ知る存在。
牛乳にレモン風味がついている飲み物なのだが、レモン果汁が入っているわけではないのでレモン味というわけではない。なんだかちょっと変わった乳飲料。
42箇所のアンテナショップの最後を飾るにふさわしいかどうかはわからないが、最後の最後でドリンクを選んでいるあたり、猛暑の中の強行軍だったことを色濃く物語っている。

16:55
「うーん、僕も欲しい」
といって、おかでんもレモン牛乳を手に取った。せっかく買うなら、しぶちょおと別のものを、とも思ったが、栃木といえばレモン牛乳しかあるまい。この商品の姉妹品でコーヒーとかぶどうがあるのだが、それじゃ物足りない。
ととまるショップの前で、42回目の記念撮影。これにて、一応「東京居ながら全国制覇」完了!

17:28
最後、東京スカイツリーを見上げる形で最後の記念撮影。
全国制覇をした二人の顔がすがすがしい。どうもお疲れさまでした。さすがにこれは他の人に誇れるだろう。「全国を旅したよ!」って。何しろ、全国の名産品をそれぞれ食べまくったのだから。そういえば、全店舗「アワレみ隊お薦めの逸品」は食べ物だったな。モノというのがなかった。

17:36
愛知に帰るしぶちょおを見送り、企画は無事終了した。
ふと自分のポロシャツを見ると、リュックの形に沿って塩が浮き出ていた。それだけ汗をかいた、ということだ。まるで登山をした後のようだった。

2日で全国を旅する・・・簡単そうで、大変なことだ。まさに、激闘。アワレみ隊だからこそできた企画だったと思う。
次はどこだ?海外か?何でも来い。アワレみ隊は、目をつけたところにはどこへでも行きます。
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