フィトンチッドでいこう【赤沢自然休養林】

2017年10月25日(月) 3日目

3日目の朝

07:21
3日目の朝。

今朝も、ややスタートは遅れたものの僕とひびさんは朝の散歩。ばばろあとしぶちょおはまだ床の中だ。

「耳栓を持ってきているんですよ」

ひびさんは言う。しぶちょおのいびき対策だ。ばばろあもいびきをかくので、夜の間は二人のいびきの競い合いとなっていた。お互いがお互いのいびきで目を覚まし、「うるさい!」と怒鳴ったら面白いんだけど、さすがにそういうことはなかった。いびきをかく人は、他人のいびきに目を覚ますということはないらしい。

「耳栓、効果ある?」

と聞いてみたら、ひびさんは「いえいえいえいえ」とばかりに手を左右に振り、

「振動が・・・」

と言葉を濁した。なるほど、それは耳栓ではどうしようもない。

ばばろあは昨日、しょぼしょぼした顔でこうぼやいていた。

「夜、熟睡できんけぇ朝起きてもだるいんよ。週末、何もないときは一日中寝とるで、わし」

いびきのせいで、眠りが浅くなってしまうらしい。その割にはアクティブに週末動き回っているようだけど、いったい彼の疲労はどこへ消えているというのか。無尽蔵に溜め込んでいるのだろうか?

「睡眠薬、飲んだら?」
「いや、そういうんじゃないんよ。飲んでもだるくなるだけじゃろ」

まあそうだ。

幸い、ばばろあにしろしぶちょおにしろ、睡眠時無呼吸症候群ではない。なので、心臓発作で急死するといった悲劇はすぐには起きないだろう。とはいえ、結構しんどそうだ。

朝ごはんまであまり時間がないので、バーベキューハウスあたりの近場を、軽く歩く。

朝もやが強く、視界はまだ開けていない。日が昇るともう少しガスが晴れるのだろうか?

朝食

08:11
宿に戻って朝ごはんをいただく。

朝からしみじみ、うまいんだなこれが。

たぶん、こういう食事を毎日食べ続けていたら、性格でさえも変わってしまうと思う。もっとゆったりとしたものの考え方、時間のすごし方になるんじゃないか。

現在の僕は、朝ごはんといえばヨーグルトに野菜ジュース、フルーツ缶詰、牛乳だ。健康なんだか、カロリー取り過ぎなんだかよくわからない。いずれにせよ、日々あわただしくこれらを食べている。

フルーツ缶詰のような、激甘シロップ漬けを食べていたら、気分がカリカリしてくるよな。あんまりよくないと思う。

気温

08:37
今日もテラスでコーヒーをいただく。

気温は10度。9月にしてこの気温。結構、さむい。

滑り台

09:08
食後、早々にチェックアウトする。

この後、もう一本トレイルルートを散策して赤沢自然休養林の総仕上げをして、退却開始だ。

しぶちょおが「お昼ごはんは中津川で栗おこわと栗きんとん」という提案をしているので、ランチタイムには中津川に到着していたいところ。

なんだ余裕じゃないか、と一瞬思うのだけど、しぶちょおは慎重な姿勢を崩さない。「思った以上に時間がかかるんよ」という。確かにそうだ、初日だって、朝に名古屋を出たのに、赤沢に到着したのは夕方だった。近いようで、遠いのが木曽という場所だ。

駐車場の車に荷物を入れていると、駐車場脇にすべり台があることに気が付いた。

ほほう?せっかくだからここは一発、滑ってみるか。

滑り台

何百メートルもある巨大すべり台だったら遠慮していたけど、ざっと見た限りはそんなに遠くはない。でも、チャレンジしがいがある高さと距離がある。

つまり、「you、チャレンジしちゃいなよ!」ということだ。

滑り台

すべり台の脇に、「すべり台用シート」が置いてあった。麻袋だ。

なるほど、こいつァ本気だ。単にステンレスのすべり台で、重力に任せてずりずりとすべるのだとつまらない、というわけだ。お尻に麻袋を敷いて、すべりをよくしてクールラニング!!!しろ、というわけだ。

よーし、やったらぁ。

滑り台

長さは何メートルあるだろうか?50メートルはないとおもうけど、わからない。

吹っ飛ばされて転落事故が起きないように、すべり台の周囲にはフェンスが張り巡らされていた。これで、何かの弾みでジャンプしちゃっても大丈夫。

麻袋をお尻に敷いて、一人で滑ってみた。

うひょう、これは爽快!楽しい!距離が長い分、スピードが出る。

滑り台

このスリルをぜひみなさんに、ということで、後からやってきた3人にも猛烈おススメをしてみた。すべり台の高さに、「あそこまで登らないといけないの?」とうんざりした顔をしていた一同だが、僕が熱心に勧めるので登っていった。

・・・

しばらくして、悲しい顔をして3人が戻ってきた。麻袋が、上には一枚もなかったからだ。使われたまま、滑り台の下に溜まっていたのだった。

「もう一度登るのはちょっと」

と渋る一同をもう一度炊きつけ、もう一度登ってもらう。

しぶちょお
高速で通過

上からおりてきたしぶちょお。高速で通過していった。

楽しくなってもう一度

みんなの歓声を聞いて、僕ももう一度滑りたくなってきた。

「ごめん、ちょっと待ってて。もう一度行ってくる」

と言い残し、再度すべり台の人に。

今度は両手をキョンシーのように前に突き出し、まったくのノーブレーキで滑ってみた。

すごい!このスリルはかなりのものだ!

大興奮しながらフィニッシュ。着地点にはウッドチップが敷き詰めてあるので、安心。

「おい、ずいぶん飛んだな」

しぶちょおが、僕がしりもちをついた穴を指差して言う。その穴は、すべり台から50センチくらい離れていた。

「K点越えだ!」

なんだか誇らしい気分になった。時間があれば、どれだけ飛距離を伸ばせるか、仲間で競争してみたいものだ。

森

09:30
乗鞍が見える・・・といえば見える。

滑り台の近くにも、展望台となる場所があった。眺めが良いとはいえないのだけど。

今日みたいに晴れていてもこの眺望なら、ちょっとでも曇ったらほとんどなにも見えない。いや、「ほとんど」なんて生ぬるい、全く見えないだろう。

青空

09:34
見よこの青空。

9月下旬にして、この真冬のような日本晴れには驚いた。水蒸気はどこへ消えたの?

朝、あれだけ朝もやがあったのに。

杖

09:35
今日もまた快適。

我々は最後、まだ未踏のトレイルルートを目指した。これにて赤沢自然休養林はフィニッシュだ。

川

09:39
川が流れていると、風景にメリハリが出てフォトジェニックだ。この地が魅力的なのは、手入れが行き届いたヒノキの森があるだけじゃなく、川もあるからだ。

しかもザアザアうるさい川ではない。川のそばの宿に泊って、最初は「ウワア素敵!リバーサイドだよ!」なんてはしゃぐけど、だんだんザアザア音がうっとおしくなる、ということがある。もっと無音なところがいいのに、と。その点去来荘は、川の音が気にならずに本当に静かに過ごすことができた。素晴らしい場所だ。

(つづく)

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください