激辛グルメ駅伝2022

ほうきぼしの「スパイスを食す!スパイス汁なし担々麺」(激辛)。

写真がやけに明るく撮られていることに気づくだろうか?

激辛料理の写真を撮ると、明るい所での撮影であっても暗い写真になる。料理そのものがどす黒いからだ。リアルがそういう外見なんだからしょうがない。

でも、今回すっかり弱りきっている僕にとって、赤黒くて暗い写真というのはそれだけで生命力を吸われそうな気がした。見ているだけでつらい。

なので、撮影するときに明るさを上げ、シャドウをプラスに補正して撮影した。その結果、白くて明るくてぱきっとした、さっぱりした料理写真に仕上がった。

こうでもしないとやってられない精神状態だった、ということだ。こういう補正を撮影時に行ったのは初めてのことだ。

麺をよく混ぜる。

混ぜないほうが、「あっ、やばい!」と思ったときに辛い部分を回避できるのではないか?という気がする。

でも、混ぜたほうが「やばい辛さが薄れるのではないか?」という考えもある。薄れるわけがないんだけど、心情的なものとして。

一瞬躊躇したけど、かき混ぜることにした。あーあーあーあー、すっかりまんべんなく赤黒くなっちゃったよ。

その結果がこれ。

作戦失敗。見たまんま、まんべんなくぜんぶが激辛になった。

皮膚が裂けるんじゃないか、というくらい深いシワを眉間に寄せて、辛さに耐えている。

とにかく僕にできることといったら、「お願いですからこの子だけは!喉だけはお助けください!」と懇願することくらいだ。ダメージが極力喉にいかないよう、食べ方に苦労する。でも、これまで3店舗でなんとかしのげてきた喉もこれで完全にギブアップ。

むせて咳き込んだりしたら、コロナ時代の今は周囲の人から警戒される。咳き込まなかっただけ、まだよかった。でも、喉の炎症の回復は確実に1日以上足踏み、または悪化したと思う。ああ、痛い。

特に花椒が料理に入っていると、辛さが喉に響く。口や喉の粘膜に対して、辛さの感度をブーストさせる気がする。

すっかりぐったりしてしまった。この4食目は完全に蛇足だった。明日以降体調が回復してきたら再訪しよう、ということにして問題先送りにしておいてもよかった。それくらい、今日の僕はもう限界だった。


今日はもうこれで帰宅する。

出店している7店舗中、食べたのは4食+お持ち帰り1食。つまり取りこぼしが2店舗出た、ということになる。

全店舗制覇を目指すなら、この2店舗は数日以内になんとかしなくてはいけない。まさかこういう展開になるとはなぁ・・・。厳しいなぁ。ぼやくしかない。

残された2店舗は、先程「お持ち帰りはやっていない」と明確に言われた「親鳥専門店 ばかたれ」と「タイ田舎料理 クンヤー」だ。また来るよ。たぶん。体調が治れば。

この日会場を後にするときの客席の様子。12時ころ。

若い人しかいない。

この時間帯は客席が空いているしお店も行列が少ないのでおすすめ。

ただし、空席が多いように見える客席だけど、ズラリと並ぶ長机の両端にみんなが座っている。長机の真ん中部分が空いている状態。物理的に空間があっても、後からやってきた人は相席をするような感覚で席を確保することになる。気分的に楽なのはやっぱり角席なので、早く着いた人は長机の角っこを確保したい。

腫れ上がって靴がうまくはけない状態で、足を引きずりながら新宿駅へ向かう。今日は午後、使いものにならないな。家に帰って休もう。

21店舗目 拉麺一匠 DEAD or ALIVE

家に持ち帰った唐揚げを夕食の食卓にあげる。「三重熊野産激辛プリッキーヌを贅沢に使用 旨辛!唐辛子研究科の唐揚」だ。辛さは「中辛」ということなのでさほど心配はしていない。見た目もさほど辛そうに見えないし。

ただ、食べてみたらこれがなかなかに辛い。「中辛」と呼ぶのは「ご謙遜を・・・」と言いたくなるくらいのレベルだ。一緒に食べたいしが「からーーーい!」と言って慌てて水を取りに走った程度に、辛い。

この唐揚げを買った際に店頭で胡椒のようなスパイスの小袋をもらったんだった。完全に油断して、「うまみ増強スパイスかな」程度の感覚でぜんぶかけてしまったのだけど、これがどうやら激辛のスパイスだったらしい。

昼受けたダメージを回復させる間もなく、夜もまた被害拡大。もう駄目だ。

第3.5区間 2022年09月15日(木)

翌朝。手も足も、発疹がくっきりと赤黒くなってきた。手足の痛みは昨日よりマシになってきた気がするけれど、発疹の数は明らかに増えているし、面積も拡大した。指の先まで無数の発疹ができている。

飲み薬の「ボルタレンSR」を飲み、塗り薬の「インドメタシンクリーム」を手と足に塗り込む。喉は・・・ありがたいことに、喉は昨日よりも調子が良いように感じる。手足口病にかかったわりには、メシの点で不自由が少なかったのは不幸中の幸いだ。

このボルタレン、「SR」というのは徐放剤を意味する。つまり、飲んだらすぐに血中濃度が上がるという仕組みではなく、胃腸でじわじわと溶けて体内に吸収されていくようにワザと作られている。添付文書を読んでみたら、血中濃度が最高になるのは、服用してから7時間だった。こんなゆっくりの鎮痛剤は初めて見た。

「そうだ、激辛グルメ祭りで辛い料理を食べる7時間前にこの薬を飲めば、僕は激辛最強の身体になれるんじゃないか?」

と一瞬よからぬドーピングを思いついたが、それが間違っていることにもすぐ気が付いた。

ボルタレンやロキソニンといった消炎鎮痛剤は、炎症箇所から放出される「プロスタグランジン」の生成を抑制する効果が期待されるものだ。つまり、「炎症があるぞ!」と脳に送る危険信号を止めちゃおう、という発想だ。つまり、もともと炎症がないと意味がない。

これから激辛料理を食べまーす、辛さや痛みをごまかしたいでーす、というのには全く効果がない。それをやりたければ、局所麻酔でも注射で打つしかあるまい。歯医者か整形外科かペインクリニックにでも行ってこい。

あと、インドメタシンクリームだけど、痛くて腫れてぶつぶつが多数の手に塗ることができるのは良い気休めだった。でも、このご時世、事あるたびに手指消毒をしたり手を洗ったりする。すぐに洗い流されてしまうので、どれほど約立ったかは不明だ。

いずれにせよ、体中に発疹があって肉体にダメージを負っている状態だと、相当に身体がだるい。そして精神的に弱ってしまう。この日一日、仕事のパフォーマンスが全然上がらなかった。永遠にExcelをいじくりまわしてデータの検証をダラダラとやっているような有様だった。

とはいえ、前日とはうってかわって発疹がどす黒くなって大きくなったのには肝が冷えた。特に足の裏がすごい。写真を撮ったけど、この記事には到底掲載できないレベルのグロテスクさだ。これがうっかり水疱になって破れたら、僕はしばらく歩くことができなくなるだろう。

大げさではなく、真剣に「数日間、歩行に相当制限がかかる自分」を想像して戦慄した。そして、「これは・・・まだ歩けるうちに、激辛グルメ祭りで食べ残したお店に行っておかなければ」という発想になった。

ワクワク感もなにもない。義務感だけで、大久保公園へと今日も足を運んだ。2日連続だ。

道中、電車の中で立っているだけで足の裏が痛む。体重をかけたくないのでつり革にぶら下がろうとすると、それはそれで手が痛む。そうか、手足口病というのは「電車の中で立つ」というのは不向きだ。

9月15日(木)時点の激辛グルメ祭り。

今日から、「TRATTORIA BUBU」と「鉄板中華 仁」が登場。

この日買ってきたのは3店舗の料理。

今日の新顔店舗2店舗、お持ち帰りできる容器に入って売っていないかなぁ・・・?と観察していたけど、やっぱりそんな気配なし。たまたま第一回目の訪問時に、あれもこれもとお持ち帰りできたけど、あれは偶然だったんだな。

やり残し2店舗+新顔2店舗=4店舗を食べれば、今のところ全てのお店を食べたことになる。でも3店舗で止めたのは、病気中だからとか健康上の問題ではなく、単に金銭的な問題だ。

いくらなんでもお金がかかりすぎだ。いったいこのイベントのために、僕はいくら支払うことになるんだ?しかも、夫婦で仲良く食べるならともかく、僕一人でむしゃむしゃと食べているのは罪悪感が半端ない。

そんなわけで、来週水曜日でもまだ出店している「鉄板中華 仁」の料理は今回スルーした。

22店舗目 タイ田舎料理 クンヤー

昨日、「テイクアウトできればいいのになぁ」と遠巻きに眺めていたお店、クンヤー。今日は会場で直接食べる。

パッタイ、ガパオライス、ヤムウンセンがあったので、パッタイを頼んだ。どの料理も「辛口」しか辛さの選択肢がない。辛さ表現がインフレを起こしている昨今の激辛情勢のなかで、非常に慎ましやかで好感が持てる。

パッタイを選んだのは、「食べやすそう」だったからだ。

昨日、夕ご飯はナイフとフォークを使う料理を食卓に用意したのだけど、自分がナイフとフォークをうまく使うことができずに愕然とした。あれって、ギコギコとナイフをつかうためにナイフを握りしめるし、フォークで料理を押さえつける。それが腫れた指にとって、痛いのだった。

びっくりだ。手足口病はナイフとフォークもまともに使えない。

そんなわけで、今日の僕は「食べるならできるだけ箸の料理がいい」し、箸も、細かいもの・細いものをつまくために指に力が入らなくて済むようなものがいい。パッタイはその点、気楽だ。

タイの唐辛子は華やかで好きだ。爽快に、辛い。まあ、辛いというよりも痛いけれど。

韓国の唐辛子とも違うし、日本の唐辛子とも違う。タイの唐辛子とくらべたら、日本の唐辛子って陰湿な辛さを感じる。重たさがあるというか。

タイの唐辛子も後を引く辛さだけど、今日1食目ということもあっておいしく食べることができた。うん、旨辛。

(つづく)

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