13:01
内宮へ向かう道すがら。道路は大渋滞。やっぱり今日はゴールデンウィーク、しかも20年に一度の式年遷宮の年。混まないわけがない。タイミングと、方角によってはどつぼにはまる恐れありってことだ。われわれは運良くさほど混乱に巻き込まれずに済んだが。
13:05
車が通る道から外れる。ここからは内宮に向けて観光客向けのお店が並ぶエリア。楽しみだ。
一気に人の数が増えてきた。
13:05
店頭に、和服が展示されていると思ったら、「いっぺん着物でお参りしませんか」というお誘いがあった。なるほど、和服で伊勢神宮詣でというのは風情があっていいな。なかなか興味深いプレゼンテーションではあったが、われわれは「アワレみ隊ブルゾン」を着用している。和服もいいが、これもいい。今回は残念ながらパスだ。
13:07
進むにつれて人の数は増えていく。一体どこから湧いてきたんだ?という感じ。人気のお店の前には、黒山の人だかりができている。
ん・・・この人だかりはなんだろう、何か食べ物を店頭販売しているようだ。のぞき込んでみたら、「元祖かわあげ君」だって。おい、からあげクンはローソンが元祖だろ?と思ってよくみると、ああ、「かわあげ」君なのか。鶏の皮を揚げた料理なのね。なるほど。
うまそうだが、カロリーが相当高そうなのでパスした。「大人気で毎日500コ売り切れが続いています」だってさ。
13:07
立派な建物だ。門構えのところに、シャチホコがふんぞり返ってるぞ。何でこんなところにまでシャチホコをつける意味があるのか・・・。見栄ってのはどこにでも張れるものなんだな。
駐車禁止の看板を見ると、神社司庁、と書かれてあったので、これも内宮の施設の一つらしい。
13:09
風情のある建物が続くが、郵便局も木造の建物だった。もちろんもともとあった建物ではなく、風情を出すためにわざわざこしらえたものだとは思うが、それでも「おお、いいねえ」と思う。五十鈴川郵便局。看板の文字が、右から左に向けて読むようになっているのも、ちょっと味がある。
ちぇるのぶがここでお金を下ろしに行く。
「そんなん、最初からおろしておけよ」
他の人から言われる。旅行や食事会など、何かと物入りの時に、「あらかじめお金を用意してから集合場所に向かう」人と、「とりあえず現地でなんとかしちゃおうと、お金を持たずに集合場所に向かう」人ってくっきりとわかれる。この双方は、決してわかり合えない関係だ。「金がいるのは分かってるんだから、あらかじめ金をおろしとけよ」と前者は後者に対して不思議に思う。
13:09
利休饅頭、の看板が立派な藤屋窓月堂。赤福と並んで伊勢名物として有名?な利休饅頭。でも実際は、赤福の圧倒的知名度の前に全国区になりきれていない饅頭ではある。赤福偽装問題が発覚して、赤福が自滅している間は「赤福の代替土産」として重宝されたらしいのだが・・・。なお、味は折り紙付きらしいので、赤福じゃ伊勢土産としてありきたりすぎる、と思っている人はぜひ。
13:11
だんだん人が増えてきたぞ・・・と思っていたら・・・。
13:13
その2分後にはこのありさま。なんじゃこりゃー。縁日状態ではないか。
仲間同士はぐれないように、注意。特に小さなお子様連れの方は細心の注意が必要。
13:21
混雑する道を進んだ先には、五十鈴川があった。川にかかる橋、そして大きな鳥居。ここから先が伊勢神宮内宮というわけだ。とても人が多い。これぞゴールデンウィーク、これぞ式年遷宮。
13:23
宇治橋を使い、五十鈴川を渡る。渡った先が、天照大神がまつられている、内宮。
宇治橋は「日常の世界から神聖な世界へのかけ橋」(伊勢神宮オフィシャルサイトより引用)と言われているらしい。俗にまみれきったアワレみ隊が神聖な世界に足を踏み入れるとは。
なお、この宇治橋だが、ここもご多分に漏れず、20年に一度建て替えが行われるのだという。徹底してるんだな。
五十鈴川は清らかな流れを保っており、美しい。しばらく川べりでのんびりしたい気持ちになる。
13:25
内宮の広大な敷地を歩く。ここが神社という感じがあんまりしない。庭園を歩いているかのようだ。ここから見える景色は、緑と、人。それだけ。建物が全く見えない。遥か彼方にあるのだろう。
13:27
内宮の地図。敷地が広い割には、建物やお宮の数が少ないのは外宮と一緒。あと、メインとなるお宮が、アホみたいに豪華かつデカいというわけではない、というのも伊勢神宮の特徴のようだ。それにしても不思議なんだが、なんで仏教ってのはすぐにデカくなりたがるんだろうね?価値観が根本的に違うのかね。
13:31
瀧祭神に向かっていたら、なにやら五十鈴川の川べりに人だかりができていた。
ここが御手洗場(みたらし)。
ガンジス川のほとりでインド人が斎戒沐浴しているような感じだ。ああ、伊勢神宮の場合はここで手を清めるのがやり方なんだな。清浄・神聖な川である五十鈴川でお浄めをしてから、参宮する。なるほど。
ちなみに、「川の水で手を洗うのはちょっと」という向きの人には、どこの神社にもあるような手水舎もちゃんとあるのでご安心を。
13:32
早速われわれも手を洗い、清める。心の中まで清らかになったかどうかは定かではないが、まあ、なんとなく現世のしがらみが少しほぐれた気がする。
ここで口をすすぐのもOKらしいので、せっかくなのでやってみた。抵抗感がない人はぜひ口までやりましょう。
13:33
「清らかな流れで身も心も清めてる、っていう写真を撮ろう」
としぶちょおが言い出したので、彼の指示通り写真を撮ってもらう。しぶちょおは三脚をするすると伸ばし、セルフタイマーをセットし、川の水面からローアングルでおかでんを撮影するアングルを確保。で、おかでんは、セルフタイマーが落ちる瞬間にあわせて、手ですくった水をさらさらと下に落とす。
・・・できた写真が、これ。うーん、微妙。しぶちょお、おかでん共にカメラ目線なのが、なんだか怪しい。
13:34
瀧祭神(たきまつりのかみ)に参る。小さなお宮。・・・あれ?お宮がない。ここは五十鈴川守護の水の神ということだが、石がそのまま祀られているらしい。
「五十鈴川の水を使わせていただきましたよ」
と報告をしておく。
13:36
風日祈宮(かざひのみのみや)に向かう。このお宮は、建物が並ぶエリアからぽつんと離れていて、お参りする人の数はさほど多くないようだ。まあ、「さほど多くない」といっても、内宮の場合参拝客の母数が大きいので人数自体は多いのだけど。
やっぱり、多くの参拝客は正宮だけお参りして帰っていくのだろうか。せっかく伊勢神宮に来ているのだから、もったいないと思うのだが。でも、ツアー客とかだと仕方がないのかな。
13:38
風日祈宮。その名前の通り、風の神様がまつられているんだって。風の神様って何をしてくれるのよ、と思ったら、農作物の健全な生育のためには風とか台風とかあったら困るわけで、そういうのを鎮める役目もあるらしい。あと、元寇が襲来した時に吹いた「神風」、あれもここの神様のおかげなんだとか。へぇー。
「僕らにも時代の風が吹きますように」
と、大それたお願いをしておこう。でも、追い風のつもりでお願いしたのに、強烈な向かい風がプレゼントされたりして。
13:46
正宮へと向かう途中、白い覆いに囲まれた場所がいくつか見えた。あちこちで、新しいお宮を建てている最中らしい。隙間から、真新しい木材でつくられたお宮の片りんが見える。
10月2日に皇大神宮が遷御(せんぎょ。本殿から新殿に神様がお引越しすること)されるらしいので、その頃になるとこの覆いも取られているのだろう。つまり、今年の秋にこの地を訪れれば、新旧のお宮を同時に眺めることができるのでラッキーと言えるだろう。いや、「ラッキー」だなんて軽薄な言葉を使ったらダメか、ええと、「ありがたい気持ちになる」とでも言おうか。
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