草津二十番勝負【ミニ湯治強行軍】

翁の湯脱衣場。入って右側に浴室、正面になにやら二つの扉がある。昔のアドベンチャーゲームみたいだな、どちらか一つを開けると次に進めるけど、もう片方だといきなりバッドエンドになる、みたいな。

恐らく片方がトイレ、片方が清掃道具入れだと思う。

いちいちレポートしなくてもいいことだけどな、こんなこと。

翁の湯浴槽。

木の壁とコンクリートの壁の組合せ。これまでの浴槽でよく見られた「水色の塗装」はされていなかった。

ここも屋根を見ると比較的新しい木材が使われていた。少なくとも数年以内に改修されたものだろう。どこもそうなんだな。18も共同浴場があったら、草津町としてはそれぞれの改修費だけで結構な財政出動なんじゃないのか。

ひょっとしたら、草津には「宮大工」ならぬ「温泉大工」がいて、温泉湯屋独特の技法を脈々と受け継いでいる・・・なんてことがあったりして。でも、実在しても何ら不思議じゃないぞ。

脱衣所と浴室の仕切り壁には、双方から向こうが覗けるようなガラス窓があった。これは他の共同浴場でも何カ所か見かけたので、翁の湯に限った事ではない。

恐らく、入浴中に脱衣場から貴重品が盗まれる事件が多発したので、このような対策を打っているのだと思われる。地元民だけでなく、たくさんの観光客が訪れる地。中には悪い人だっていっぱい訪れるだろう。

脱衣所に鍵付きロッカーを設置するのも大げさな話だし、これが一番現実的な解なのだろう。

もっとも、一番手っ取り早いのは「浴室と脱衣所が一体化している」形。この後出てくる白旗の湯と地蔵湯はその形態をとっていたが、それ以外は草津の共同浴場では見あたらなかった。

昔の共同浴場は恐らく、浴室脱衣場一体型が主流だったはず。しかし、それが今ではほとんど残されていないのは、一体型が不評だったからだろう。これは推測の域を超えないが、「一体型だと、足下が濡れているのでソックス履けないじゃん」という意見が多かったのではないか。その結果、浴室脱衣場分離型スタイルが主流となった、と。そこまでは良かったが、今度は入浴中の人の目につかないということで盗難が発生。今更浴場の基本設計からやり直すのも大変なので、では浴室からも脱衣場が見えるようにしよう、ということで決着を見た・・・と。

浴室から脱衣場が見やすくする工夫はその他にもされていて、浴室と脱衣場を仕切っているサッシが全透明のものを使っている共同浴場も散見された。これはありそうで無い工夫。普通、この手のサッシは下半分はでこぼこに加工されていて向こうが見えないようになっているもんだ。それが、丸見え。これは結構新鮮な光景。これだと、湯船にどっぷり浸かっていても脱衣場を眺めることができる。

翁の湯から、スナックやバーが並ぶ小道を経由し、坂を下って西の河原通りへ。この小道、西の河原へ行く道中にある饅頭屋の勧誘がうっとおしい時に迂回路として使う事がある。

スナックなどはこれからの時間が稼ぎ時のはずだが、営業しているお店が少なく閑散としていた。大丈夫か、草津。

西の河原通りも、人通りはあまりない。靜かなもんだ。3連休の初日とは思えない。1カ月前の3連休に草津を訪れた時は人が多かったのだが・・・。

湯畑近くの温泉宿。このあたりにくると、中心地の辺縁にある小型の旅館と違って、規模と風情と金のかけかたが全然違ってくる。立派だ。

でも、今日一日草津を歩いてみて思ったが、「無理に湯畑近くに宿をとらなくてもいいな。」

おかでんの草津宿泊のイメージは、「高い。値段とサービス(含む料理)が一致していない」というものだった。しかし、よく考えてみればそれは草津の中心地にある宿に対してのものであったのかもしれない。ああ、こう書くと草津の中心地にある宿はダメと書いてるみたいだが、そうじゃない。立地条件が良いということはサービス業にとって最大の武器であり、それに見合った対価を請求しても良いと思うので、高くてもいいんじゃないスか。

話が逸れた。草津の宿が相対的によそと比べて高い印象を抱くが、ちょっと中心地から外れて値段が安い宿を選択するのも選択肢としてありだな、と認識を今回新たにした。地図上では湯畑から離れて見える宿でも、いざ歩いてみると案外近いもんだ。そして、各地に素晴らしい共同浴場があるので、宿の内湯は正直どうでもよろしい。昔の草津は「食べるところ、無いなあ」という印象があったが、今は夜でも飲食場所に不自由はしない。温泉街散策を楽しみながら、外食するという素泊まり戦法をとればなお安くつく。

ちなみに、おかでんがウーロン茶を買ったセブンイレブン(睦の湯近く)の隣には、素泊まり4,000円の宿があった。さすがにそこだと湯畑界隈までいくのに少々時間がかかるが、じゅうぶん徒歩圏内だ。草津での一泊が4,000円から楽しめるとなれば、これはお得だ。

どこの共同浴場だったかは忘れたが、地元の人が湯船でぼやいていた。

「最近のお客は金落としていかねぇんだよなあ。湯畑あたりには人がいっぱいいるけど、全然お金使わない。ちょっと買物して、それでおしまいよ。日帰り客も増えたもんなあ」。

このご時世、なかなか観光地にはお金を落とさなくなっているのは草津に限った話ではないと思う。潤うのは近隣のコンビニだったりする。観光地受難の時代。でも、それに甘んじていてはダメなわけで、生き残りをかけてあれこれ手を打たないと。草津のような大温泉地の場合、ハイクラスの宿から安宿まで、全ての客層に対応できる宿のラインナップとそのPRがまずは重要。それから、飲食店にしても「軽くつまめる安いもの」から「せっかくの観光だから優雅に食事を」と考えている人向けの高級志向の店までそろえること。貧乏人は金を落とさないから困る、と考えるのではなく、貧乏人には貧乏人なりに、金持ちは金持ちなりにお金を落として貰えるインフラ整備をしないと。出迎える側が客をえり好みしている時代はもう終わった。

その点、草津は頑張ってる気配はする。

湯畑脇にある、「熱の湯」。1日8回、湯もみショーを見ることができる(有料)。ここは熱の湯源泉という源泉なのだが、残念ながら熱の湯自体には浸かることができないので熱の湯源泉は未体験でおしまい。

昔はこの湯もみショー、もっと回数が少なかったはずだけどな。草津名物ということで回数を増やしたな。

一回目のショーが朝7時からで、二回目が7時半、三回目が10時・・・となっているのがとても面白い。温泉宿の場合、朝食が朝8時からの場合が多いので、それを配慮したスケジュールだ。三回目が10時なのは、当然のことながらチェックアウト時間を意識したものだ。そして、お昼はどどーっと空白期間となり、夕方からまた頻度高く開催される。今度は夜草津に宿泊する人向け、というわけだ。日帰りの人で湯もみショーを見たい人は要注意。

湯畑。草津を代表する観光スポット。草津の中心といって間違いない。草津到着から早6時間が経過しているが、ようやく湯畑さんにごあいさつ。どもども。これまでさんざん共同浴場でお世話になってきた「湯畑源泉」がまさにここだ。

湯畑はライトアップされており、夜の散策には最適。近くには足湯もあるので、カップルでライトアップされた湯畑をアホみたいに眺めるも良し。

ざっと見渡した限り、人は多いのだが、9月に訪れた時よりは少なかった。どうしたのだろう。

もっとも、この時間帯は宿泊客は宿の料理に舌鼓を打ち、大いに酔いしれている時間。今うろちょろしている人の多くは日帰り客だろう。

そういえば、喜美の湯だったかどこだったか、「今日はまだ空いてっけど明日は混むぞー」と言ってる地元の人がいたな。3連休の草津は2日目が混むのか?

[第08湯 白畑の湯(白旗源泉) 18:57]

湯畑の端にある共同浴場、白旗の湯。人通りが多い場所なので、入湯者が特に多い共同浴場。湯畑に面してはいるけど、源泉が違う。湯畑源泉が「酸性-硫酸塩・塩化物泉」なのに対し、白旗源泉は「酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉」となっている。白旗源泉の方がいろいろ混ざっていてお得感がある。いや、いろいろ入ってりゃいいってモンでもないんだろうけど、素人目でみると。

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