13:42
彦根城の石垣。
お城の天守閣はここからだと、まだ見えない。
国宝だもの、そうやすやすと見せてたまるか・・・ということか。ちくしょう、僕だって国民なのに。
この先には、まだ高等学校があって、その奥がお城の本丸だ。
城壁に囲まれた城跡に公営の施設が入るのは全国各地珍しくないけれど、高校が入っているという例もあるのだな。きっと、校則で「男子生徒はチョンマゲを結っていること。ザンギリ頭は不可」みたいなことが書いてあるに違いない。
残念ながらここで時間切れ。そろそろ米原駅に向かわないと、新幹線に間に合わない。エクスプレス予約なので変更はきくのだけれど、文化の日3連休ということもあって、このあとの便はずっと満席続きだった。米原から立って東京まで戻るのはイヤだ。だから、便の変更はせず、おとなしく予定通りの新幹線に乗ることにする。
通り過ぎる「城下巡回バス」。
先ほど、バス停に書いてあった無料で市内要所をめぐるバスらしい。
ひこにゃんがたくさん描かれている、ユルいバス。そして、バス側面に手書きで書かれた「城下巡回バス」という文字がサイズがバラバラ、上下に揺らいでいる配列で、これもちょっとおもしろ演出になっている。
彦根市は結構サブカル方面に積極的にコミットする観光政策をとっている、という証だ。いいねこの柔軟さ。
「三成めし」を求めて、歩いていく。
そもそも「三成めし」というネーミング自体がおもしろなわけだけど、いろいろ考えるものだな。
おっと、あったあった、四番町スクエアのところに、「三成めし」ののぼりが立っている。
13:49
四番町スクエア。
昔、公設市場があった場所らしい。再開発して、今は「大正ロマン」をイメージした空間作りになっている。
城下町でときどきあるけれど、江戸時代だったり明治大正時代だったりがミックスされている演出が見られる。もちろん、昔から栄えた町というのは時代の移り変わりとともに進化していく。だから全ての時代において「町」というのは存在する。だから、「江戸時代で時間が止まったかのような」町というのは、むしろ「停滞」だ。
彦根の場合、戦国時代と大正時代がミックスになって、それに戦国BASARAのイケメンとひこにゃんのゆるキャラが混じり、大変なことになっている。
「ひこね食品館」という名前がついているとおり、お土産物屋風にいろいろなお店の食べ物が売られている。
お目当ての「洋菓子工房バニラビーンズ」のコーナーに行ってみたが、三成めしらしきものが存在しない。困った。
店員さんに聞いてみたら、三成めしは要冷蔵なので冷蔵庫保管されているのだ、という。別のところに売られていた。
時代だな、「三成めし」が冷蔵庫とは。
というわけで、干し柿とクルミのパウンドケーキをゲットォォォ。
500円引きの券があったので、これを198円で買えてしまう幸せ。結構ずっしりしてるぞ、おい。
嬉しかったのだけど、お会計をしてみたらちゃっかり198円+税をご請求された。お、おう。そうか、税別価格だよな、そりゃそうだよな。ちょっとひるんだ。
お店の入り口にいたひこにゃんのぬいぐるみ・・・
いや待て、お前は違う。どさくさに紛れて、ハローキティがいた。どこにでも登場するキティちゃんだけど、ひこにゃんとよく似てる。
14:28
車に飛び乗り、米原駅に戻ってきた。駅前のレンタカー屋に車を返す。
かの有名な米原駅だというのに、駅前はホテルとレンタカー店。車を返したらすぐに駅に向かえるので便利だ。駅ビル?そんなものはない。
14:36
新幹線ホームにやってきた。
久しぶりだ、線路が4本並ぶ新幹線駅に立つのは。真ん中の2本で、「のぞみ」など米原駅を素通りする新幹線がぶっちぎって行く。実際、待っている間に数本の新幹線が轟音を立てて通過していったが、なかなかにエキサイティングな光景だった。
でも、地元民からしたら「素通りしないで、停まってくれよ・・・」と常日頃感じているのだろうな。僕は新幹線に乗るといっても、東京・品川・岡山・広島程度しか利用しない。だから、「素通りされる悔しさ」というのは感じたことがない。
今回の旅は、広島の所要ついでに百名山を登頂する、というお気軽企画だった。
実際、登山らしい登山は全然やっていないけれど、普段素通りしていたエリアを好き勝手にウロウロできて、かなり楽しく充実した一泊二日となった。まだまだ日本って知らない場所がいっぱいあるものだな。
僕はもうすっかり国外旅行に興味を失っており、国内の「知っているようで、知らない場所」の探検の方が楽しい。まさか、年に何度も素通りしている関ヶ原・米原・彦根がこれだけ楽しいとは思わなかった。今後も日本探訪を続けていきたい。
(この項おわり)
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