密輸商人おかでんの上海貿易顛末【上海1】

スカイウォーク97

100階から下に降りる際は、行きと同じ。いったん97階に降り、94階までエスカレーターに乗り、そこからずどんと地上まで。

あらためて97階の「スカイウォーク97」を歩くと、こちらの方が100階よりも空いていて外の景色を楽しむには良い事に気がついた。達成感という点ではぜひ100階に行きたいところだが、97階も100階も視界に大差はない。通とかプロと呼ばれる人は、ぜひここで風景を満喫したいところだ。

いずれにせよこのビルの場合、直下の風景を見ることはできない。先端恐怖症の人かかってこいや、という尖ったビルデザインなので、足元の視界が非常に悪く、高度感はあまりない。

どうやら、建築の際に「高所恐怖症の人には手加減してやろう。ただし先端恐怖症の奴らはゆるさん」というコンセプトだったらしい。

94階
94階の土産物店

先ほどは素通り扱いだった94階だが、帰り道には立ち寄る事ができた。

ここは、フロア全体を使った広いスペースになっていた。後でリーフレットを見ると、ここでイベントを開く事を想定しているらしい。

94階でイベントか。そりゃ映えるな。ただし、大型資材の搬入は不可能なので、例えば自動車メーカーが「新車発表会をここで」なんてのは無理だ。

金持ちどもが、ここでケータリングを頼み、立食パーティーなんぞ夜な夜な繰り広げているのだろう。ええのぅ。仮面をつけて、「奥さん、一緒にダンスなぞ如何」なんていかがわしいやりとりが展開されておるんかね。

そんな妄想たくましゅうしておるところではあるが、昼間はなんともガランとした広場。フットサルのコートなら余裕で3面はとれるんだから、開放すりゃいいのに、とさえ思うが、わざわざフットサルするのに150元払ってくる馬鹿はいない。

お土産物屋があり、上海ヒルズのグッズをはじめとして上海みやげを細々と売っていた。大々的に屋台を連ねたいところだろうが、それをやると肝心のイベントの時に撤去するのが大変なので、できないとみた。

「へー」と感心しながら、お土産物の写真を撮ろうとしたら店員さんに怒られた。写真、ダメらしい。

浅草でも、写真撮影ゆるさん、という土産物店があるけど、何でなんでしょう。観光客に写真撮られて、見られてこそナンボだと思うんだが。

コダマ青年はここでノートを購入していた。ちょうどノートが欲しかったらしい。

今時ノートかよ、と思うが、異国の地だし、筆談用だとかなにかと紙とペンが必要になるのだろう。

ドリンクも売られている

ホールのすみっこに、飲料とパンが売られている売店があった。

ドリンクが陳列されているのだが、それがとても興味深い。

見たこともないドリンクがあるのはおいといて、午後の紅茶がストレートとミルクの二種類用意されていて、サントリーの烏龍茶も二種類。え?二種類・・・気をつけろ、良く見るとラベルが微妙に違うぞ。うっかりすると砂糖入りのやつを買ってしまうぞ。あと、コカコーラやスプライト、シュエップスなど。

意外だった。中国料理店や茶芸館で「烏龍茶」なるものを飲んだらわかるが、あれは完全に緑茶だ。日本のコンビニで売られているような、茶色なものではない。だから、てっきり「茶色い飲み物」は日本人向け仕様なんだと思っていた。しかししかし、上海人もその茶色い烏龍茶を飲むとは!しかも、日本メーカーのものを。

加糖と無糖の両方を取りそろえているくらいだから、よく売れるのだろう。もっとも、日本人観光客が買っているだけかもしれないが。

あと、ビールも売られていたのが面白い。一番搾りと、青島。一番搾り、案外頑張っているんだな。このがらんとしたフロアで、サンドイッチつまみながら缶ビール・・・というのは、さすがに飲み助なおかでんとコダマ青年であっても想像がつかない。一体誰が買うんだ、これ。

中高年日本人団体観光客御一行、なんてのが買うのかね。ガハハハと笑いながら。

さて、そんな外来のドリンクが並ぶなか、一番左端に燦然と輝く缶が。赤地に黄色の文字で大きく「王老吉」と書かれている。怪しい、謎のドリンク。このドリンクの広告は、上海のいたるところで見かけたし、お店でも大変偉そうに売られていた。上海人のソウルドリンクらしい。成分を見ると、仙草をはじめとする薬草だらけ。漢方ドリンク、というわけだ。

仙草は癖があるからなあ・・・日本人にとっては、罰ゲームに等しい。

ドンファンミンジュ

ビルから脱出。

「どうする?ドンファンミンジュに行く?高さはあっちの方が低いから、景色は今のとあまり変わらないけど・・・俺は行ったことはないけどね」

とコダマ青年が水を向ける。しばらく二人して悩んだ末、行ってみることにした。行かずに後悔するよりも、行って後悔した方がいいや、と。

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