
14:29
軽井沢から横川に向かうバスに乗る。
碓氷バイパスを走っているとき、前方に妙義山、特に「裏妙義」とよばれるゴツゴツとした山塊が見えたので「うおおおお」と興奮して写真撮影。
これまで何度となくこの道は通ってきたのだが、必ず自分がハンドルキーパーだったため、周囲の景色を見る余裕がなかった。なので、今回裏妙義の大迫力なデコボコを見て今更ながらの興奮。
なんなんだあのニワトリのトサカみたいな岩峰は。登ってみたいじゃねぇかこの野郎。
妙義山は危険な山として知られ、毎年事故が起きている。もともと修験道の道場として知られている山なので、岩や鎖が数多くある。表妙義とよばれる、妙義神社がある側でさえ厳しいルートなのだが、裏妙義はもっと大変だとは聞いていた。なるほど納得だ。
というか、あれこれ裏妙義の登山記録を調べていたら、その写真を見るだけで股間がヒュンヒュンしてきた。これはダメだ、僕は一生足を踏み入れられない場所っぽい。ザイルワークも必要だし、人を殺すためにあるかのような岩場もある。

14:47
バスは横川駅に到着。
えっ、ここはどこ?というところで降ろされる。
駅すぐそばで、碓氷峠鉄道文化むらと横川駅との間の駐車場だ。

小さな橋を渡ったところが横川駅。

橋を渡って、横川駅側から今歩いてきたところを眺めたところ。
プレハブっぽい建物が中佐y城の一角にあり、峠の釜めしの売店になっていた。バスと電車を乗り継ぐ人や、「鉄道文化むら」を利用する人向けのお店なのだろう。
正面のぼこぼこした山は、きっと妙義山、と思わせておいて、関係のない山だ。この先が軽井沢。
この界隈の山は、ほんとうに特徴的な形をしている。

横川駅。
昔は碓氷峠超えのためにパワー強化するため、列車に機関車を増強して急坂を昇り降りしたものだ。その機関車の連結と解除のために、横川駅では停車時間がある程度確保される。その際にバカ売れしたのが、「峠の釜めし」だ。
僕自身、まだ信越本線「特急あさま」が上野から長野まで運行していた時代にこの駅を利用したことがある。
まもなく横川に電車が到着する、となると、一同殺気立って、デッキに出てドアが開くのを待ち構えるのだった。限られた時間で峠の釜めしを買うためだ。
で、いざ駅に到着してドアが開いたときに、駅の構内アナウンスで「峠の釜めしは本日完売となっております」と言われ、乗客一同ホーム上で唖然と立ち尽くす、という体験をした。峠の釜めしを食べるためにみんなご飯を我慢してきたのに。

横川駅出てすぐのところには、「峠の釜めし発祥の地 明治十八年創業 荻野屋」という看板が出ていた。

横川駅。
バスから乗り継ぎを予定している人以外は、誰もいない昼下がり。
駅舎の傍らに峠の釜めしを売るお店がある。

駅前に、「元祖峠の釜めし おぎのや」というお店があった。
横川駅は、駅構内におぎのや、駅を出て道路の左右におぎのやだ。おぎのやに占領されている。

ちなみにこのお店が本店だった。
おそらくだが、実際の経理とか経営企画とか社長室とかはもっと違う、広い場所にあるんじゃなかろうか。この建物は駅前一等地で、民家としては広いが、毎日大量に売れる峠の釜めしの本社機能を置くには狭い。
・・・で、あとになってGoogleストリートビューでこの駅周辺を探してみたら、この建物のすぐちかくに本社を見つけた。ご丁寧に荻野屋の看板と、「↑本社事務所」という表記がでていたからそれとわかった。
駅前の建物よりもこじんまりだ。

駅前の建物では、簡単ながらも峠の釜めしミュージアムみたいになっていた。無料で入れるので、時間つぶしに入らせてもらう。

これは荻野屋130周年記念で作った記念の包装紙だろうか。
漫画「頭文字D」好きならお馴染み、シルエイティを操る佐藤真子がおぎのやドライブインにいる絵が描かれている。よく見るとパンダトレノも駐車場に停まっているし、FC、FDもいる!というのが嬉しい。碓氷峠バトルをやった時点ではまだプロジェクトDが発足していないタイミングなので、夢のコラボ感がある。
隣の絵は・・・えーと、見たことがないのだが、「碓氷と彼女とロクサンの。」というライトノベルのイラストだそうだ。

いろいろとタイアップしていらっしゃる。鬼滅の刃の各キャラクター版もあるのか。ちょうど映画で「無限列車編」が上映されたからか。

2022年夏時点
峠の釜めし1,200円、峠の釜めし定食1,500円。
物価高騰により、昔よりも結構高くなっている。これはもう仕方がない。「釜を返すから100円引きにしてほしい」などという割引は相変わらず存在しない。

横川駅改札。
おっ、Suicaが使える自動改札機が設置されているぞ。しかも2つも。すごいな。
東京都でさえ、まだ簡易Suica(フラッパーゲート式ではないもの)の駅が残っているというのに、この駅ではフルスペックSuica改札とは。

信越本線ダイヤ。
「上りのダイヤしかないぞ?下りは?」と一瞬探してしまうが、この横川駅が終着駅だから当然「上り」ダイヤしかない。
1時間に1本ないし2本の密度。

安中市を楽しむための観光体験プログラム「あんとりっぷ」だって。

峠路探訪、というポスター。
「アプトの路」としてずっと線路跡地に沿って歩いていくことができるようだ。昔はこんなに整備されていなかったのだけど、今だと世界遺産の「めがね橋」周辺だけでなく、横川駅から熊ノ平駅まで歩くことができる。
土休日なら、横川~熊ノ平間はバスが4便ほど運行しているようなので、それで戻ってもいいし、歩いて戻るのも楽しいだろう。
概ね1日コースになるようだ。ちょっと大変かもしれないけれど、家族でここを歩いてみたいなあ。

15:05
信越本線高崎行きがやってきた。これに乗る。

ホーム上にある峠の釜めしのお店。駅舎の外にあったお店と一体。

15:47
高崎駅にやってきた。
大都会に感じる。というか、大都会か。
東京直通の電車で、15両編成だ。長い!

15:51
さようなら、高崎。

ようやく、「ああ、これで登山は終わりなんだな」という旅の終了感が漂ってきた。
楽しさの余韻に浸りながら、ノンアルコールビールをプシュッと。
そして、「新幹線代金をケチって在来線に乗って節約したんだから、グリーン車に乗ってもバチはあたらないよね」ということでグリーン席を利用。でも、私鉄、バス、あれこれ乗り換えをしているし、グリーン料金を払っているし、果たして新幹線と比べてどれほどお得だったのかは不明。いや、もう計算しないぞ?もし損していたら困る。

この日の戦利品。
高崎駅は駅ビルがすばらしく立派で、いろいろなお土産を買うことができる。ただし駅の改札を出れば、の話だ。
駅の改札内にいた僕は大して買い物ができず、結局駅弁を買うのがやっとだった。この駅弁を土産に、今晩は夫婦でこれを夕食にしよう。弊息子はまだ1歳なので、離乳食がやっとだ。だからそもそも「土産物を食べる」ということはないので考慮はしていない。
旅の締めくくりは、「湘南新宿ラインと上野東京ラインを勘違いして乗車していて、自分の家とは別の方向に電車が走り去ってしまい慌てた」という事件で。
(この項おわり)
コメント
コメント一覧 (2件)
小諸は、2024年11月まで、足かけ3年、年3~4回仕事で通っていた地なのですが、そば七は知りませんでした。行っておくべきだったと激しく後悔。
自家焙煎珈琲こもろは利用したことがありますが、昨年行ったら閉店していてびっくりしました。
こうやって記事に残してもらえたお蔭で、記憶や思い出も再構築されてありがたいです!
ゆうどんさん>
おお、自家焙煎珈琲こもろの仲間がいた!
このお店、2023年に閉店して新潟にある1号店に統合したそうです。意外でした。