2018年秋 30カ国ってもう世界征服じゃん【外語祭2018】

東京外国語大学の大学祭、「外語祭」ほどエキサイティングな学祭を僕は知らない。

完全に「食」にフォーカスをあてた学祭は、調理師専門学校の文化祭じゃあるまいか、という印象すら抱く。外語大学にあるすべての語学科が、それぞれその国・地域の料理を出す模擬店を運営する。日本最大の外国語大学だけあって、その数は20を優に超える。いっぺんに、それだけの国の料理をあれこれ食べられる場所って、たぶん日本中探してもここだけ・この時期だけだと思う。

ハラルフードを食べた数分後には、豚肉料理を食べたりもできる。まさに食の世界征服だ。

我らが「アワレみ隊OnTheWeb」では、オフ会ということで過去何度となくこの外語祭に出撃してきた。

半径50mの世界食べ歩き
東京外語大学の大学祭は、隠れた名所だった!世界各国の料理と、お酒が一度に楽しめる日本でも類を見ない「食べ歩き世界紀行」ができる場所。値段は安いし、見慣れない料理とお酒が楽しめるし、これ以上ない食のワンダーランドだ。これはもう、食べ歩くしかな...

模擬店は、キャンパスの中心部にある円形広場を取り囲むように軒を連ねる。なので、「半径50メートルの世界食べ歩き」というシリーズタイトルで、オフ会・私的な集まり含めて開催してきた。

最後に訪れたのが2013年秋で、それ以降しばらく疎遠だったのだけど、今年久し振りにこの地に訪れることにした。オフ会形式で参加者を募ったところ、2名参加表明があった。3名で、できることならば全部の語学科模擬店を巡ろうと思う。

2018年11月23日(金・祝)

3名で外語祭の予定だったけど、そのうち1名が前日の深酒でダウンしたらしい。急遽2名での開催となった。

僕と、もう一人はやすさんという初対面の方。

2名となると、さすがに全店舗巡りは無理だろう・・・というのが二人会った時点での感想だった。何しろ、数年前は26カ国・地域の模擬店だったのに、2018年バージョンは30カ国に増殖していた。

おいちょっと待て。東京外大、「一度に全店舗巡りはさせてなるものか」と阻止の構え、満々やないか。

さすがに30店舗は無理だ。やすさんは僕よりも身長・体重がある頼もしい人だが、だからといって一人15店舗の料理、というのはノルマとしてどうなんだと。

やすさんはお酒が好きだということなので、ドリンクで店舗数を稼ぐ作戦になりそうだ。

「でも、5杯までなんですよ、制限があるので」

とやすさんに言われて、思い出した。ああそうだ、世界の美酒に酔い潰れる輩が続出した?ことが問題になったので、「アルコールパスポート」が導入されたんだっけ。お一人様、5杯か。

2010年時点は1日8杯までだったけど、より制限が厳しくなったというわけだ。それは残念。いや、僕はアルコールを一滴も飲まないけど。

「イッキ」のコールが居酒屋から(ほぼ)消えて早20年近く。ここ数年じゃ、「アルハラ(アルコールハラスメント)」という言葉が市民権を得るようになったくらいだ。厳しいご時世、というか、ようやく正常な世界に戻った、というか。

やすさんは、「ロシア語学科でウォトカを頼もうか」と、度の強いお酒を飲む計画を早くも策定中。

10:56
JR中央線の武蔵境で西武多摩川線に乗り換え、多磨駅下車。徒歩数分で東京外国語大学。ものすごく久し振りだ。昔は外語祭がないときも、このあたりによく出没していたので、なおさらだ。

変わっている部分もあるけれど、変わっていない部分の方が多い。あいかわらず、のんびりとした雰囲気が漂っている。

時代だなあ、と思うのは、学祭期間中の廃油の回収量や総CO2削減量がキャンパス入り口に掲げられていたこと。

10:56
11時から模擬店の販売は開始だと聞いていたが、既にフライング販売が始まっているようだった。来場者も、この時間にして大勢いる。

「外語祭の模擬店は、お昼時は激しく混む。昼前にどれだけお店を回ることができるかが、勝負の分かれ目」

とやすさんに言っていたのだけど、完全に裏をかかれた。もう大行列ですやん。

屋台が並ぶ円形広場の手前で、長蛇の列が出来ている。インフォメーションコーナーなのだと思っていたが、アルコールパスポートを発行しているテントだった。

我々も並んだが、なかなか列が進まない。年齢確認などに時間がかかるようだ。

「この先にもパスポートを発行する場所があります」

というスタッフの言葉を聞き、一旦行列から離脱。

なんと、パスポート発行所は二カ所もあるのか。時代は変わったな。

「アルコール持ち込み禁止」と書かれた立て看板。

そりゃそうだな、アルコールパスポートで飲む量を押さえ込もうとしているのに、よそから持ち込まれたらたまらない。「飲食物の持ち込み禁止」という言葉は、フードコートなどの飲食スペースでよく見かける。でも、この看板のように「アルコール」に絞った持ち込み禁止、というのはなにげに珍しい。

各語学科の飲食模擬店と双璧をなす、外語祭の目玉イベントが「語劇」だ。これも、各語学科がそれぞれ、習得中の言葉オンリーの劇を披露する。

その語劇の会場が、キャンパスに入ってすぐのところにあった。あれ?昔と会場の位置が変わっている。この建物、新しいものだろうか?

円形広場に設けられた野外ステージのタイムテーブル。

ところどころ写真撮影禁止のアイコンが描き込まれている。見ると、チアガールといった、女性によるパフォーマンスの場合はアウトらしい。ううむ、これもまた世知辛い。でも、納得だ。

外語祭の会場地図。

見てすぐにわかるように、円形の広場の外周が屋根付き渡り廊下のようになっていて、そこにお店がずらりと並ぶ。今年はその数、30。

どうやったらあの場所に30も屋台が入るんだ?と不思議だったのだけど、地図を見ると「渡り廊下」部分からはみ出ているお店もあった。もうこれ以上は詰め込むのは無理そうだ。

円形広場の入口に掲げられた横断幕。今年のスローガンなのだろうか、「ちきゅうぎにとびこめ!!」と書いてあった。おう、飛び込んでやらぁ。

11:06
でもその前に、アルコールパスポートだ。

まず最初に、免許証などの公的証明書で年齢確認を行う。そして次に、白い箱の中に右手を入れてくれ、と指示された。ローマにある「真実の口」みたいだな。

何事かと思ったら、ブラックライトを当てる装置らしい。そして手の甲に、ブラックライトに反応する透明なインクでスタンプを押された。

次に左手に、野外コンサートなどで使う、紙製の腕輪を巻き付けてもらう。はずそうとするとベリベリになって復元できませんよ、外したら許しませんよ、というやつだ。これが2018年版のアルコールパスポート。腕に、5つの四角い枠が並んでいて、1杯飲むたびにお店の人にチェックを入れられる。

かなりの念の入れようだ。

道理で、会場入口にあったアルコールパスポート発行所の行列が全然前に進まないわけだ。昔は、年齢確認を済ませたら、単なる台紙を貰うだけだったのに。

でも、ちょっと待ってほしい。この腕輪を破って、何食わぬ顔をしてもう一度アルコールパスポート発行所に並んだらどうだろう。さらに5杯飲めるのではないか?・・・いや、そうはいかない。先ほど右手の甲に押したスタンプがあるので、すぐにバレる。

そんな馬鹿な。

スタンプ、手をゴシゴシ洗ったら消えるだろさすがに。入れ墨じゃないんだから。

さすがにそこまでする人はいないと思うけど。

普通、何らかの権利を得るために、スタンプを消さないよう客は努力するものだ。でも、今回の場合、「ルールを逸脱したけりゃスタンプを消せばいい」わけで、通常の運用のあるべき姿とは逆だ。

(つづく)