蕎麦と天狗に出会う旅【日光・群馬】

2016年11月18日(土) 1日目

日光を目指す

雨の中、車は東北自動車道を走り、日光を目指していた。

今回は「日光そばまつり」に行く予定だ。日光そばまつりといえば、過去2回(2008年、2009年)と訪問したことがあるが、いずれも日帰りだ。しかし今回は、なんとも贅沢なことに一泊してこよう、と考えている。

東京から日光なら、車でも電車でも日帰りが十分に可能な距離だ。そもそも、そばまつりの会場周辺には手頃な宿がなく、泊まろうと思ったことはない。

しかし、何故今回一泊を画策したのか。それは、以前発見した東京都足立区の保養施設、「日光林間学園」が格安だからだ。

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一泊二食付きで、税込み3,650円。清潔な宿で、しかもしっかりとした食事が付く。生徒・児童が林間学校で使う施設に泊まる、というのも楽しい体験だ。この施設が、まさにそばまつりの会場すぐ近くにあることに気がついた。

だったら、泊まろうじゃないか。

お腹いっぱい蕎麦を食べて、「もう夕食は食べられません」となっても、この宿ならばそんなに惜しくない。また、「思ったよりも蕎麦が食べられなかった。2日目にもう一度、そばまつりを目指すぞ!」という方針転換だって容易だ。

そんなわけで、1日目はそばまつりを満喫し、2日目は東京に退却しつつ、どこか適当に立ち寄りつつ退却、というざっくりしたスケジュールにしておいた。なにせつい数ヶ月前にお泊まりしたばかりの施設に再訪だ、今更驚きはないし、霧降高原をはじめとする周囲の観光地はだいたい訪れている。

ただ一つ、これはぜひ行こう、というお店があった。

日光から宇都宮方面に向かってしばらく先のところにある、「安国屋」という飲食店だ。

ぱっと見は田舎のお食事処、といった風情だけど、ここの名物は1キロ近くある豚塊肉を使ったポークソテーだ。その見た目から、「エアーズロック」と呼ばれているシロモノだ。

これは食べてみたい。しかし、事前に予約が必要だということなので、あらかじめお店に電話をかけることにした。予約が取れれば、二日目のお昼ご飯をそこで食べるつもりだ。

しかし、電話をかけてみると、年配?の男性が応答し、

「はい」

という一言だったのでちょっとひるんだ。普通、お店なら「安国屋でございます」などと名乗るはずだ。しかも、声がやたらと重たい。

間違い電話かと思って確認したら、安国屋で間違いないという。では、ということで本題のエアーズロック・・・いや、違った、ポークステーキを予約しようとしたら、

「息子が亡くなりまして・・・葬式とかいろいろあって、今お店を閉めていて・・・」

と先方が仰る。えっ。予想外の展開。

「そ、そうですか、それはご愁傷様です・・・では、またの機会にぜひ。はあ、ええ、どうも」

びっくりした。

ここで話題に上がった「息子」さんがお店のご主人なのか、それとも電話に出たのがご主人で、その息子さんが亡くなられたので仕事どころじゃない、ということなのか、どちらかはわからない。でも、いずれにせよ身内に不幸があった直後に、間が悪く僕が電話をかけてしまったらしい。

こっちまでお悔やみの気持ちで、沈み込んでしまった。「デカくてフォトジェニックな、ポークステーキ!食べたいなぁ!」と浮かれていたので、なんだか申し訳ない。

エアーズロックがいずれ再開する時がくるのか、それとももうこれにておわりなのかはわからないけど、この電話では「またの機会に」としか言いようがなかった。

後日、営業を再開したという話を風の噂で聞いた。ひとまず良かった。

日光そばまつり会場

日光そばまつり会場にやってきた。

昔は11月頭に開催されていた日光そばまつりだけど、いつの間にか11月の中旬という日程にずれていた。雨が降っていることもあって、あたりはかなり冷え込む。それなりの防寒をしておかないと、トイレが近くてしょうがないと思う。

今回は蕎麦屋・蕎麦同好会が22店舗出店している。腕が鳴るし、喉も鳴るし、腹も鳴るぜ。

とはいえ、連れがいる旅行なので、「うおおお!今日の目標はとりあえず半分の11店舗!明日は残りの11店舗!」なんてことは考えていない。いや、連れがいなくたって、そんなことはやらないけど。

ただ、一般常識人が同伴ということで、訪れるお店は厳選するのがエスコートする側のマナーだ。「とりあえず、端から順に、お腹いっぱいになるまでハシゴね」なんて間違っても口にしてはいけない。

蕎麦を食べるおかでん

結局この日、6軒の蕎麦屋を巡ることができた。お腹いっぱいだ。

そのときの模様は、「蕎麦喰い人種行動観察」で詳しくレポートしている。

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ガレットを食べたり、いろいろあって楽しいそばまつりだった。

トレーラーハウスの現実

そばまつりの会場は、元々はキャンプ場だ。

会場のあちこちに、トレーラーハウスが点在している。トレーラーハウス、といっても車の部分は切り離され、荷台の部分だけが固定されている。

このトレーラーを、バンガロー代わりに宿泊用として使える、というのがキャンプ場の売りの一つだ。

8人用トレーラーの間取りを見てみると、どうも不安にさせられる内容だった。

トレーラーハウスなのだから、広くて快適ではないだろう、というのは想像が付く。しかし、これはなかなかだ。

どうやら、寝るときはダイニングテーブルをもベッドにしなくちゃいけないらしい。あと、トレーラー左端のベッドは、なんだか赤ちゃん用のベッドじゃなかろうかというサイズだ。

そもそも、8名が泊まってもおそらく全員がくつろぐスペースはトレーラー内にはない。ベッドに寝転がりながら会話をするというシチュエーションになりそうだ。

外のテラスで談話をしてくれ、トレーラーの中はあくまでも寝る場所だ、ということだろうか。

8人用トレーラーの宿泊料は23,000円。一人当たり3,000円弱。珍しい体験ができる、ということで一度試してみても面白いと思う。ただし、僕の力じゃ8人もの酔狂な人を集めるのは無理なので、惜しい。

紅葉が綺麗

紅葉がとてもきれい。

でも、雨が降っていることもあって、随分と散っていた。

(つづく)