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ベティスミスから移動して、今度は児島の観光名所として最近ぐいぐいと知名度を上げている、「ジーンズストリート」を目指す。
ジーンズストリートの目の前に、「旧野崎家住宅」という大層立派なお屋敷がある。
野崎家とは、江戸時代グイグイと財を成してイケていた人で、「塩田王」との呼び声高い。
見ろ!塩でも儲けることができるんだぞ!
児島に塩田を作って製塩業を行っていたのを皮切りに、新田開発にも乗りだし、それでこんな豪邸に住めるまでになっちゃった。倉敷の豪商・豪農たちも新田開発で儲けたように、岡山界隈では「海から土地を作り出し、その土地で米を作って儲ける」というビジネスモデルが通用していた。
倉敷の南側、水島地区が丸ごと埋め立て地であるだけではない。岡山県の南側、児島湾界隈も呆れるくらいの埋め立てが行われている。
地図を見れば、JR瀬戸大橋線/宇野線がなんだか奇妙な迂回をしていることに気がつく。というか、昔はそういう海岸線だったわけで、線路が出来た後にかなり盛大に埋め立てを行った、というわけだ。つまり、茶屋町駅あたりまでは海だったらしい。どれだけ埋め立てれば気が済むんだ。
子供の頃、「倉敷川は児島湾に通じていて、倉敷は水運業が栄えた」という話を聞いて、全然ピンと来なかった。というのも、(現在の)倉敷美観地区から海まで、かなり距離があるからだ。でもなんてことはない、昔は海が近かったんだ。

野崎家は一般公開されている(有料)ので、見学するのも一興。しかし、今日は時間があまりないのでスルーした。古い建物、という点では昨日も今日もいろいろ見てきたので。

ジーンズストリートを歩く。
倉敷美観地区のような、みやげ物店的なお店ではなく、もっと渋い世界。

こんな、ネオジャパネスクなジーンズショップもある。


車一台通るのがちょうどくらいの通りの両側ところどころに、デニムを扱っているお店がある。土曜日だからなのか、それとも寂れたのか、シャッターを閉めてしまっているお店が多いのは残念だ。
とはいっても、「ジーンズストリート」という性質上、押すな押すなの人だかり、というのは無理だ。あと、びっしりデニム屋が並んでいるのも疲れる。なので、これくらいの過疎り方の方がむしろ気楽に散策できるのかもしれない。
ぱっと見はどこも藍色系の衣服だらけだ。当たり前だ。
なので、店構えのセンスだとか、ブランドロゴとかを見て、「あ、なんだかいいな」と思ったら躊躇せずに店内に入ってみた方がいい。ただなんとなく歩いていたら、ただなんとなく終わってしまう。
こういう時、男性よりも女性の方が楽しめるのだろう。なにせ女性は、この手のお店のハシゴがうまい。

藍色の壁と赤い笑顔ポストが印象的な、「林檎堂」。

「幻のオリジナルジーンズ」を標榜するお店も。
だいたい、国産ジーンズの価格は1万円前後からスタートして、高いもので3万円程度、という印象だった。

シャッターが閉まっている割合は結構高い。

レディース専門店のデニムショップもある。

ウッドデッキを構え、今風な外装のお店も。
国産デニム、児島のジーンズが見直されてきている現在、新しくやっていこうとしているお店も出てきているのだろう。

見るからに「あ、これは昔の銀行だな」という石造りの建物。今は「Womb brocante(ウーム・ブロカント)」という中古家具販売店になっている。味わい深い、レトロな机や椅子などが売られている。

ジーンズストリートのところどころに、こうやって横断幕よろしくジーンズが吊り下げられている。とてもフォトジェニックで良い試みだと思う。
電線が映り込まないと、青空を背景に綺麗に写るだろうなあ、と思ったけど、それは無理だ。だって、電柱があるからこそ、このジーンズを吊り下げることができるのだから。中国電力、よくオッケーを出したなぁ。
(つづく)
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