草津の共同浴場がどこにあるのかについては、こちらの地図を参照されたい。
車に戻り、次の目的地の確認と情報収集を行う。情報収集といったって、携帯電話経由でネットに繋ぐとパケット代がバカにならない。あらかじめローカルで保存しておいた情報の確認だ。
ゴソゴソと確認していたら、どうやら次の「睦の湯」へは裏道一直線でいけそうだということが確認できた。それと同時に、この共同浴場が15時以降は地元民専用サロンと化すこともわかった。ただいまの時刻、14時45分。やべぇ、急げ。
あわてて車の向きを変え、睦の湯へと向かう。道は真っ直ぐのはずなので、見過ごさなければ大丈夫なはずだ。
あれれ、正面にセブンイレブンの看板が見えてきたぞ。急に町中っぽいではないか。・・・と気を取られているそばで、睦の湯素通り。あー、あった。今通り過ぎたの、共同浴場だぞ。
狭い道なので路駐するスペースは無いに等しい。ならば、ということでセブンイレブンの駐車場にそのままぐさりと車を突っ込んだ。ちょうど喉がカラカラになってきたところだ。後でお茶を買うから15分駐車させてくれ。
[第03湯 睦の湯(万代鉱源泉) 14:49]
睦の湯周囲は閑静な住宅街。恐らくそのほとんどが温泉に関連した第三次産業を生業としていると思われる。だったら、今日みたいな三連休初日、しかもチェックイン時間が始まる15時頃なんて悠長に共同浴場に浸かっている地元民はいるまい。
・・・と思ったが、その考えは大いに甘いとこの後実感しました。日本は高齢化社会が進んでいる事を忘れちゃいかん。第一線を退いて時間に余裕がある人がいっぱいだ。だから、草津町のかき入れ時だろうがなんだろうが、共同浴場は地元民でにぎわっている次第。
どっちにせよ、15時までにはこのお風呂から出ないと約束違反だ。あくまでも「貰い湯」という立場で、地元の施設を使わせて貰っている以上、ルールはちゃんと守らないと。それ、急げ。
外観写真撮影もそこそこに、風呂に飛び込む。
ここもゆったりとした脱衣所を誇る共同浴場だ。
お年寄りの割合が多いので、こういう広い脱衣場はより一層必要となるだろう。狭いところで、縄抜け手品のようにモソモソやって脱いだりしていたら足を滑らすもとだ。しっかりと左右に余分の空間がある中で、心おきなくももひきをおろし、パンツを脱いだ方がよろしい。
ちなみに、全ての共同浴場でたくさんの高齢者を見かけたが、その100%が白のももひきを履いていた。防寒対策はばっちり、ということか。
張り紙が貼ってあり、午前9時~11時半が掃除、15時~21時が地元民専用時間とのこと。深夜の大声入浴は近所迷惑なので慎め、と書いてあるところをみると、原則24時間開放されているようだ。お湯が豊富な草津ならではできることだ。
ちなみに、各共同浴場にはお湯が出る蛇口があり、そこからどばどばと源泉が掛け流しになっている。で、その脇にはよく「故障の原因になるのでお湯を停めないでください」といった注意書きが張り出してあった。多分、熱いのを嫌う外来入浴者が、お湯を停めてしまうのだろう。しかし、ばんばんお湯は供給されているわけであり、蛇口を絞られてしまうとお湯の行き場所が無くなってしまい故障となるようだ。おそるべし、草津の湯量。塩素入れて、加水して、循環して、ろ過して、なんて涙ぐましい努力をしている温泉地とは大違いだ。
ここも高い屋根を誇っている。どこの共同浴場も立派だなあ。
男女の間仕切りの2.5倍くらいの高さまで屋根をぐぐーと持ち上げてあり、湯気は天井から外へと排出されるようになる。湯けむりで前が見えないということはない。
草津の場合、もし密閉空間で浴室の湿気が高かったらどうなるか。天井についた水滴がぽたーんと落ちてきて、上を向いて湯船に浸かっていた人の目に直撃、強酸性であるがために目がイテーっ、なんてことがあり得る。こういう立派な湯気抜きを作る必然性は、ある。
ただ、これを商売目的の温泉宿ではなく、地元民用の共同浴場で徹底しているところが草津の凄いところだ。恐らく草津町自体も、町民の福利厚生兼共同浴場巡りの観光地化ということでそれなりの助成金は出しているはずだ。とはいっても、費用の一部は確実に地元の方々の自腹。町の助成金ったって、しょせんは税金であり自腹の一種だ。にもかかわらずこれだけのものを作っちゃうんだから、すごい。
15時ちょうどに睦の湯を退出。ぎりぎり間に合った。
その後セブンイレブンで2Lのお茶を購入。駐車場でラッパ飲みした。どんどん水分補給して、どんどん汗をかこう。老廃物がたくさん出て、体の疲弊が少し楽になるかもしれないから。
温泉街中心地は密集して共同浴場がある。芋づる式に回り出したら、いくらでも先に進むことができてきりがない。さすがにそれはまずい。また、狭い路地や観光客が溢れている場所に突入することになるので、最寄りに車を乗り付けるのは無理。パーク&ライドならぬ、パーク&ウォークが原則となる。
とりあえず、セブンイレブン前にある国道をそのまま歩いていった先にある、「巽の湯」と「白嶺の湯」まで進んで、そこでいったん戻ってくる事にした。
地図を持たずに道を歩く。適当に地図を見ただけなので、正直記憶が曖昧。地味な共同浴場だったら、たとえのんびり歩きでも見過ごす可能性がある。
途中、地図看板があったので現在地確認。しかし、この手の地図っていつもそうなのだが、まず現在地がこの地図上のどこなのかがさっぱりわからないんだよな。しかも、東西南北すらわからない。そもそも、おかでんの頭の中では湯畑を中心とした地図でしか草津を理解していないので、草津の一部分だけを切り抜いた地図では理解の範疇を超えていた。しばらく吟味したが、結局時間の無駄とわかり断念。
まあいいや、巽の湯の前にはバス停があると地図には記されていたので、バス停を発見すれば間違いあるまい。
写真だとはっきりとわからないが、既に手がかさかさしてきた。強酸性の万代鉱源泉に3箇所立て続けに浸かってきたので、肌の脂質がとれてしまい、乾燥してしまったようだ。
肌が弱い人は、草津のお湯に浸かった後は必ず保湿クリームを塗っておく必要有りだな。風呂上がり直後は「うわぁ、肌がつるつるする!」なんて喜んでしまいがちだけど、うっかりそのままにしておくと肌が荒れる。
でもそれだけ肌を丸裸にするということだから、水虫やアトピーなどへの効果は実際てきめんだろう。
道ばたに、「このイスあげます。必要な方はもらってください」とかかれた紙が貼り付けられた椅子が置いてあった。結構しっかりした椅子なので、買うとなかなかなお値段はするだろう。
おかでんの首や肩が非常事態になっている原因の一つが、自宅のPC環境にある。ノートパソコンだし、コタツ程度の高さしかない低い机にPCを置いている。そのため、常に前屈みになってタイピングしていることになる。たちがわるいことに、自宅にはテレビがなく、PCがTVがわりになっている。そして、音楽プレーヤーでもある。つまり、自宅での余暇の過ごし方の大半はPCに依存しており、それは即ち前屈みの姿勢ということになるのだった。
椅子かぁ。あぐらをかいてPCに向かうより、椅子とテーブルがある状態の方がいいよな。
貰って帰ろうか・・・
アホな事を考えるな。こんなでかいもの、貰っても邪魔なだけだ。そもそもどうやって持って帰るんだ。やめとけ。
道中、建造中の建物があった。三連休だけど、工事の真っ最中。人が頻繁に出入りして作業をしていた。
入口が二つあるうえに、普通の民家とはちょっと違う雰囲気。入口から中をのぞき込んでみたら、どうやら脱衣場らしきものとその奥にもう一つ広いスペースが見えた。
共同浴場のようだ。
19番目の共同浴場を今作っている最中なのかもしれない。凄いな。
草津の町中には、写真のような地面埋め込み型の案内表示があって面白い。地形が複雑な草津ならではといえるし、儲かってますな草津町、ということも言える。
ただ、大変にこの表記は紛らわしい。これを見るとバスターミナルと大滝の湯は180度違う方向にあるかのように見えるが、実際はそういう位置関係ではない。主要道は中心街を取り囲むように作られているためだ。だから、バスターミナル経由で大滝の湯に行くことも可能。遠回りだけど。
あれ?正面に青色の道路標識が見えてきた。国道が右折しますよ、という案内だ。
・・・行き過ぎた。そこまで行ってはいけない。明らかに巽の湯は素通りしている。白嶺の湯はどうか?
慌てたところで、ちょうど目の前に不二旅館を発見。この不二旅館が、白嶺の湯への目印。ここから脇道に逸れたところにある、はず、だが。
なんだか普通の住宅街が広がっているんですけど。ほんとうにここであっているのだろうか。共同浴場の気配は感じられない。
あ!建物の陰に隠れるように、若干奥まったところに白嶺の湯発見。
ここは赤と青の暖簾が下がっていないので、より一層地味だ。
ということで
[第04湯 白嶺の湯(湯畑源泉) 15:28]
脱衣所。椅子が何脚も置いてあるのは高齢者対策だろうか。
白嶺の湯浴槽。
草津における共同浴場の多くは、この水色のコンクリ?を浴槽と壁面に使っていた。温泉成分に強い素材なのだろうか。
さて3つ続いた万代鉱源泉から、これからは湯畑源泉にチェンジ。源泉の違いを実感しようではないか。
・・・わからん。
郡司さんのような温泉通だと、「強い酸味、硫黄臭と観察した」などと細かく分析できるのだろう。でも、単なる温泉好きには違いがわからない。というより、既に3つも共同浴場をハシゴしており、肌がすっかり万代鉱に浸された状態。これで別の湯を判別せよといわれても難しい。
一点、気付いたのは湯畑源泉に浸かった時に限り肌がぴりぴりしたということだ。これはこの後別の湯畑源泉の共同浴場に行った時にも感じたし、別の源泉の時には感じなかった事だ。ただし、「湯畑源泉がぴりぴりする」という表現を使っている情報は見たことがないので、多分感じ方には個人差があるのだろう。
なんだか恒例になってまいりました、天井裏撮影。
ここも、外観からはそうは見えないくらいの高い天井を誇っていた。
使われている木材は比較的新しい。
ペットボトルをひっくり返し、底をくりぬいた状態にしたものが壁にくくりつけられてあった。そこにはうちわが何本も刺さっていた。
暑い夏にはちょうど良い。
壁に掲示されてあった注意書き。
それによると、火曜日、木曜日、土曜日の午前10時からが清掃時間になっているようだ。ちょっと変則的。終了時間の記載は無い・・・というか、塗りつぶされているので、よくわからない。多分午前中はNGだろう。
この掲示板、やたらと字が塗りつぶされている。書き直せばいいのに、と思うくらいだ。でも、板で作っちゃって壁に打ち付けてあるので、簡単にやり直すわけにもいかんのだろう。
「白嶺の湯維持のため経費がかかります」の後、4行に渡って黒塗りが続いている。塗りつぶされているためよく読めないのだが、300円とか一千円という文字がかろうじて読み取れるので、以前は費用徴収をしていたようだ。今はやめているようだが、その経費はどうなったんだろう。町からの助成金だろうか。
道が入り組んでいる草津だが、ここから先、湯畑の方へと下っていく道が真骨頂とも言える。
ちょうど白嶺の湯の前から、なにやら意味深な道が延びていた。まるで、廃線となった貨物引き込み線の跡地のようだ。この先はどこにつながっているのかとても興味を持ったが、そうやって気ままに散策しているときりがないので、調査は諦めた。
車まで戻る途中、再度巽の湯を探したが、想像通り「新設中」と思っていた建物が巽の湯だった。現在改装中、というわけだ。よく見ると、建物のちょうど真ん前にバス停もあった。見落としていた。
車に戻り、次の湯を検討する。
中心地から外れたところにある躑躅(つつじ)の湯に行こうと思ったが、調べてみると15時~21時は地元民専用時間だということが判明。現時点では入れない。
仕方がないので、躑躅の湯は後回しにして、中心地南側制覇を目指して千代の湯、喜美の湯の2湯を巡ることにした。
比較的近場で車が停められそうなのは、スーパーもくべえ。ここは草津で最大のスーパーだ。
以前、野反湖でキャンプをしたときもわざわざここまで買い出しに来た事がある。今回も、夕食の食材購入名目で停めさせてもらおう。
しかし、いざ到着してみたら駐車場は車でいっぱい。とてもじゃないが駐車できる状態ではなかった。たとえ若干の空きがあったとしても、「共同浴場ついでに買物もしますんで、ちょっと停めさせてください」と言えるほど厚顔無恥ではない。こりゃダメだわ。
駐車場には、他県ナンバーの車がずらり。草津にはリゾートマンションが結構あるので、その住人達がこの三連休に草津を訪れ、食材を購入しているのだろう。
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