那須町をふるさとにした【那須湯本温泉】

11:38
ちょっと早い時間だけど、お昼ご飯を食べることにした。

向かったのは、「水車の里 瑞穂蔵」というお店。

https://mizuhokura-food.com/

一軒茶屋の交差点近くにある。那須街道沿いなので、以前から横を通り過ぎる度に「なんだろう?あの建物は」と思っていた場所だ。

古民家が使われていて、風情がある。

扱っているのは、すいとんやだんご汁といった、都会の人からすると「ああ、なんか旅行に来たなァ」感がある素朴な料理。そんな料理を古民家で食べりゃ、そりゃあもう旅情だ!風情だ!ワッショイ!という気分になる。舞台装置として、古民家とすいとんというのはベストマッチングだ。

別に、そんなにすいとんが食べたいわけじゃない。でも、こういう観光地でもないと、なかなか食べる機会がない料理ではある。家で作るのは簡単だけど、じゃあ作るかというと・・・作らないなぁ。

というわけで、今日はここですいとん祭りだ!ワッショイ!

いや、すいとんでワッショイ!と盛り上がるのはちょっと無理があるけれど。

「すいとん=素朴な庶民の料理」と侮ってはいけない。単品だと540円だけど、セットになると1,400円にもなる。なかなかなお値段だ。「まあ、観光地だし」という腹のくくり方をしないと、日常使いでこのお金を昼飯には払いたくない。そんなプライシング。

なにせ営業時間が「11:00~15:30」だ。1日わずか4時間半の営業で、お店を成り立たせないといけないのだから大変だ。いくら原価率が低い「粉モン」のすいとんとはいえ、一杯売っても、利益は知れている。

かといって、このエリアじゃあ、夜営業をやってもお客さんは全然来ないのだろう。昼も夜も賑わう観光地、というのは日本全国を見渡しても案外少ない。

瑞穂蔵の店内の様子。「竈」と染め抜かれたのれんがぶら下がっている。

ここのご飯はかまど炊きなのだそうだ。

竈!お前にはこの字が読めるか!?と客を挑発しているかのようだ。

か・・・かめ?

ブブー。お前、今すぐ帰れ。

席に通されて、さてどうしようと悩む。「僕はすいとん、君は団子汁」と単純にオーダーをわけようと思っていたが、卓上には「本日の一品」なる小鉢メニューがあったからだ。

「わらびのおひたし」「ふろふき大根のゆずみそかけ」

なんて料理が並ぶ。チクショウ、美味そうじゃないか。しかも260円という、「つい手を出してしまいそうな価格」が憎い。

あ、裏面もあった。

「たけのこのさんしょ味噌そえ」「刺身ゆば」

だって。うーん。

悩んでしまったので、むしろ頼むのをやめた。「人間、選択肢がたくさんあると、むしろ思考停止になって選ぼうとしなくなる」というのは有名な話だ。お店側がよかれと思って何十種類も商品を取りそろえたけど、その結果売上げが落ちた、なんてのはよくある。

たかだか4種類の小鉢ごときで思考停止?と思うかも知れないが、案外そんなものですよ。

しかも、まだ12時前。宿メシを食べて4時間足らずだと、食欲はまあこんなものです。

で、悩ましいのはメインメニューにもある。

えーと、そもそも「すいとん」と「だんご汁」って何が違うんでしたっけ?というところからよくわかっていない。

すいとんは小麦粉、だんご汁は上新粉ってことかな?

頭の整理をしていていたら、今度は「田舎すいとん」という概念があらわれてますます困惑。

蕎麦の世界で、「田舎」というと、蕎麦粉を殻ごと挽いて、黒っぽい麺に仕上げた蕎麦のことだ。すいとんの「田舎」ってことは、これもそういう作り方・・・?

いや、違った。

「田舎膳」という、すいとんでもだんご汁でもないメニューがある。これは、おかずがいろいろありますよ!というメニューなんだけど、それのお味噌汁がすいとんになったもの、それが「田舎すいとん」なんだそうだ。

なかなか理解が難しい。

シンプルにすいとんとだんご汁を頼んで、ほっと一息ついて縁側を鑑賞。風情があっていい。冬はずいぶん寒そうだけど。もうこんなん、いくらストーブで室内を暖めても、グイグイと外の冷気で暖気が討ち死にしていくやつや。

しかも天井がこれだ。梁がむきだしで、屋根裏が存在しない。

ストーブの暖気は、天高く舞い上がるし側面からガラス窓越しの冷気にやられまくるし、この家は大変なこっちゃ。飲食店としては成り立つけど、住まいとしてはかなり暖房費がかかる家だ。那須湯本から温泉を引き湯して、24時間床暖房にでもしないと。

・・・いや、そっちの方がむしろ建築・維持コストがかかるか。

すいとんがやってきた。単品の注文なので、これで540円。

ご飯やおかずはついていない。カメ・・・じゃなかった、かまどのご飯と一緒に食べたければ、1,400円の「田舎すいとん」をどうぞ。ちなみにご飯はおかわり自由。「お腹いっぱいになってくれ」とメニューには書かれていた。ありがたい配慮だ。

とはいえ、すいとんというのは要するに小麦粉なわけで、これそのものが炭水化物だ。

すいとんをおかずにご飯を食べる、というのはずいぶんと重複してるし、贅沢の極みではある。だって、昔は米がないからすいとんを食べていたのだろうし。

こっちは、連れが頼んだ「だんご汁」。

白玉団子みたいなのが入っていた。食感は、すいとんの方が硬かったり柔らかったり、変化があって楽しかった。団子は、おとなしくお上品におさまっている感じ。

でも、食べやすいのは団子なので、デート途中の淑女のみなさまはこっちの方がいいかもしれない。

食後、駐車場脇にある水車をみにいく。

単なる飾りではなく、実際に動いている水車だ。

おお、実際に製粉をしていた。へー。

何を製粉しているんだろう、小麦粉?そこまではよくわからなかった。

(つづく)

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