フィトンチッドでいこう【赤沢自然休養林】

姫渕

11:17
平安時代末期、源平合戦のとき、後白河法皇の孫にあたる姫(15歳)が平家の追撃を逃れてここまで逃げてきたのだという。そして、逃げ切れずに姫はこの渕に投身して命を絶った、という伝説だ。

どこまでが実話で、どこまでが後世に作られた話なのかが謎なのが昔の言い伝えだが、これはどうなのだろう?埼玉県の秩父界隈にはヤマトタケルノミコト伝説がたくさんあるし、平家の落ち武者伝説は呆れるくらい全国あちこちにある。鹿児島の離島だったり、栃木の山奥だったり。

当時、新幹線も飛行機もない時代に、よくもまあそうやって逃げたりできたものだ、と思う。というか、そこまで逃げなくても、なんとかなるんじゃないの?とさえ思える。

しかし、昔の集落は全く排他的な、人の交流なんてほとんどない時代だろうから、よそ者がやってきたらすぐにバレて通報されるのだろう。逃げまくるしか手段がなかったのかもしれない。

鳥居

そんな姫渕の入口には、木製の鳥居があった。

この地で自らの命を絶った姫を祀る、姫宮神社というのがこの奥にあるそうだ。

川

これが姫渕。

赤沢を流れる川の下流にあたる。

なにもここで投身自殺をしなくても・・・と思うが、食料も気力も体力も尽き、逃げ場を失うとそうせざるを得なかったのだろう。

水

水はあくまでも清らかで美しい。こんな透明度の高い川の水はなかなか見かけない。

「ひびさん、飛び込むなよ?」
「飛び込みませんよ」
「なんだ、残念」
「なんですかその残念、ってのは」

鳥居

11:24
橋を渡ってしばらく歩くと、姫宮神社があった。

ほこら

姫宮神社。

姫が投身自殺を図って以降、「姫が追っ手から逃れるために身を潜めた麻畑」の麻が育たなくなった、とか森の中に姫の幽霊が出た、という事件が相次ぎ、霊を鎮めるために神社を作ったのだという。

アワレみ隊一同お詣りする。

こういうところで、「金運が上昇しますように」とか「健康でありますように」なんて祈ってはダメで、ええと、どうすればいいかな、ひとまず無の境地で、頭を下げる。

たぶんこういうところだと、「はらいたまえきよめたまえ」なんて言葉も違うんだろうし。

木

800年以上前の秘話に思いを馳せつつ、姫宮神社を後にする。

通行止め

途中、通行止めになっている遊歩道があった。

ここから2キロくらい、川沿いにトレイルルートがあって、赤沢自然休養林の駐車場に繋がっている。しかし、川沿いということもあって、崩れたりしやすいのだろう。2017年現在は通行ができない。

空木岳方面

11:39
空木岳方面の眺めが美しい。良い景色だなあ・・・

空木岳は日本百名山の一つ。いずれあの山頂にもたどり着くつもりだが、面倒くさい山なので入念に計画を立てないといけない。

木曽駒ヶ岳からの縦走が一般的で、山中一泊は必要だ。途中山小屋がほとんどない上に、かなり時間がかかるのでさてどうしたものかな、と思案しているところ。多分後回しにされて、百名山コンプリートの最後あたりに登る山になるはずだ。

山

11:47
いちいち山並みが美しいんだよな、長野県って。

こういうところに住んだら気持ちが穏やかになるだろうなあ、そういう人生もいいよなあ、と思う。でも、それは都会人が勝手に抱く妄想であり、このあたりに住むのはそう簡単ではないだろう。仕事とか、買い物とか、病院とか、コミュニティとか。

田舎暮らしに憧れるけど、移住するなら自由がきく若い内、だな。これから老いぼれていく一方の僕は無理だ。来年僕は引っ越しを予定しているが、ますます都心のゴチャゴチャしたところに移る予定になっている。もう、全振りで利便性重視のライフスタイルとなる。心は休まらないから、猫でも飼うかな、と真剣に考えている状況。

とはいえ、その話をすると、友達のほぼ全員から「やめとけ」と言われる。これまでのように旅行とかいろいろできなくなるぞ、と。確かにそうだ。だいたい、盆暮れの実家帰省でさえ、何泊もするわけだけどどうすればいいのやら。やっぱりニャンコはダメかー。じゃあ犬は?犬も一緒?

(つづく)

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