三成祭会場に並ぶ「戦国屋台」。
石田三成という過去の武将を、今風に解釈していろいろな商品が売られている。
「華麗なる三成」という名前で、海老が二本、ツノのようにご飯の山に突き刺さったエビフライカレー。石田三成の兜が「長いツノが生えているかのような」特徴的な形をしていたからだ。
ちなみにその兜は「乱髪天衝脇立兜」(らんぱつてんつきわきだてかぶと)と呼ばれるものだけど、ゆるキャラの「ひこにゃん」がかぶっているのでお馴染みだ。
鬼気迫る名前の、いかつい筈の兜なのに、21世紀になるとこういうおもしろ扱いになるのだった。400年前の三成さん、天国でご覧になってますか?こうなるとはまさか想像していなかったでしょう。
その隣には、「三成押」という押し寿司が売られている。
しまいにはこれだぞ?
女子高生っぽいキャラクターが、先ほどの「乱髪天衝脇立兜」(らんぱつてんつきわきだてかぶと)をかぶっている。しかもピンク色の毛。「長浜ものがたり大賞」だって。
右手に軍配を持っているのが、なんともユルい。
これが、石田三成と縁もゆかりもないところで展開されているならばまだしも、毎年法要も催されるようなガチな故郷の地で、その名も「石田三成祭」での光景なんだからイカす。
いずれ、「サイバーパンク三成」とか「鬼滅の三成」とか今風のものをどんどん取り込んでいくんだろう。
そんなわけで、「三成いなり」とか「三成コーヒー」があるくらいで驚いてはいけない。「料理名+三成」という組み合わせは、想定範囲内だ。おっと、「ドーナツ」もあるのか。
三成さん、見てますか。ドーナツって舶来の食べ物、ご存知でしたか?
12:10
三成祭を楽しみたいところだけど、帰りの新幹線の時間がある。
早々にスタンプを押して、退却しよう。
石田会館、というところがスタンプラリーのポイントだというので、行ってみる。
案外でかいぞ、これ。
建物としては、集会所のようなものだった。それにしては規模がデカい。
今回の三成祭の関係者控室になっているたりするようだ。中には入らず、玄関先にあるスタンプだけを押す。
これにてスタンプ完成。
4つのスタンプを押すことで、1つの陰影が完成するというのが面白い考え方だ。スタンプを押す際、慎重になる。
石田会館の大広間入り口脇には、石田三成の絵が飾られていた。
この絵はそれほどでもないが、ネットで「石田三成」を画像検索すると、やたらと今風イケメン絵柄の三成が見つけられる。戦国BASARAだけでなく、あらゆる人がイケてる絵を描いていることにびっくりする。ホスト風三成、ガテン系三成、さまざまだ。しまいには、チョンマゲでさえない三成もいて、もう名乗ったもの勝ち状態。
日本の歴史がこんなアツいことになっていることに驚き、「ひょっとしたら神武天皇とか聖徳太子もイケメンになっているのか?」と追加で調べてみた。すると、「いらすとや」のユルい絵が出てきた。お、おう。。。
駐車場に戻る途中、「三成神社」におまいりしていく。
偉人は死後、神になる。
しかしそれは昔の話。今この時代、死んで祀られる人って果たしているのだろうか?
明治時代は、乃木将軍や明治天皇が神社に祀られた。昭和も戦中までは靖国神社があった。では戦後は?
・・・俺がなるしかあるまい!
やばい、人生後半戦に差し掛かっているのに、まだ何も神になるための偉業を成し遂げていない。大器晩成型だからなぁ。
田園風景の中、彦根に向かう。このあたりは広大な平野だ。
滋賀県というのは、琵琶湖にへばりつくように土地がある場所、という印象だけど、実際はこんなに平地があるぞ!
ちなみに今走っている道は、地図で見ると「三成公グリーンロード」という名前だった。ここにも三成の名前が!
(つづく)
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