フィトンチッドでいこう【赤沢自然休養林】

大木

さわらの大樹があった。

周囲にあるさわらと比べて、これは一回りも二回りも大きい。

しぶちょおが抱きついてみたけど、当然一人では無理。

ヒノキを抱きかかえる

「よし、こうなったらアワレみ隊の総力戦だ」

しぶちょおに連結する形で、ばばろあ、ひびさんが手を繋いでさわらの大樹に取り付いた。さて、僕も・・・と思ったら、

「3人で間に合ったぞ」

の声。えっ、四人で力を合わせて、じゃなかったの?

カメラを持ったまま立ち尽くしてしまう。そこまで大きくはなかったということか。

分厚い皮

それにしてもこの皮の分厚いことよ。なんだこりゃ。

皮そのものにも年輪があるんじゃないか、というくらい立派な厚みを誇っている。

森林鉄道

ゴトゴト音がするな、と思ったら、森林鉄道が目の前を通り過ぎていった。どうやら我々のトレイルルートはそろそろ終わりらしい。そして、赤沢に滞在する時間もそろそろ終わりだ。

売店

11:08
駐車場に戻ってきた。

赤沢を退却する前に、木工品のお土産物屋に立ち寄って、何か買って帰ろう。

店頭には、枝がついたままの木の棒がぶら下がっていた。これも売り物だろうか?帽子とか、ちょっとした上着をひっかける用には使えると思うが、まずこういう木の枝をどうやって家で吊るすかが問題だ。

フィトンチッドの時間をコンクリートジャングルの真っ只中にある我が家でも・・・。なにかいいものがあったら、買って帰ろう。

と思ったら、早速ばばろあが店頭のある商品に釘付けになっている。

ヒノキの板。

板?

ドラゴンクエストで、早い段階で勇者が手にするチープな武器として「ひのきのぼう」というのがあるけれど、ヒノキの板なんてどうするんだよ。あ、これ、まな板なのか。

いや、冗談だろうまな板を買うだなんて。お前、山口県在住だよな?

そもそもヒノキのまな板だなんて、寿司職人の世界だ。いい趣味してると思う、友達ながら。

ばばろあは、ビンテージの腕時計を衝動買いしたり、骨董品を買ったり、なかなかいい趣味をしている。しかしまな板を衝動買いする男だとは思っていなかった。彼は僕の想像の上を行く男だ。

横にいるしぶちょおも、「良い買い物ではないか」とばばろあの購買欲に肯定的だ。というのも、めっぽう分厚い板だからだ。まな板用途でなかったとしても、これだけの木材は値段が高いぞ、ということだ。

店頭にいた、材木屋さん?のおっちゃんに値段を聞いたら、「そうだなあ、まけて5,000円だな」と言う。どうやら、値段は言い値らしい。商品には値札が付いていない。

わっぱ

その気配を察したばばろあ、すかさず店内に入っていく。

ばばろあがわっぱを手に取る。サイズは小さめだけど、お弁当箱に使うには楽しいサイズだ。塗りも施されているということもあって、1個3,000円くらいする。

「これ2つ買いますから、まな板とあわせて7,500円にしてください」

えええ。すげえなばばろあ。即断即決で結構な額の買い物をしようとしている。しかも、数千円の値引きを堂々と要求。ここは日本なのに。

店頭の旦那、「まいったなあ」と苦笑しながら、ちょっと考えた末にオッケーを出してくれた。ありゃ、本当にお買上げだぞ。

「大胆な買い物だな、僕には真似できん」
「こういうのは、片方だけ得するようじゃいけんのよ。あっちも得をする、こっちも得をするようにせんと。単にまな板だけ値引いてくれ、って言うんは向こうが損じゃけえ、わっぱもつけます、お金も高くなります、でも値引きもします、という形がええんよ」
「ところでばばろあ、自分で弁当を作って会社に持っていったりはしないんだよな?」
「せんで」
「じゃあ、このわっぱ、どうするんだよ。しかも2つも」
「どうしようかねえ。あとで考えるわ。悪いもんじゃないけえ、何か使いみちはあるじゃろ」
「すげえな、そんなので買うのか!」

まな板

ばばろあが欲しいと思ったまな板(といっても、まな板と言われない限りは単なる木の板に見える)は、店頭に置いてあったためか、少し凹みができていた。店頭の旦那にお願いして、その場でかんながけをしてもらう。かんながけをして表面を削れば、全く何事もなかったように綺麗になるからだ。

全員で、かんなをセッテイングして、削るまでの一連の動作を鑑賞する。プロの手さばきは惚れ惚れする動作だ。シュルシュルシュルっ!とごくごく薄い木の表面が削られる。

「見ろ、こんなに分厚いまな板ってそうそうないぞ」

しぶちょおが感心して声をあげる。確かにそうだ。

「今後手入れをしていって、表面を削ったとしても、そう簡単に薄くならないぞ」
「一生もの、ということだな。ばばろあは死ぬまでこれを使い続けるということなのか」

なんだか切なくなるな。ばばろあの棺桶はこれを使おう。

お買い物

一方、まな板を欲しいとは特に感じていなかった僕は、別のものを買った。あんまり物欲はないほうなので、「消費して消える」系のものを買うのが好きだ。

買ったのは、昨日みかけた「森林浴のかけら」ポプリと、桧油、そして写真には載っていないけど、桧油を水で薄めたスプレー。安物のように見えるかもしれないけど、高いぞ?この桧油、1,100円だか1,200円するんだから。そのかわり効果は抜群。

ちなみに、去来荘に泊ってました、というと商品の一部を割引してくれた。ありがたい。

森林浴のかけらは、人へのプレゼントにした。香りはとても薄くて、鼻を袋に近づけないとフィトンチッド感はない。でも、こじゃれた感じなのでプレゼントにはちょうどよかった。女性でも喜んでくれる・・・と思う。いや、女性はヒノキの香りなんかよりも、花の香りのほうが好きか?

青空

店頭では、ばばろあがまな板をいっしょうけんめい新聞紙で梱包していた。山口に持って帰る途中でどこかにガン!とぶつけて凹ましたら、気持ちも凹む。

「うわあ、どうやって持って帰ればええんや」

とこの段階でつぶやいている。脇に抱えて帰るにしてはデカすぎる。

一方のしぶちょおは、ばばろあのまな板をかんなで削った削りかすを貰い受け、買い物袋に詰め込んでご満悦だった。

「おかでんのようにわざわざ香り袋を買わなくても、ほら、これで十分香る」

賢いな、そのアイディアは。

差し入れ

爆買い、というほどではないけれど、それなりのお買い物をしたのでお店の人から「これを食べていって」とフルーツや飴を出してもらった。ありがたく頂戴する。

こうして、我々は赤沢を後にした。

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