
11:29
駐車場入口のところにある大きな三角屋根。昨日、この地に到着したとき、真っ先に気になった建物だ。
「深林資料館」と書いてある。入館無料。

11:31
中には、このあたりの林業に関する資料や機材の展示がいろいろあった。
子供が見ても大して面白くないとは思うが、我々だったら十分に楽しめた。
木曽五木が並んでいて、それぞれがどう違うのか、見比べる。
「よし、せっかくここまで来たんだ、今回はヒノキとその他の木の違いをちゃんと覚えて帰るぞ」
勢いこんで5種類の木を見比べたけど、結局何一つ身につかなかった。肝心のヒノキの特徴さえ、よくわからない有様。いやー、植物って難しい。

11:46
国産に限らず、様々な木材を一同に展示したパネル。
それぞれ特徴があって面白い。
「部屋のインテリアに使うとしたら、どの木材が好み?たとえば、リビングのテーブルとか」
「えー、これだけ見てもよくわからないですねぇ」
出題した自分も、よくわからなくなった。こういうパネルで見せられても、「おっ、これはいいね、じゃあこれで机を作って!」なんてとても言えない。全く完成品のイメージがつかないからだ。
結局、
「あ、この材質、名前は聞いたことがある!」
「これも結構よく見かけますね」
なんていう、「これは知ってる・知らない」を言い合うだけの場になってしまった。

11:51
深林資料館を出て、駐車場を横切ったところに「御岳百草丸」ののぼりを掲げるお店がある。お土産物を売る売店だ。
昨日はここで「日野百草丸」というのぼりを見かけた記憶がある。どうやらこの界隈、「ナントカ百草丸」という名前が付く薬が何種類か存在するらしい。
お土産は明日、出発前に買うとしても、ひとまず今日は下見ということで物色しよう。まさか高額なものを買うことはないと思うけど、場合によっては一日置いてよく考えないといけないような買い物をするかもしれないし。

11:52
店内はさすが、ヒノキ尽くしの商品ラインナップ。
そりゃそうだな、ここでクッキーとかキティちゃんなどのグッズが売られていたら、おかしい。そんなごちゃごちゃしたものを売らないで、ヒノキで勝負をかける、というのは大変に潔い。
目の前にある青い袋は、ヒノキのチップが詰められたポプリのようなもの。これを室内においておけば、フィトンチッド部屋にできる。いいな、これ!ちょっと心動かされる。
なんだ、「孫の手」のようなものしか売っていないのかと思っていたけど、なかなかやるじゃないか。ヒノキだと、モノ以外にも「香り」という観点からも売り物になるから素晴らしい。

お椀とか皿とかわっぱとか、いろいろなヒノキ製品も売っています。
ヒノキの油も売られていた。目薬程度の小さな容器に入っていて、お値段が1,100円だったか、1,200円だったかとかなり高い。しかし、1滴垂らしてもらい、その匂いを嗅いでびっくりした。オウ、フィトンチッド!
「ほのかな香り」なんてレベルじゃない。かなり強い香りだ。樹液なので、くどい匂いでもある。でも、これが薄まるとちょうどいいフィトンチッドになると思う。(フィトンチッドって言いたいもんだから、何度となく連呼してます、フィトンチッド)
肌に付けてもいいし、ハンカチや枕カバーに少々垂らしてもいいだろう。お店のおばちゃんいわく、「風呂に数滴垂らしてもいい」のだという。それはいい、自宅で檜風呂感覚!
明日買うことにして、いったんここは引き上げる。

12:10
森林鉄道乗り場の近くに、大きな建物が建っている。
ここは、軽食とお土産物を売っている売店だった。もちろん、様子を見に行く。

ほう?オオヤマレンゲソフトクリーム、というのがあるぞ。
6月下旬に赤沢の周辺に咲く白い花なのだそうだ。
季節感が全然違うけど、ソフトクリームだし、あんまり気にすることじゃないだろう。

ちょっとめずらしい提案なので、我々はこぞってその提案を受けることにした。
オオヤマレンゲソフトクリーム、ください。

オオヤマレンゲの写真。

12:08
オオヤマレンゲソフトクリームを食べる。
味はどうだったっけ?記憶に残っていない。そんなに特徴的な味ではなかったような気がする。
というのも、先程から遠近法を使い、「超巨大なソフトクリームを食べるしぶちょお」の写真を撮影しようと必死だったからだ。味わうどころじゃなかった。
「何をやってるんだ、何を」
しぶちょおが呆れた声をあげる。

12:12
テラス席でソフトクリームを食べる一同。
ここでもしぶちょおは「躍動感ある記念撮影」を志向している。
「店員さん、追加オーダーいいですか?」
ポーズに見えるけど。

「うーむ」
先程からばばろあが唸っている。
壁に貼られたメニューの短冊を見ながら。
こういう時のばばろあは、何か甘いものを食べたい時と相場が決まっている。

12:15
しばらくしてばばろあは、みたらし団子を買ってきた。案の定だ。
「もう、ここで昼飯にしちゃうか?本格的にバーベキューを食べるほど腹が減ってるわけでもないし」
「そうだなあ、そうするか」
ばばろあの団子を皮切りに、ここで昼飯ということに決まった。
そうなると気になるのがメニューだ。何やら、メニューの中に「かき揚げ」というのがあるぞ?
「なんだろう、あの『かき揚げ』というのは?うどんや蕎麦の上にトッピングするための、単品メニューなのだろうか?」
「たぶんそうだと思うけど、天ぷらそばはメニューとして存在するんだよな。何か特殊なかき揚げか?」
疑問に思ったら頼んでみよう食べてみよう。

奥にあには、ビールの自販機が設置されていた。おっ!しかも、ノンアルコールビールも売られているではないか。
こりゃあもう、頼むしかあるまい!深林散策の後だし!

12:27
というわけで僕のお昼ごはん。なんだか無茶苦茶な構成だ。
かき揚げ、きのこ汁、そして絶品カレーパン。
かき揚げは、みたまんま普通のかき揚げだった。山ならでは、というわけでもなく、海老さんがコンニチはしていらっしゃる。
あと、カレーパンはどうやら自慢の品らしく、「絶品」を標榜している。コッペパンのような細長い形で、食べてみるとモチモチしていた。もっとザクザク、殺伐とした食感のカレーパンの方が僕は好きだ。これはちょっとお上品な感じ。確かにカレーは本格的な印象はあるけれど。

おでんを頼んでいる人もいた。

12:44
僕がノンアルコールビールを飲んでいることの罪滅ぼしとして、ばばろあとひびさんにビールを振る舞う。それであらためて乾杯をして、気勢を上げる。
ばばろあは「何かつまみになるもんがいるな」と独り言をいい、しばらくして戻ってきたらフライドポテトを手にしていた。フライドポテト!やるなぁ。こんな小鉢に入ったフライドポテトは初めて見た。
(つづく)
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