車山山頂に向かうリフトに乗り換える。
ああー、一面のガス。
車山は「日本百名山・霧ヶ峰」の一部なので、百名山ピークハントをするならばガスってようがなんだろうが関係ない。でも、僕はこの山をすでに登っているので(前回もリフトだったけど)、今回は晴れていて欲しかった。
リフトを降りたところに、記念撮影用の枠が置いてあった。枠には「KURUMAYAMA」と書いてある。
よく考えると変な話だ。フレームというのは、写真を撮ることによって風景が切り取られて構成される。でもこれは、写真を撮るためにわざわざフレームの中に入る。写真のフレームの中に、実物のフレームがあるというメタ構造になっている。
日本人って、昔からこういうメタ構造が好きだよな。マンガでもよくあるし(コマ外で作者がコメントを書き込んでいたり、マンガの中に作者が登場して話の解説をする)、これも、写真を撮っている自分というのを四人称視点?で俯瞰している構図になっている。
ちなみに、ご丁寧にカメラを設置するための台が用意されているのだけど、単なる台ではなく、スマホを立てかけることができるようになっているのが時代の流れを感じる。
僕らもここで記念撮影をしようと思ったが・・・おっと、ロープが張ってあって中に入れない。「台風の影響 倒壊の危険性 立入禁止」という札が立っていた。ああ、台風はこんなところにも爪痕を残していたのか。
車山山頂を目指す。
丸いアンテナが見える。都市ガスの貯蔵タンクではなさそうだ、気象計測のためのものだろうか。
車山山頂。すこしガスは晴れたけど、相変わらず展望は悪い。
しかし、このあたりは木々が生えておらず広大な草原になっているのはよくわかる。
車とリフトで苦労せずに1,925メートルまで登ってきたことになる。
昨日、雨の中を自転車でヒルクライムしていたのとは大違いだ。
ここから先、トレイルルートが伸びているようだ。車山の奥から歩いてくる人、奥へと向かっていく人、登山装備の人が行き交っている。
太陽が照りつけている季節ならばしんどいけど、気候が良いならばとても楽しい高原歩きができそうだ。いつの日か、このあたりをのんびり歩いてみたい。百名山ピークハントは、標高を稼げないといけないので疲れる。
リフトを降り、また霧ヶ峰ドライブを続ける。
ビーナスラインはクネクネとした道だ。なので、ずいぶん先に進んだつもりでいても、実は地図で見ると大して前に進んでいないことに気づく。
茅野方面を見下ろしたところ。
すすきが生えている草原。
青空が時折見える中、ドライブ。
一つ一つの光景はとても素敵なんだけど、写真にしてみると案外大したことがないものだ。
やっぱり実際に現地に行って見るに限る。特に霧ヶ峰みたいな雄大な景色はなおさら。
ずいぶん前に進んだつもりになったけど、バス停の名前が「車山肩」。まだまだ前に進んでいない。
(つづく)
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