激辛グルメ駅伝2017

激辛料理

3rd Roundで買い集めてきた料理一式。

相変わらず、テーブルが赤黒く染まる。一人二品ずつ買ってきているので、テーブルから零れ落ちそうだ。

本当に、中華料理屋のテーブルか、または回転寿司のレーンが欲しい。持ち運びできる、コンパクトなそういうモノは売っていないだろうか?このイベントのために、家から持参したい。心底そう思う。

乾杯を済ませたのち、「さあ、食べよう!」とみんなで食べ始めるのだが、当然一人ひとりが別々の料理を食べる。目の前の料理にとりあえず箸を伸ばす。で、「あっ、これはなかなか辛いですよ!?」と嬉しそうに報告する。

おお、今回は大収穫じゃないか、辛い料理が一杯あるぞ!と喜ぶ。しかし、案の定食べ進めていくうちに辛さに耐性ができてくるので、最初の一口目に感じた「新鮮な辛さ」は失われてしまう。

「えー、これ全然辛くないよ?」
「おかしいなあ、最初に食べたときは辛いと思ったのに」

という会話があちこちで発生した。

激辛料理

陳家私菜
皇帝口水鶏(本場四川やみつきよだれ鶏) 地獄辛

「地獄辛」でも「やみつき」になるのだろうか?

辣油でひたひたの鶏肉。油は極力控えています、という人からすると「うわあ、これはちょっと・・・」と絶句する料理だと思うが、こういうジャンクな食べ物を堂々と出すのが中華料理の魅力だ。「だって、油まみれの料理ってうまいだろ?」と言われると、「ハイ、僕もそう思います!」と答えざるをえない。

ご飯にオンして食べても良いし、酒のツマミとしても良い食べ物だ。しかし恐るべきは中華料理の世界よ。この料理が「冷菜」のカテゴリーに入っていて、前菜の位置づけで食べるからだ。日本料理における「お通し」だの「八寸」といった世界とは全然違う。

激辛料理

宇都宮餃子館
激辛餃子 超辛

激辛餃子はすでに赤い。案の定、ロシアンルーレット向けではない。なぜ生地が赤いのかは、よくわからなかった。中の唐辛子成分が透けて見えている、というわけではなさそうだ。生地にも唐辛子を練り込んでいるのだろうか?

自分で食べておきながら「だろうか?」なんていい加減な表現になっているのは、あんまり覚えていないからだ。ポイ、と口にほおりこんで、モグモグ食べておしまい。何しろ、大人数でのシェアだ。一人一個の味見なので、印象に残りにくい。

超辛だったかというと、そういう印象はなかった。「食べやすい料理」というのは、相対的に辛さを感じにくいものだな。食べにくい料理のほうが、口の中でモグモグやっている間に辛さが充満してきて、イテテテ・・・となる。

激辛料理

アジアンタワン168
激辛パッタイ 激辛

パッタイ、というのは案外激辛の世界では伏兵だと思う。見た目以上に辛くなる。

というのも、米の麺という性質上、スープをよく吸う。なので、麺そのものが激辛たれを吸収して辛くなる。あと、モチモチしているので、よく噛んでから食べることになる。そのため、噛んでいるうちにビリビリ口が痛くなってくる。

激辛料理

ヴェトナム・アリス
揚げ春巻 小辛

これは完全に「箸休め」。お店としても、箸休めメニューとして用意しているもので、辛さの選択は「小辛」しか存在しない。

たぶん、辛いのはタレの部分なのだろう。タレにつけずに、春巻だけを食べたら、全然辛くないはず。

激辛料理

下北沢 天華
沸騰牛肉の山椒煮込み 激辛

さあ、本日のメインイベント。天華の沸騰牛肉の山椒煮込み。

あれっ、想像していたものと違う。

「食べる辣油」みたいになってる。

イメージしていたのは、もっとジュワーッと!勢いよく!バーンと!煮えたぎっているイメージだったんだけど。

「無茶言わないでください、買ってからもう随分時間が経ってます」

そりゃそうか。

パンフレットや看板に使われている写真だと、まさにグツグツ油が煮えたぎっている状態なので、ついそのイメージで考えていた。「まるで地獄のようだ」とまで思っていたのだけど。

地獄も時間が経てば、普通の見た目。・・・いや、普通じゃないぞ?これ、スープじゃないからな?水分っぽく見えているのは、全部油だからな?

いずれにせよ、見た目は唐辛子に覆い尽くされている料理。これが辛くないはずがない。恐る恐る、箸を伸ばして食べてみる。

あれ?中から何か出てきた。あ、牛肉か。

今頃になって、この料理は牛肉料理だったということに気がついた。

味は、写真で見たインパクトとは真逆の、普通に美味しい料理。イロモノ料理と思わせておいて、ちゃんとおいしいぞ。

「普通においしい」とか「ちゃんとおいしい」とさっきから失礼な表現を使っているけど、それくらいこの料理に対する悪ノリに恐怖半分、期待半分だったわけで。

「普通だね」

とみんな、若干拍子抜けたした顔でコメントする。もっとやばいやつを想像していただけに、物足りなさを感じてしまったようだ。

「牛肉が甘く感じる」

ほら出た!例のごとく、辛いものに味覚が慣れてくると、素材の甘みに対するセンサーが強く働くようになる。

激辛料理

下北沢 天華
本場四川の麻婆豆腐 激辛

そんなわけで、麻婆豆腐なんて、典型的な「豆腐と挽肉が甘いねぇ」と評される料理になる。これはこれで、ご覧の通りのヤバい辛さなはずなのだけど、もう今となっては全員が無敵モードになってしまっている。

激辛料理

四川担担麺 阿吽
白ごまつゆ無し坦坦麺 辛さ不明

汁なし麺なので、時間が経つと麺がダマになるので注意。「ちょこっと味見」程度に麺に箸を伸ばすと、塊でごそっとついてくる。ええい、そんなにはいらん!やめろやめろ。

激辛料理

ホルモン焼き 幸永
ユッケジャン麺 MAX+カプサイシンソース追加

本日のダークホース。

「あっ、辛い!」

油断して食べた人が、驚きを隠せない。どれどれ、そんな馬鹿な、と後追いした人も、その辛さにびっくりしている。ミイラ取りがミイラになる、という動作をしばらく全員でローテーション。それくらい、辛い。

なんだこりゃ?韓国料理でそんなに辛くなるのか?・・・と買ってきた僕自身が驚いたのだけど、ふと思い当たった。ああそうだ、追加でカプサイシンソースを追加してもらったんだった。それだ!

カプサイシンソース、恐るべし。

このソース、味そのものはあまりないと思う。ただひたすら、辛さだけを増強している印象。生粋の殺戮戦士といった感じ。

この辛さを知ると、唐辛子から抽出された辛さっていうのは「唐辛子味」なんだな、って気づく。カプサイシンは、純粋に「辛い」。とげとげしさを感じる。

「おおっと、1st Roundでトッポギが激辛区間賞を受賞したけど、今回もまさか韓国料理が?」

がぜん面白くなってきた。韓国料理は辛い料理という定評はあるものの、「激辛の極み」だとは思ってこなかった。それが今回、カプサイシンソースというドーピングがあったものの、激辛のど真ん中に飛び出てきた。

激辛料理

ヴェトナム・アリス
ブンリュウフォー(トマトとカニのフォー) 激辛

器とか、見た目がユッケジャン麺に似ているので、ときどき間違えて食べる料理。

「辛いユッケジャン麺だぞ」と思って食べたら案外辛くなくて拍子抜けになったり、逆にブンリュウフォーだと思って食べてみたら、ユッケジャン麺でビックリするとか。

激辛料理

スペインクラブ
情熱の激辛パエリア 激辛

ご飯もの、というのはシェアがしづらい形態だ。なので、こういうイベントの際にはなかなか頼みづらい。しかし、こうやって一つくらい、ポンとラインナップに加わっていると、楽しいものだ。

味?いや、全然辛くなかったというイメージしか。

激辛料理

赤い壺
壺のプルコギ 鬼辛

「鬼辛」という名ではあるけれど、僕は全然辛く感じなかった。

のっちょさんが言う。

「いや、最初にこれを食べた時は辛いな!って思ったんですよ。目の前にある料理だったので。でも、後でもう一度食べてみると、そんなに辛くないなって」

逆に僕の場合、このプルコギはテーブルで一番遠い場所にある料理だった。なので全部の料理のなかで、一番最後に箸を伸ばした。そうなると、すっかり「辛さ耐性」ができている僕にとっては、「辛いどころか、甘いじゃないか!」という印象になる。

一方、僕が最初に箸を伸ばしたパッタイ。僕は「それなりに辛いぞ!」とワクワクしたのだkど、のっちょさんは最後の方に食べている。

「辛いとは思わなかったですね」

とあっさり。このように、食べる順番で全く印象が変わってしまうのだった。

激辛料理

ホルモン焼 幸永
ホルモンMIX MAX

人数が多いので、一人一切れくらいの割り当て。

飲み込むまでに何度も噛まないといけない料理なので、辛さが伝わるはずなのだけど、どうだったっけ?

宴会の席は大盛り上がり。辛いだの辛くないだの、味の評価だけでなく「痛い!口が痛い!」と自分の体調をレポートしたり。本当に楽しいひとときだ。しかし、その結果、料理の純粋な評価なんてそっちのけだ。

かき氷屋台

「大して辛くない」とか個々の料理を評価していても、食べ続けているうちに胃袋が熱くなる、口が痛くなる、唇がシビレてくる。

それは、食べて終わってしばらく経っても続いた。あ、案外体のダメージって受けているんだな!と驚かされる。

そうだ、最後の最後、「激辛グルメ駅伝完走おめでとう記念」というこもあるし、唯一未訪問のお店、かき氷屋台のお世話になろう。

三週間、激辛にさらされてきた消化器官をこれで嫌そう。

かき氷

かき氷、ミルクヨーグルト味。

当たり前だけど、これは辛くない。

一口食べてみて、「うわあ!」と声を出してしまった。ミルク、といっても練乳が使われているらしい。ねっとりと、甘い。しかもかなり強烈に甘い。

で、その甘さが、これまで口を支配してきた辛さと痛みを、すーっと霧消してくれるのだった。この掌返しにはびっくりした。

「食べてみて!これ、食べてみて!」

もう帰りそうになっているみんなを呼び止め、食べてもらう。そして、予想通りみんな「うわあ!」と声をあげた。それだけ、コイツの辛さ消し効果はすごい、ということだ。

辛さをごまかすには、水を飲むよりも練乳を舐めるに限るな。

さて、冷静に戻ったところで、今回の激辛グルメ駅伝を振り返ってみる。どれが一番辛かったか?ということだが、やはり2nd Roundの「サフランの世界一辛いカレー」だろう、ということになった。今回のユッケジャン麺も素晴らしい辛さだったけど、世界一辛いカレーの方がダメージが大きかった、という意見となった。

おめでとう、サフラン。

いや、特に何も賞とかないし、名誉もなにもないけど。何しろ僕ら、辛さの評価なんて料理を食べる順番でコロコロ変わってるし。何の正当性も権威もない。

それはともかく、3週連続で激辛料理を食べ続ける、というのはとても面白い経験だった。一人だけで食べ続けるのもストイックで楽しいけど、みんなできゃあきゃあ言いながら食べる、というのも楽しいものだ。

3週連続で参加し、駅伝を突っ走った2名には感謝だし、それぞれのRoundの単発参加で、見事に激辛グルメを堪能してくださった多くの皆さんにも感謝感謝。

来年もまた、8月になったら同じフォーマットで開催したい。

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