10:11
諏訪湖湖畔にやってきた。
海からはるか彼方の内陸だ。山から流れ込んだ清水が美しく太陽の光で輝き、湖底が水面から透けて見える透明度・・・を期待していたけど、なんだこれは。
泥水。
台風一過の影響は諏訪湖の水面にも影響を与えていた。そりゃそうだ、山から大量の土砂が流れ落ちてきたはずだから。
こういうのを見ていると、「いずれ何十万年後には諏訪湖、土砂で埋まって消滅するんじゃないか?」と思えてくる。
10:14
諏訪湖の湖畔を訪れたのは、間欠泉が目当てだ。ここには、「間欠泉センター」という場所があり、一日数回間欠泉が豪快に吹き上がるのを間近に見ることができる。
ご丁寧に、間欠泉を取り囲むように建物が建っている。昔はこれが有料のプールで、温泉プールに入りながら間欠泉を見る、というちょっと風変わりなことができた。
間欠泉センターの近くには足湯があって、無料で利用することができる。
足湯というのは、気軽な存在だけどなにげに準備が必要な施設だ。足を拭くタオルを持っていないと、湯から出るときに座っているベンチを濡らしてしまう。後に使う人の迷惑になってしまう。
「おっ、足湯があるぞ。ちょっと浸かっていくか」なんて偶然の出会いはない。足湯の気配がある場所に行くときは、予めタオルを持参する習慣がないといけない。
10:34
次の間欠泉は11時だという。まだもうちょっと時間がある。足湯でじっとしているのはどうも落ち着かないので、時間まで周囲を散歩することにした。
ちょうど目の前に「タケヤみそ」の工場があって、その脇には展示即売所があるようだったので好都合だった。
えっ、なんで間欠泉のタイミングがわかるのかって?だって、時刻表がちゃんと間欠泉の脇に掲示されているんだもん。1時間半おきにお湯が沸く。夏の観光シーズンになると、お湯が沸く回数が1回増える。
どういうこっちゃ、というと、まあ、天然の間欠泉はもう枯れたらしいってことだ。今じゃ人口間欠泉。それって、「噴水」と何が違うんだ?と思うが、温泉を引湯しているんだったら、間欠泉と読んでもまあ・・・間違いではないか。
工場そのものの見学はできないけれど、直売所はちょっとした時間潰しに面白かった。
一つの味噌蔵で、こんなにいろいろ味噌を出しているんだなあ・・・と感心させられる。そして、試食できる味噌もあるので、二人で「こっちのほうがいい」「いや、こちらもいい」などと品評しあう。
直売所の脇で、「ごまみそソフトクリーム」が売られていた。甘いものに目がないいしは、「ぜひ食べたい」と最初っから言っていた。
ソフトクリームの写真の脇には、「とん汁」のメニューもあった。「50食限定」と書いてある。
味噌屋なのに、ソフトクリームのほうが在庫豊富で豚汁が在庫少ない、というのがちょっとおもしろい。日持ちするものとしないものの違いなので当然だけど。
「せっかくだからとん汁も食べておきたいですねぇ」
「あれっ、ソフトクリームは?」
「それはそれで」
ということで、朝食バイキングでしこたま食べた後だというのに、まさか昼前にとん汁を食べる。
味噌の味もさることながら、さすが味噌屋だけあってだしの取り方から具の煮込まれ具合まで、とても素敵なとん汁に仕上がっていた。
ごまみそソフトクリーム。
醤油蔵でも味噌蔵でもこういうのを時々見かけるけれど、「ガリガリ君コーンポタージュ味」的なイロモノ感はやっぱり拭えない。しょっぱくて甘い、というのが僕にとってはいまいち腑に落ちないのだった。好きだけど、普段遣いの味じゃないというか。
11:04
時間になったので、間欠泉に戻る。
「11時頃」ということなので時間は前後するのだろうけど、まだ湧いていない。だんだん湯気がでてきたのだけれど。
(つづく)
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