「ちょっと、百名山に寄ってくわ」【伊吹山】

09:47
伊吹山南麓方面の眺め。

スキーゲレンデのようなものが見える。

昔はここに「伊吹山スキー場」があったそうだが、2008年に閉鎖されている。さすがに温暖化著しい昨今、この伊吹山でスキー場を営むのは無理があったか。このすぐ近くの関ヶ原は、東海道新幹線随一の降雪エリアではある。しかし、雪が降るというのとスキー場が運営できる、というのはレベル感が違う。

で、このスキー場があることによってゴンドラが存在したわけだが、ゴンドラも当然廃業となっている。伊吹山の地図を見ると、登山道3合目までゴンドラに乗っていけるように錯覚するが、これは間違いだ。ゴンドラ跡がある、というだけのことだ。

なので、実際はゴンドラ乗り場のところから登り始め、片道4時間のトレイルとなる。

9合目まで車で横着できるのに、わざわざ登山道を登ってくる人なんているの?・・・と思いきや、結構な数の人がウネウネした登山道を登ってきているのが見える。

9合目、というのがあまりに楽ちんすぎるので、むしろ登山を楽しみたい人は敬遠して麓から登るのだろう。

早春や晩秋ならば楽しい登山になるだろう。なにせ、背の高い木々が生えていない山肌だからだ。でも、夏場にこの登山道はキツい。日陰がまったくないので、熱射病にやられそうだ。

09:48
山頂あたりの建物群が見えてきた。結構いろいろあるぞ。まるで一つの集落のようだ。どこかで見たことがある景色だな、と思ったら、そうだ、吉野ヶ里遺跡をイメージしたんだ。

09:53
山頂付近はほぼなだらか。平皿をひっくり返したかのような、台地になっていた。関ヶ原や琵琶湖を麓に従えている雄大な山の伊吹山だけど、山頂がこうもゆったりとしているとは意外だった。王者の風格、といった感じだ。

09:54
なにせこの広さだ。

学校の遠足に最適。お昼ごはんをどこで食べてもいいし、その後走り回って遊んでもいい。

木道で完全に仕切られて、立入禁止エリアだらけというわけでもない。

いたって、のんびりとした景色だった。

あれ?

ログハウスがあるけれど、これは・・・。

山頂には神社があることが多いけど、ここはお寺だった。大乗峰伊吹山寺、だって。

山岳信仰というのは神仏習合の要素があるので、「ざっくり」で許されるならお寺でも神社でもどっちも同じなのかもしれないけれど、ちょっと意外だった。

特にこの伊吹山というのは、ヤマトタケルノミコトの神話が残っている場所だ。日本神話が絡むので、てっきり神社だと思ったのだけれど。へー。

山頂はすぐそこ。

もう既に山頂に立った、と言っても過言ではないのだけれど、あと数メートル丘を登ればゴールだ。

09:58
息吹山頂では、日本武尊像がお出迎え。

ヤマトタケルノミコトが、この山にいる荒神退治のために訪れ、命からがら逃げたという伝説が残っている。結局荒神は退治されなかったようなので(白い猪だったらしい)、今でも探せばどこかにその白い猪が潜んでいるかもしれない。

10:00
山頂標識の前で勝ち誇った顔をして記念撮影。

いやあ、厳しい登山だった。苦労の末山頂に立ったときの感慨はひとしおだ。

しかし、まだホテルで食べた朝食バイキングがお腹にしっかりと留まっており、「激しい登山」をした直後とは到底思えない腹の出っ張りようだ。しかも、汗をまったくかいていないのが嘘くさい。

いずれにせよ、こんな360度空!という光景はなかなかない。楽をさせてもらったのは事実だけれど、今その喜びを全身で感じている。

山頂直下の茶店は随分と大規模だ。店舗面積は、9合目駐車場のお店よりも広い。

5軒ものお店が軒を連ねていた。

さすがに場所が場所だけに、宿泊を生業にする「山小屋」はないのだけれど、仮眠ならとれる場所がある。

麓にスキー場があったような土地柄なので、冬は閉鎖される。

年中営業しているような、お気軽な山ではない。

風が吹き晒すのだろう、山小屋の背後には石垣が作られ、ほぼすっぽりと山小屋が囲われていた。

(つづく)

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