今年もまた、「激辛グルメ祭り」の季節がやってきた。8月末から約1ヶ月間の会期で、今年が5年目。当初は、「1度限りのイベントではないか?2度目の開催はあるのか?」なんてやきもきしたものだが、今となってはそれは杞憂で、当たり前のように毎年開催されるようになってきている。
1週間限りのイベントだったのが今や期間中に3つの会期に区切り、お店を入れ替えるという大規模っぷりになっている。一昨年からは、「ガーリックパラダイス」という兄弟イベントも激辛直後に開催されるようになり、儲かってるっぷり感が伺える。
場所は毎年、歌舞伎町の奥地にある「新宿大久保公園」。大人気だからといって、駒沢公園とか代々木公園、日比谷公園といった大きな場所に移ろうとせず、ひたすらこの地で行っている。新宿駅からも、大久保/新大久保駅からも歩いてかなり遠い場所だけど、サイズ感がちょうど良いのだろう。あと、長丁場場所を借りることができる、という融通の良さもこの地に根付いている理由なのだと思う。
過去3年、何故か一人で義務感を持って、「全店舗制覇!」と息巻いていた。一体どれだけこの公園に通いつめたことだろう?一体どれだけのお金を「激辛(自称激辛含む)」につぎ込んだだろう?
そんな自分にハッと我に返った、というか、辛いものを体があまり必要なくなったというか、昨年2016年は1回だけ、仲間とワイワイ言いながらの訪問となった。
楽しかったけど、「全店舗制覇!」を心がけていた頃と比べると、ストイックさに欠けてカタルシスは足りなかった印象だった。
もちろん、「辛いものを食べてカタルシスを得る」だなんて、倒錯した変態趣味だ。そんな苦労をわざわざする必要はない。まあ、ないからこそ、2016年は「仲間でワイワイ」だったんだろう。ちょうどこの年は精神面で安定していて、辛いものでストレス発散をする必然性がなかった。
しかし時は流れて2017年・今年。
そろそろ辛いものをガツン!といってもいいんじゃないか?と思えてきた。というのも、この年の6月に、久々に「辛いものを食べるオフ会」としてシリーズ化している「スパイシーナイツ」を開催したからだ。
ここであらためて、「ああ、辛いものっていいな。」と思った。
じゃあこうしよう。昨年の「みんなでワイワイ、辛いものを囲んで食べる」というのはとても楽しかったので今年もやりたい。でも、昔やっていた「全店舗制覇!」というエキサイティングなこともやりたい。そのどっちも、実現させようじゃないか!と。
そんなわけで企画したのが「激辛グルメ駅伝」だった。
2017年の「激辛グルメ祭り」はほぼ一週間単位で、1stRound、2ndRound,3rdRoundと3会期に区切られている。一部重複店舗があるものの、ほとんどのお店は入れ替えになる。なので、「毎週水曜日の夜は激辛ナイト」ということにして、1st、2nd、3rdすべての店舗を食べてしまおう!ということにした。「全メニュー」は当然無理なので、あくまでも「全店舗」だ。
オフ会形式にして、毎回ワイワイとやる。しかし、「単発参加」の方もいるだろうし、「フル参加」の方もいるだろう。いずれにせよ、次のRoundにタスキを渡していけるよう、それぞれの回でしっかり激辛を堪能していこうぜ、ということにした。実際にタスキを渡すわけじゃないけど、気分的に。辛さという「つらさ」を乗り切り、乗り越え、次の世代に繋いでいこう!というわけだ。
どうせ誰も来やしないだろう、とタカをくくり、オフ会としてこのサイトに募集をかけた他、職場の同僚や知人の知人まで幅を広げて声をかけていたら、案外あちこちから反響を貰った。隠れ激辛好き、というのは多いということをこの時、知った。特に女性からの反響がある。
「どれだけ辛いのだろう?」というワクワク感と恐怖感、イベントとしての非日常感、さらには「インスタ映え」というヤツの複合系なのだろうと思っていたが、それだけでなく本当に辛いものを好む女性は多いようだ。むしろ男性の方は、「激辛」と聞くと腰が引けてしまう人が多かった。
毎週水曜日、新宿歌舞伎町で会いましょう。これから3週間、同じ日の同じ時間に、同じ場所に行くというのはなんだか不思議な感覚になる。でも、体調管理に気をつけて頑張ろう。
2017年8月23日(水) 1st Round
参加者:ぷんきち、せん、のっちょ、おーま、おかでん(5名)
激辛グルメ祭り2017、参上。
開催初日の訪問だ。1st Roundは今日8月23日からスタートし、27日まで5日間の会期となる。店舗入れ替えのために1日お休みがあって、29日から2nd Round・・・と続いていく。
人体における激辛耐性というのは、そういう料理を食べつけていないと落ちていくものだ。いくら「辛いものは得意です!」と自負していても、半年くらいブランクが空くと、「あれっ、案外しんどいな・・・」と大苦戦する羽目になる。
さて、自分はどうだろうか?
激辛グルメ祭りの看板を前に、身が引き締まる思いがする。お店の料理はどこまで辛いのか?そして自分自身はどこまで辛さに耐性があるのか?食べてみないと、わからない。
会場となっている新宿大久保公園内部。
昨年とレイアウトは一緒だ。経験を積むに従って、うまく客をさばけるノウハウが溜まってきたのだろう。
席は、立ち席と座ることができる席、両方ある。ただし、座る席は早々に埋まってしまうので、早めに来場しないと確保はできない。
今回、イベント初日に訪問し、平日なのに19時集合!とサラリーマンには酷な時間設定にしたのは、混雑を嫌ってのことだ。毎年人気のイベントなので、とにかく混む。席もさることながら、お店に長蛇の列ができるのが面倒くさい。だから、「激辛グルメ祭りっていうイベントがやっているらしいよ」という噂が巷に出回る前に、とにかく訪問しちゃおう、という計画だ。
ほら、案の定場内のあちこちで、マスコミ各社が取材をしている。激辛料理というのはテレビ的に「おいしい」ので、こぞってテレビカメラを抱えてやってきている。多分明日の朝のワイドショーあたりで大々的に報じられ、明日夜からは大混雑となるのだろう。
オフ会を平日夜にやったためしはない。いつも、土曜日開催だ。そのほうが人が集まるだろう、と思っているからだけど、今回ばかりは3回とも平日にしている。週末にこの会場を訪れようだなんて、「行列を楽しみたい」という奇特な人以外にはおすすめできない。
おっと。今年はこんなパネルも用意されているのだな。
最近は本当にあちこちのイベントで、この手の「SNSで拡散してね!」というネタが用意されている。ここで記念撮影をしてSNSに投稿してくれれば、それが最高の広告になってくれる。主催者としてこんなにありがたいことはない。
ビジネスでは「WIN-WIN」という言葉がよく使われ、それはえてして口ばっかりの胡散臭いインチキパワーワードだったりするのだが、この「SNS映えするツール」に関しては、確実にWIN-WINだと思う。
さて、お店を見ていこう。
昔は、丁寧に各店舗のメニューを書き起こしていたけど、今回は勘弁して。すっげえ手間がかかるから。写真から読み取ってください。
激辛グルメ祭りの雄、「蒙古タンメン中本」。第一回目からフル出場して5年目、今年も当然出店している。しかし、過去4回はすべてのRoundに出店するという特別待遇だったのだけど、今回は1st Roundだけの出店にとどまっている。
この日見る限りでは、もっとも長い行列ができていたお店だ。
この手のイベント屋台は、「行列が長い=人気店」とは限らない。店員さんの手際の良し悪しが関係するし、手間がかかる調理法である場合もあるからだ。
とはいえ、百戦錬磨の蒙古タンメン中本、手際が悪いわけがない。人員配置も潤沢だ。なので、本当に人気店なのだろう。
チェンマイ食堂 マイホーム
激辛グルメ祭りにおいて、タイ、インド、四川、韓国というのは激辛料理を提供するお国として定番だ。同じ会期中に、同じ国の料理を扱うお店が複数出店していることもザラだ。逆に、それだけ「激辛な料理を食べる国」といのは世界でも限定的だということだ。
アフリカなんて巨大な大陸なのに、激辛料理を食べる国というのは存在しないのだろうか?
モンゴリアン・チャイニーズBAO
モンゴル料理を出すのか中華料理を出すのか、どっちなんだろう?と思わせる店名。でも、「モンゴル」という概念はこのイベントでは初登場なので楽しみだ。モンゴルらしく、「羊の塩茹で」なんてメニューもある。これは魅力!
残念ながら「羊の塩茹で」は「小辛」しかなく、激辛料理ではない。それでも注文したくなる。それもこれも、僕が羊肉を愛してやまないからだ。
そんな期待感大なお店だったが、なんでか営業を中止してしまった。うっかり発注をミスって、食材が届かなかったのだろうか?それとも、調理機材の不具合だろうか?
結局、「全店舗制覇」を目論む我々を前に、このお店だけは不戦敗となった。3シーズン27店舗食べ歩き、を目標にしていたが、その結果「26店舗」が目標となった。
【後注】この日会場に訪れた方から連絡をいただきました。品切れにより営業終了となったそうです。なんてこったい。
エチオピア
神田にある、「70倍カレー」でおなじみのカレー有名店。過去何度も出店している、おなじみのお店だ。
次週2nd Roundで、池袋「サフラン」が「世界一辛いカレー」を出店する。70倍とどっちが辛いのか、辛いカレー対決ができそうで楽しみだ。
かき氷屋台
毎年、一服の清涼剤として機能するかき氷。
そういえば昨年は、フライドポテトが売られていた。辛いものをポテトで緩和せよ、ということだったのだけど、今年はそのお店はなかった。売れ行きが良くなかったのか、何があったのか。
ノーマルのかき氷は500円だけど、「お酒入り」を選ぶと+100円。お酒入りのかき氷か!女の子を酔わせるのにどうぞ、ということか?それは冗談としても、フローズンダイキリ的な楽しみ方ができそうだ。
バインセオサイゴン
その名の通り、バインセオをメインに据えるお店。今回参加しているのっちょさんが、「ぜひこれは食べたい」と息巻いてやまない。先日ベトナム旅行に行ったそうだが、その際にバインセオを食べ損なったから、らしい。ベトナムの仇を日本で討つ。しかも激辛で。
ちなみにベトナム料理には「激辛」という概念は乏しいので、「辛いバインセオ」というのは日本オリジナルの発想だと思う。
バーンリムパー
今回2店舗目となるタイ料理店。
代々木公園で行われる「タイフェスティバル」に行ってみればよくわかるけど、タイ料理の飲食店屋台といえば「ガパオ」「パッタイ」「トムヤムヌードル」というのがド定番で、本当にあちこちで売られている。で、この店はそのド定番をそのまんま売っている度胸の良さだ。
辛ちゃん
韓国料理店。名前からして「辛いぞ!」と宣言していて、大変に潔い。
FONDA DE LA MADRUGADA
激辛の世界ではちょっとめずらしい、メキシコ料理の店。
多くの激辛料理がアジア系の国のものなので、メキシコのような全然食文化が違うところからの参戦は大歓迎だ。
京華樓
食券売り場のすぐ隣、正面入口からもっとも近い「一等地」にお店を構えていたのが京華樓。麻婆豆腐が売りだけど、今週以外にも麻婆豆腐を出すお店はいくつもある。全期間の全店舗を食べることを前提とした我々にとっては、いつ・どこで・何を頼むかというのはちょっとした戦略が必要だ。
麻婆豆腐はこの週に食べるだろうから、今回は敢えて麻婆豆腐は外して別の料理を・・・なんて考えたりする。
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