「ちょっと、百名山に寄ってくわ」【伊吹山】

13:28
道端に出ていた、黒板。

「ちょっと小腹が空いたなーというお客様!」

はい、なんでしょう?僕のことでしょうか!?

とハキハキと応えたいところだけど、あいにくさっき近江牛コロッケ食べたばかりなのよね。しかもその前には彦根チャンポンを食べたし。

でも、お店は面白い提案をしていた。

お寿司・お造りのみのご入店も大歓迎です。お気軽にお立寄下さい。

と書いてある。なんだなんだ、「おう、お造りだけ見繕ってくんな!」と言いながら暖簾をくぐるのも歓迎?でも、そんな客いるか?

漁港そばの海鮮料理のお店だって、「お造りだけお気軽に」なんて食べ方をするお客さんはあまりいないはずだ。一体何屋なんだ、ここは。すげえハードルが高いお店なのか。貴族しか入れないお店なのか。

しかしその後に書いてある文言を見て、「おっとぉ」と思った。

近江牛トロ握り(2貫) 980円
※生食が苦手な方にはトロステーキ握りで対応そあせて頂きます。

そっちか!

海鮮料理のお店じゃなくて、近江牛の寿司とかお造りなのか!

あとでこのお店、「せんなり亭 心華房」を調べてみたら、客の目の前で近江牛ステーキを焼く、鉄板焼のお店だった。もちろん高級だ。

なるほど、だから「お寿司・お造りのみでもお気軽に」ということなんだな。

気になる。この際だから「お気軽に」立ち寄ってみたい。しかし僕の胃袋がそれほどお気軽じゃなかった。今日のところはやめておこう。

でも、ランチ時やディナー時ではないときでも、お店がこういう形で営業しているというのは楽しくて素敵だ。

彦根城のお堀端に、「夢京橋あかり館」という建物がある。

ここが今回の旅のゴール地点だ。

というのも、「石田三成応援スタンプラリー」の成果として貰える、「三成めし」の利用券の引換所がここだからだ。

夢京橋あかり館の2階には、「MITSUNARI11」という企画展をやっているらしかった。なんだこれ。戦国無双みたいなことになってる。そもそも、「11」ってなんだよ。

記述によると、「三成と行動をともにした10名の武将」がいて、三成本人とあわせて11、ということらしい。宇喜多秀家とか真田幸村とか、そういう人たちの展示だそうだ。

彦根界隈は本当に石田三成推しだ。すごいものだな。

その点、我がふるさとである広島はあんまり武将推しがない。あんまり、どころか全然ない。江戸時代になってから浅野家の統治が続き、そのイメージが強く、毛利輝元とか福島正則をプッシュする動きはあまり見かけない。サッカーチーム「サンフレッチェ広島」の名前の由来が、毛利元就による「三本の矢」の逸話に基づいているけど、その程度しか僕は知らない。

だから、彦根のピュアなまでな石成推しには、ただただ感嘆するしかない。

夢京橋あかり館の中を見て回る。

目の前のカラフルなものは、みんなろうそくだ。渋い。ろうそくが土産物として売られているぞ。

赤いろうそくを見ると、どうしてもSMを連想してしまう。SMもののビデオなんてほとんど見たことがないのに、そういうイメージが植え付けられているのはコントやバラエティ番組の影響だろうか?

ひこにゃんが大活躍。

森永のキャラメルにもひこにゃんの絵が描かれているし、おとなりの「まんまる焼き」なる饅頭にも、ひこにゃんの絵が。この絵さえあればなんでも作れるな。

さて、スタンプ台紙によってゲットできたのがこれ。「三成めしご利用券」。円盤型になっている。ふ「ご利用券」と書かれた小円をくり抜いて穴をあければ、そこに指を突っ込んでうちわとして使える。

「ご利用券500円」と書いてあるのがミソだ。無料で「三成めし」が食べられるわけではないし、そもそも「三成めし」という固定のものが存在するわけではない。

いろいろなお店が、「自分のお店が考える三成めし」を披露している。お酒も、お菓子も、弁当も、お寿司も。値段はまちまちだ。

で、「ご利用券」をお店に持参すると、これらの三成めしを500円引きで買うことができる。

とはいっても、新幹線の出発時間まであまり残されていない。

選り取り見取りではないか!とあれこれ吟味している暇なんて、ない。できるだけ身近なところのお店を探さないと。

とはいっても、今からガッチリした定食を食べる気にはなれない。

ちょうど、今いるところから駐車場に向かう途中で、「干し柿とくるみのパウンドケーキ」を買うことができそうだった。お値段、680円。これが500円引きになると、180円で買えるということになる。これはいい。

パウンドケーキなので、今すぐ食べずに東京に持って帰ればいい。いいお土産になる。

(つづく)

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