
煮川の湯まで行ったところで折り返し。湯畑の方面に向かう。
その道中あるのが、「千代の湯」。
ここは建物がある程度広いし(湯船が広いとは言っていない)、一見さんでも入りやすい共同浴場だと思う。
湯畑から大滝の湯に向かう道中ということもあり、目立つ場所にある。

ここは、一般人が使う男女別の共同浴場とは別に、鍵がかかった扉の奥に「時間湯」ができる大浴場がある。
僕が草津二十番勝負の締めくくりとして、ここで時間湯をした場所だ。

医療的でもあり、宗教的でもあり、そのどちらでもない不思議な世界。様式美も兼ね揃えていて、すごい体験をしたものだ。時間湯のしくみについてご存じない方は、ぜひ↑のページを参照してほしい。

チラシを見ると、「時間湯」という言葉は使われておらず、どちらかというと「湯もみ体験」的な表現になっていた。「お気軽に♪」なんて書いてあって、僕が以前ここを利用した際にかなり緊張したのとは隔世の感がある。
ただし、フレンドリーなサービスになったわけではない筈なので、やっていることは昔からかわっていない筈だ。真面目に湯治をやっている人と時間を共にするわけだし、実際は「お気軽♪」というわけにはいかないと思う。
しかし、予約は不要だし、持参すべきものもちゃんと書かれているし、わかりやすくなっている。
またこの時間湯体験をしてみたいものだけど、さすがに今回の旅ではやめておく。というのも、連れは熱いお湯が苦手なので、たぶん「3分限り」とはいえ、熱いお湯に浸かるというのはキツいだろうから。

千代の湯の建物前にある、水飲み場。

湯畑に戻ってきた。
まだこの時間でも、湯畑周辺は人がたくさん歩いている。

湯の花を採取するための、7本の木樋。

宿に戻ると、インコが相変わらず元気だった。
籠があったり、紐で止まり木に繋がれているということはなく、完全に自由だ。でも、自由すぎる事になれてしまったのだろう、ハッスルして飛び回るということはしていなかった。
もっぱら、ガラスがあるこの場所がお気に入りらしい。
僕もインコを飼っていたことがあるけど、鏡がついているブランコを鳥かごの中に設置していた。インコは鏡が好きなのだろうか?僕が飼っていたインコは、鏡に写る自分を興味津々で眺めていたものだ。

22:40
寝る前に、内風呂に入ろうと思う。
ようやく内風呂、というのが贅沢な話だ。外風呂でさえ、まったく不自由な気がしない。歩いて行けるところに、お風呂がよりどりみどりだから。

温泉の成分表を激写。
温泉旅館に行ったら、撮影ができないシチュエーションでない限りは写真を撮っている。でもそれが有効活用された試しは、殆どないのだけど。
効能に、糖尿病とか梅毒といったものが書かれている。どういう仕組みで、温泉がこれらの病気に効くとされるのか、さっぱりわからない。ただ、こういうのを掲げるには、ルールに基づいて、役所のお墨付きを得てやっていることなので真実なのだろう。
効能に「冷え性、疲労回復」なんて書いてるのは、「それは家のお風呂でも一緒だろう?」と思うわけだが、ここにはそういうありふれたことが一切かかれていない。ガチ感が漂う。

ここの宿は、湯畑源泉を使用していた。
酸性・含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉
だという。かなり長い。
どういうルールで、この名前が付けられるのかはよくわからないのだけど、名前が長ければ長いほど「温泉として強い。」ということはあるのだろうか?どこまでいろんな成分をズラズラと列記できるかどうか、みたいな。

この宿には、貸し切り風呂もあった。予約不要で、空いていれば使えるという。
せっかくなので、貸し切り風呂を使わせてもらう。ささやかな贅沢感。
(つづく)
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