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南ヶ丘牧場をあとにする。
この近くに、「戦国武将ショップ」なる場所がある、ということを知り、立ち寄ってみた。なんだそれ。想像すらつかない。
訪れてみたら、予想を反してとんがり屋根の洋館が待ち構えていた。あれっ、戦国武将ってことだから、てっきり天守閣みたいな格好をした建物だと思っていたよ。
「戦国アートでお馴染み 諏訪原寛幸 ショップ&カフェ」
と書いてある。へー。「戦国アート」なる概念は、初めて知った。
諏訪原寛幸さん、という方は存じ上げないのだけど、看板に描かれている絵はなんとなく見たことがある。ああ、これはコーエーの絵っぽいな。信長の野望とか。
ああいう戦国時代の絵って、独特の文法というか、表現方法があるような気がする。それがまさにこの、諏訪原寛幸さんのものなのか。
プロフィールを見てみると、確かに「真・三國無双」や「戦国無双」といったコーエーのゲームでキャラクターデザインを手がけていた。
それにしても驚いたなあ、ゲームのキャラデザを手がける絵師というのは大勢いるわけだけど、こうやって自身のお店を運営できるだなんて。
それだけ、戦国時代に萌える女子とか、ニーズがあるのだろう。これは完全に油断していた、こんな世界があったとは。
店内では、劇画調の男らしい戦国武士たちの絵に、僕自身大いに燃えた。女子ではないので「萌え」はしなかったけど、テンションが上がる絵だった。
戦国武将の絵を描く際、「美少年風」に描く方法と、「いかつい男風」に描く方法の2パターンがあると思うが、この人の作風はなんとも勇ましい。僕みたいな男性にとっては、こっちの方が好みだ。いやあ、ええもん見させてもらった。
お店を出る際、織田信長の絵の前に立ち塞がる形で記念撮影。
信長のチョンマゲを借景としてみたけど、ちょっと微妙にズレた。まあ、こういうのも傾いている武士っぽくて良いのではないかと。
この旅行・・・じゃなかった、温泉療養・・・今更しらじらしいけど。。。の最後として、「旧青木家那須別邸」というところに行ってみることにした。
https://www.city.nasushiobara.lg.jp/shogaigakushu_sports/bunkazai/bunkazaiichiran/6/7256.html
このあたりは、森に包まれて、とても快適な空間だ。
自動車を運転するのが好きな人にとって、心地よいドライビングが約束されている場所。
「道の駅 明治の森黒磯」の奥に、その建物はある。
青木周蔵は、明治時代に外務大臣まで務めた人。
それにしてもすげえ。当時国会議員をやっていた人たちは、本当にお金持ちだったんだな。「別邸」がこれなんだから、本邸は一体どれだけ豪華なんだ?召使いが何人いても足りない。
月並みに「豪華」とか「すごい」とか書いてもしょうがないので、一切省略。
漆喰でのっぺりと塗り固めた壁じゃなくて、こんな立体的なパネル状の壁だもんなー。お金使ってるよなー。
これ、作っただけでもものすごいお金なのに、こうやって維持していくのも素晴らしくお金が必要だ。大変なこっちゃ。
1LDKとか2LDKの間取りを見慣れている身としては、この建物のレイアウトが意味不明に見えてしまう。
サバイバルゲームで、「建物に立てこもるテロリストVS特殊部隊」のCQB戦をやるのに向いているな、ということしか思いつかない、たくさんある部屋。
こんなに部屋を細かく区切らないで、広い間取りにすればいいのに・・・と思う。
それはおそらく、建物の構造上、柱の配置などの都合で部屋を区切らざるをえないという理由もあるのだろう。そしてなにより、一部屋がもともと広いので、これ以上広くしなくてもええやんけ、ということもある。
たとえばこれ。
浴室。
バスタブに対して、この広さよ。
空いているスペースで、何をしろというのか?服を盛大に脱ぎ散らかせ、と?
場所柄、避暑用の建物なのだろう。
4月にこの地を訪れ、建物を見学すると、白い壁やら柱が寒々しい。4月で「寒々しい」のだから、この家が涼しくて快適と感じるのはもっともっと夏が近づいてからだろう。
グランドピアノを置いてもこの余裕。
建物の正面からまっすぐに、ひたすらまっすぐに伸びる道。いやあ、贅沢だ。
贅沢さと、ダイニングテーブルの机の広さはあまり比例しないようだ。
思ったよりも、椅子同志が密集している。
贅沢に横幅・奥行きを一人一人に与えてしまうと、お互いの距離が遠くなってしまう。そうなると、会話をするには大声を出さないといけない。これくらいの大きさの机で、こじんまり食事をするというのがちょうどよいのだろう。
フレームだけ残った、ベッド。
なぜかこれを見ると、両手両足をベッドの柱にX字型に縛られ、「はーなーせー!」と叫んでいる自分、というのを想像してしまった。理由は不明。なにかそういう映画とかアニメとか、見た記憶があるのだろうか??
いくら部屋を見ても感心が止まらない。
止まらないついでに、この連載はこれにて終了する。このあと、那須のアウトレットモールに行ったとか、鬼平犯科帳をイメージした東北自動車道羽生PAとかの話もあるけど、もういいや。普通すぎるんで。
というわけで、ふるさと納税の返礼として那須を訪れた一泊二日、とても楽しいひとときだった。やっぱり那須高原というのはすばらしい観光地だ。すばらしい温泉、風光明媚な自然。今後も、ことあるたびにここを訪れたいものだ。
(この項おわり)
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