
14:06
那須における「御用邸推し」の現状を見たからには、実際に御用邸に行ってみなくちゃ。
もちろん近づけないことは知っているのだけど、行けるところまで行ってみることにした。
一軒茶屋前の交差点を東に曲がってしばらく別荘地を進んだところに、那須御用邸はある。
大層なゲートがあって、機動隊員が仁王立ちでガードしている、ということはない。そして、「那須御用邸」などという標識はどこにもない。ひっそりと、森の中にたたずんでいる。
「関係者以外の侵入はご遠慮願います。 那須町」という看板が道路脇に掲げてある。
それだけ。
宮内庁からのお願いではなく、那須町のお願いということになっているようだ。
今この時期、御用邸に皇族の方々がご静養されていないので、警備が緩いのかもしれない。さすがに、ご静養中だと、いくら監視カメラがあるとはいえこのノーガードっぷりはないだろう。
ここで三脚を立てて、セルフタイマーで記念撮影を撮る。あんまりモタモタしていたり挙動不審なことをやっていると、不審人物にされてしまう。監視カメラで、一挙一動を全部チェックされていることを強く意識しながら、手早くやる。
最近だったら、顔認証技術が発達しているので、ひょっとしたら僕の顔を公安のブラックリストと照合して、怪しい人物でないか瞬時に確認を取っているかもしれない。やべー、やましいことは何一つないけど、なんだかやべー。

14:10
滞在時間わずか1分だったか2分だったか、すぐに御用邸前を離れる。
一軒茶屋前の交差点ほどちかくに、「キングハム」という肉のお店があるので、立ち寄って中をのぞいていく。さすがに要冷蔵品なので、一泊二日旅行の1日目に買うのはやめた。

14:26
那須湯本に到着。
まずは地元の神様にご挨拶を、ということで、温泉神社にお詣りする。

前回訪れたのは、雪が降っている冬だった。

そのときと比べると、景色は大違いだ。

とはいえ、4月の那須高原はまだ新緑が芽吹くには若干早いようだ。木々はようやく雪が溶けてほっとしている感じがする。青々と茂るのはこれからだ。

温泉神社から、賽の河原とその奥の殺生石を見下ろしたところ。
この谷だけが荒涼としている光景は、やっぱり不思議だ。温泉なんだから当然なのだけど、大地の神秘を感じる。

14:50
もう宿はすぐそこなのだけど、チェックイン時間15時までちょっとだけ時間がある。
珍しいことだ、チェックイン時間前に宿近辺にいるだなんて。
昔は、夕食時間に間に合えばセーフ、くらいの勢いで、あちこち観光していたものだ。しかし、だんだん「チェックインしてから、夕食までの時間ってのが一番贅沢でエレガントだよね」と思い始め、チェックインする時間が早まり、いよいよ今回に至っては「チェックイン時間を待機している状況」にまでなってしまった。
こういう心境の変化は、「老い」なのか?それとも単なる方針転換なのか?
それはともかく、せっかく時間があるので、那須高原ビジターセンターに行ってみることにした。
那須湯本の温泉街から見上げたところにある、崖の上の建物。そういえば一度も訪れたことがなかった。
ビジターセンターで、この界隈に生息する動物や植物のことを軽くお勉強。数時間後には全部忘れてしまうような内容だけれど、行き先にビジターセンターがあると、必ず寄ってしまう。たぶん建物が大きくて立派で快適なので、立ち寄りたくなるのだろう。さすが環境省の建物。

15:28
本日の宿に向かう。
群馬県草津町のふるさと納税で貰える「感謝券」とは違い、那須町のふるさと納税は宿がピンポイントで指定されている。その宿は「山快」という。ふるさと納税の返礼品として指定されたことによって、集客は少しはかどったはずだ。それはすばらしいことだけど、他の宿からすると「あの宿だけうまいことやりやがって」みたいなやっかみの対象になりそうだ。あと、自治体に自分の生殺の権利を明け渡すようなもので、自治体の機嫌を損ねないように気をつけないといけない。結構気苦労は多そうだ。
宿は、那須街道からほんの少しだけ逸れて坂を上ったところにある。駐車場は宿の先。縦列駐車しなければならないので、早い時間にチェックインすると、夜どこかにお出かけしたり早朝出発の際に苦労しそうだ。

もふもふした犬がお出迎え。

これが本日の宿、山快。鹿の湯源泉を使ってますよ、ということを大々的に謳っている。

旅館のフロント。

フロントから見たロビー部分。
斜面に建っている宿だけど、地下があるとか同じフロアでも段差があるとか、そういうトリッキーな作りにはなっていなかった。増改築を繰り返して複雑怪奇な導線になっている、ということもない。まあ、ほっとできる宿だ。
(つづく)
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